ツボを使って魚の骨をとる

以前ブログで 「魚の骨をとる」というお話をしました。
その時は のどに鍼をあてて・・・ でしたが 今回は正統に ツボを使ってのお話です。

以前のこともあり、ツボを使って魚の骨は取れないかと思っていました。本を読んでいると そのツボを使うと喉に刺さった骨がとれるというツボを見つけました。(またまた澤田流の本です)自分の喉に骨が刺さったわけでもなく何となくいざ!の為に覚えていたのですが・・・。

私 人間も料理しますが、普通に料理もします。さてその日は サバの煮つけ なんぞ作ってみたのです。すると娘が「痛っ、喉に骨が刺さった」と言い出しました。まあ そのままほっといたのですが、さすが鍼灸師の娘のこと「骨がとれるツボってあるの?」と訊いてきました。「あると思う?」「うん あると思う」なんちゅう会話だ。「じゃあ、このツボね。」とツボの本を渡し自分でツボを探させる。「ここ?」「その辺じゃない。そしたら押さえて少し揉んでみたら。」と自分でツボに刺激をさせてみました。しばらくすると「あっ取れた!」やっぱり効くんだ~。
あっそうそう 娘はこの春 鍼灸学校一年生になりました。

ちなみに そのツボは 「間使」。ごはんを一気に食べるより効果的かも。

深呼吸が多いのは・・・② パニック障害にも有効では

珍しく続きものです。(ここから見た人は⓵も見てください)

深呼吸が多いのは「ガスがみぞおちから降りていかないから」ということが解りました。
さて、ここから
前述した鍼灸師さんは パニック障害をお持ちで 電車に乗れないとか乗っている最中しんどくなるので電車を降りるとかあるようです。(パニック障害とは思いがけない時に突然、動悸や息切れ、強い不安を伴うパニック症状が起きる。パニック発作が繰り返されると予期不安や発作を生じる状況の恐怖を感じるようになり毎日の生活に支障をきたす)

鍼灸うえだに来院されるようになってからパニック障害の症状は減ってきたとのことでした。初診より お腹にガスが多い というのはわかっていたのでそれなりに治療はしていたのです。私の考えではその「ガス」こそ パニック障害の元だと考えています。
 臨床家育成会ではり灸を教えている私は毎年、滋賀県米原市のやいと祭りに参加しています。やいと祭りとは滋賀県の中山道 柏原宿で行われるお祭りです。小さな宿場町で町の人が露店を出し、いかにも夏祭りといった風情なのですが、やいと祭りは少し変わっています。まずなぜ「やいと祭り」と言うのか。柏原宿にはいまでも もぐさを売っている艾屋さんがあります。昔より「艾は江州に限る」といわれたくらい滋賀県(昔の近江・江州)の艾は良かったようでそれを言ったのも 織田信長とか。ちなみに西日本の方言でお灸のことを やいと といいます。やいと祭りと鍼灸は関係が深いと臨床家育成会の天野氏が鍼灸を行うようにし、やいと祭りでは格安鍼灸(体験して鍼灸を知ってもらう啓蒙活動)を行っています。
 閑話休題

去年 夏 7月。やいと祭りに参加すべくいざ滋賀県へ。今回はお供がひとり。それがかの鍼灸師。道中でパニック発生とならないよう一緒に出掛けた。行きはよいよい 帰りは恐い と歌にもあるくらいですから行きは何事もなく宿に着き 夜中に勉強会と称して治療をし、やいと祭り当日を迎えたのでした。やいと祭り終了してもで何事もなかったよう。事件は帰りの電車の中で起きた!新快速に米原から乗り込み、京都を過ぎたころ 鍼灸師さんのパニック障害が起きた。ただ座っているだけなのに段々としんどくなるらしい。傍で見ていても何でかよくわからない。「電車降りようか?」と促すも「何とかいけそう。」ガスが上ってきてるんだろうなとは感じていたので 取り合えず背中を擦ってはみた、その時は「身柱」(胸椎3番)付近を狙ってさすったので効果が余りなかったように思う。この時もう少し胸椎下位をすれば変化があったのではないかと考える。5分くらいしんどそうにしていたが、盛り返してきて身体がマシになったようで 大阪まで帰ることが出来た。しんどそうにしていた時、やはり深呼吸が多かったのを覚えている。

 現在の治療では 深呼吸を治療時間にする人やみぞおちにガスが多い人には「霊台」「至陽」の辺りの反応点を探しそこに鍼の施術を行っている。お腹のガスの変化が顕著な気がするし患者の治療後の軽快感も違うよう。

今までの「何で深呼吸するんだろう?」という疑問がとれた症例とパニック障害の改善のいいヒントになりました。

そうそう、一度はり灸をして電車に乗ることがあったそうですが、その時はパニックは起きなっかたそうです。母校の鍼灸学校に行ったそうですが 病気ののことを知っている先生複数に「電車乗って大丈夫なん?」と訊かれたそう。
鍼灸の可能性大です。

深呼吸が多いのは・・・。①

今回のテーマは「深呼吸が多いのは・・。」です。深呼吸ってそんなにする。ラヂオ体操体操の終わりとかよっぽど一生懸命走った後とかそんな時ですよね。でも患者さんを観ていると、治療中 ときどき深呼吸しているんです。何でするんだろうとずっと思っていました。うちに鍼灸師が治療に来るんですが、その子もときどき深呼吸するんです。「深呼吸してるけど、何でするの?」と聞いても「してました?自分では全然気づいてないですけど。」みたいな返事。いっこうに訳わからん感じでした。
 
 それがわかったのは今年のお正月。なぜわかったかというと 自分自身で体験したから。「ああ、そうなんだ。」って感じです。さすがに12月は鍼灸うえだでも忙しい。年末ともなると1日マックスの日々が続きます。(マックスと言っても9人ですが・・・。でも 出来ることはすべてする というこだわりで患者一人1時間は結構大変なんです)疲れを引きずって山口に帰省。すると お腹のガスがみぞおち辺りにありそのガスが下がって行かない。そのガスを下げるために「深呼吸」が必要となってくるんです。なんで深呼吸してるんだろうと自問してやっと「ガス」のせいと解りました。それともう一つ、深呼吸するようになってから背中が痛いんです。「背中を押して欲しい」そんな感覚。こんな感じだったらそりゃあ鍼灸院に鍼してもらいに行くわな。鍼はあるけど治療者はいない、でもつらい。ある方法を思いつきました!「母ちゃん、鍼して!」もちろん、ずぶの素人です、鍼持ったことないし。背中に指をあて「ここに鍼打って」と打たす。嫌々ながら母は背中に打ってくれました。その場所に打つと背中の痛みは取れ、ガスが下がったのか深呼吸の回数が格段に減ったのでした。

そうか、ここに鍼を打てば深呼吸が減るのかとわかったのでした。ちなみにその場所は胸椎の6番か7番当たり。ツボでいけば 「霊台」「至陽」だと思います。おうちで深呼吸は多い人がいたら一度背中をさすってあげてください。

                                今回に限り ⓶につづく 

便秘に困ってる?

私事が忙しくしばらくブログをお休みしていました。ごめんなさい。

さて、いつものようにブログにて有益な鍼灸情報をお伝えします!

今回は「便秘」のお話。便秘ってどうしたら良くなるの?よく治療室で訊かれます。「食物繊維も採っているし、最近はヨーグルトも食べてるし、何があかんのやろ?」「いやいや あかんでしょ。」「えー何で?」「それはね、胃や腸といった消化器系の働きが悪いから、そんなん食べたからといって動き良くなる?それらは調子がいい時に食べたりすると効果が出るの。」「うーん じゃあどうしたらよくなるの?」「鍼灸したら良くなるけど、それじゃあ 便秘のたびに来ないとね。鍼灸というのはツボがあってそのツボの効果で色々な症状に効くんですよ。」「じゃあ、やって!」こんな会話はしょっちゅうです。

77歳の女性。いつものように肩こり、腰痛の治療をしていると「2ヵ月あいだが空いていたら便秘になった。困っている。どうかなる?」それで上記のような会話。
使ったツボは 2か所。 ひとつは「足の三里」前にもブログで書いていたようにお腹全体によく効きます。足の三里だけでも効くのですが、それでは心もとない。さらに強力に便が出るようツボを加える。それが「澤田流神門」鍼灸学校の経穴(ツボ)の授業で先生に「クソ神門」と教わった。それからず~と試してみたがそう効き目が良くない。最近また澤田流の本を読み返しているとツボの位置が違うよう。取穴部位を確認してしてみるとすこぶる効き目。なのでその患者さんに足の三里と神門をお灸する。その晩 その患者さんから電話があり、夕方にはすっきり出た とのこと。
よく効きました。自分でツボを刺激するがけでも効果はあると思うので、一度お試しあれ。

寝起きが悪いのは・・・。

 鍼灸うえだは何故か夜尿症の子が多い。勿論ブログとかで「夜尿症が治った」などと書いているので来院されるのだとは思いますが・・・。
 今回のテーマは「寝起きが悪いのは・・・。」です。先に夜尿症のことに触れましたが夜尿症の子は朝起きにくいという特徴があるようです。鍼灸うえだでは夜尿症について2つの項目を考えて治療しています。
 なぜ夜尿するのか?
  膀胱がその年齢より小さい(病院で言われるそうです)
  おしっこしたくて本当は目覚めないといけないのに目覚めない・起きない
なぜ起きにくいのか?ずっと診ていくと共通点があります。簡単に言うと「胃が悪い」ということです。ただこの場合 食べれないとか胃が痛むとか 本人の自覚は少ないようです。だからお母さんに「胃が悪いから起きれないんですよ。」と言ったところでお母さんもピンとこない。ただ、こちらで胃の治療をしてくると朝の寝起きが良くなる。今までは何回起しても起きない子が1回起こしただけで起きるようになる。明らかに起きることが良くなるようです。その為、夜尿症の子が夜中におしっこしたくなると起きるといったことが少なからずあるようです。

勿論 このことは大人にも言えます。大人も寝起きが良くなりますよ。
胃が悪いのは ブログでよく書いていますが「ガスが溜まっているせい」です。それもみぞおち辺りに溜まっている。
私は朝起きてすぐハイテンションになります、多分誰も寝起きが悪いとは言わない。私の兄は寝起きが悪くまた朝の貴重な時間20分くらい朝食の前でジーっとしていました。その頃はそんなこともわからず、「変わった奴だな」くらいにしか思いませんでしたが 胃の調子が悪かったのだと思います。
 もし寝起きが悪い方は鍼灸で治してもらってください!

またまた打撲を治療する

 今回のお話は「またまた打撲を治療する」です。エ~打撲なんか鍼灸で治せるの?なんて思っている方も多いでしょう。私のブログの中でも一番に読まれているページは「打撲」についてです。鍼灸うえだの患者さんも打撲は鍼灸って認知されているので圧倒的に 打撲や打ち身後すぐに来院されます。患者さんの言葉を借りれば「一番治りが早い!」とのことです。
今回のケースは打撲を結構治療してきた私ですが、なかなかの強敵でした。ブログが書けるのは患者さんがやっと治られたからです。

 この患者さんよく打撲されます。以前にブログで書いた お腹を強打して刺絡で治した ことのある女性。またまたやっちゃいました。今回は何故か玄関で滑ってこけたそうです。その時 前のめりになって両手で支えたもののお顔も床に強打した模様です。後からわかったのは 打ったところは 顔面(右側)支えた両手(手のひら・手の指)右胸 が主なところでした。(後からぼちぼち痛いところが増えました)まずは 整形外科へ。骨折などは無く取り合えず湿布をもらってから鍼灸うえだに来院。「先生~!またこけちゃいました。」今回の強敵は打撲からの「痺れ」手のひらで支えたのか両指が全部痺れてる。指を触ろうものなら ビクッ「痛い!」勿論両指全部。それだけでなく肩関節から肘辺りも触ると痛い。触るところ ことごとく痛いって感じ。それら痛いところは触れず、とにかく頸椎・胸椎を診ると明らかに歪んでいる。(毎週来院される患者さんなので頸椎・胸椎の感じがいつもと違うことはわかる。まずは頸椎や胸椎の打撲で衝撃があったと思われる部位に刺絡する。勿論ドス黒い血液がカップに出てきます。この症状の初回は背中(頸椎・胸椎)の刺絡と鍼灸うえだ独自の身体の歪みを治す鍼で終わりました。
 次の来院時には 指が全部痺れるのは無くなったが 両方の示指・中指・薬指が痺れてる・痛みがある それと右脇が痛むとのことでした。その日も頸椎・胸椎に刺絡しました。右脇の痛みについては肋間神経痛の類いと考え胸椎は刺絡・脇からお腹にかけては毫鍼を打ちました。あと示指・中指・薬指にはセイリン製J15を打ちました。治療後は指の痺れも少しマシでした。

 そのあと5回治療しましたが指と肘の辺りは一進一退でさほど変化がなかった、勿論治療後はマシになるのですが良くなるようではなかったです。その間 右脇には刺絡して良くなりました。指3本にはお灸も加えましたがマシになるだけで次回来院時にはやはり痺れ・痛みがあるとのこと。実は鍼灸うえだで見つけた「刺絡の法則」を忘れていました。それはその神経の元(この場合頸椎・胸椎)を刺絡するときはその痛みがあるところ(この場合 指)に直接刺絡すると良くなるというものです。鍼灸うえだでずいぶん刺絡しているとそういった法則性を見つけることができます。
 そのあと痺れてる指に刺絡すると症状の改善。痺れも痛みも無くなりました。先日には痺れ痛みは右の示指だけになりそれも刺絡をすることによって良くなったようです。あと、肘辺りの痛みも肘周囲で刺絡しました。それで痛みが無くなりました。もっと早く法則に従っていれば早く良くなったと思います。

今回の敵は「痺れ」でした。痛みは取れやすいが痺れは取れにくい といいます。整形外科では「頚椎症」と診断されましたが、良くなられて幸いです。今回は少し時間がかかりましたが、いい勉強になりました。
でももう「こけないで!」と思いますね。

 

ツボは反応することがわかった。

 今回のテーマは「ツボは反応する」です。もう25年以上鍼灸に関わってきて 今更! という話ですが・・・。
勿論、人の体には 361のツボがあり 身体の症状に応じてツボが反応して 押さえると気持ち良かったり、痛かったりとなることはわかっています。今回のケースは明らかにわかりやすく また患者さんも私も感じたことなので特に書いてみます。

 その患者さんは妊婦さん、7ヵ月。体調管理にはり灸をするのと、今回は産科医から「逆子」と言われ「逆子」治療も兼ねていた。体調管理については段々とお腹も大きくなり、胃がつかえてきてしんどいというのが症状だった。ここでいうツボの反応は 体調管理ではなく 逆子治療である。逆子治療で用いるツボは「至陰」穴。その患者さん、左右両方一緒に触診すると明らかに左のみ痛がる。お灸を左至陰穴にする。お灸を終えた後 確認するとお灸前より痛がらない。逆子治療はうまくできたかなと思ってその日の治療は終わりました。大抵その後に逆子が治っているかどうか産科医にいくか、自分自身でお腹のどこを蹴られているかで逆子が治っているかどうかわかる。今まで次に来院される前に産科医に行くので逆子が治っているかどうかはわかっていることが常でした。ほぼ100%治っていますが・・。
 そんな治療をした妊婦さん1週間後に再度来院。産科医の検診も未だ行っておらず、自分自身でも治っているかわからない。今日は 逆子治療が必要なのどうか 前回同様至陰穴を触診した。前回痛く感じたのは左側。両方同時に同じように触診すると痛みがない。患者さんも私も「えっ!痛くないの。」じゃあ今日は至陰のお灸無し。後日逆子がどうなっているか診てもらったら やっぱり正常な位置に戻っていました。
 ツボは症状があるときだけ、反応するんだと再度認識した治療でした。

最近あった腰痛治療の話

 今回は 最近経験した腰痛患者さんの治療の話です。印象深かったのでブログに載せました。
その患者さんは常連の患者さんです。腰痛は今まででもあるのですが、腰が痛いといった一般的なものでした。今回は少し違う、腰が痛いのと足が痺れる。両膝の周り以外痺れている。勿論足の裏も・・・。今回は坐骨神経痛などではなく知覚神経が調子悪いんだろうなと上向きで寝て両足を触診する。いきなり「やめてください!」痺れているので触られたくないとのこと。まあ確かに嫌だろうとうつむきの姿勢になってもらう。足に毛布を掛けただけで「痛いから外してください!」オイオイ、こんな感じで治せるの?と自分自身に言い聞かせながら、とりあえず、いつもと同じように0番鍼治療。鍼灸うえだは患者が腰が痛いと言っても全身治療をする。鍼・お椀灸をして 「ハイ一度動いてみてください。」何も変わらない。やっぱり無理だったのね。こんな症状初めてなので一応通常通りしたらどうなるか確認。いつもならこれらの刺激でOKなのに。

 では治療に変化を加えていきます。鍼灸の基本は 施術部位(ツボ)刺激の質(どんな道具を使うか)刺激量(どれくらい刺激するか)の三つです。触診の感じでは刺激の質は 毫鍼(刺す鍼)でいけるはず。施術部位はとりあえず全身治療したものの足の痺れに変化なしなので ツボと刺激量を変えていきましょう。腰、骨盤に鍼を20本打ちました。鍼は0番から2番に変えて刺入震度も深くしました。その中で鍼を刺入していくと鍼先に硬い物が当たる。筋肉だろうとどんどんと鍼を入れていく。なかなか入りませんけど。2.5cmくらい入れると「先生 左足の感じが変わってきた、毛布が当たっても痛いのがマシ。」と患者の反応。よし、思った通りと10分間そのまま放置状態。今回は腰のみに鍼をしています。
鍼を抜いて腰・足の痺れの状態を確認。左足は痺れが10→3に変化。右は10→5とまだ悪い。では横向き寝てもらってもう一度腰に鍼を打つ。鍼を抜いてもう一度 両足の変化を診ると左10→1、右10→2 とのことでした。
 久々の強敵に疲れました。ちなみに治療時間は2時間です。唯々マシになって良かったです。

目が痛くなる症例 (本を読んでて良かった)

 今回のテーマは「目が痛い」というテーマです。目が痛いと患者さんから症状を訴えられることがしばしばですが、自分自身がなったことの無い症例はなかなかイメージがわき難く治療としてはうまくいかないこともあります。それが今回うまくいったというお話。
 「目が痛い」と云っても原因はいろいろ。ドライアイなのか目にゴミが入ったのか、最近は逆まつげというのもありますね。今回の「目が痛い」は朝起きると玉ねぎを切った時、目に沁みるように痛い感じがあるといったもので玉ねぎを切った時の痛みはわかるけど、そんな感じで痛くなるのねって感じでした。なったことないからイメージだけではわからない。現在、鍼灸うえだでは初診の予約時にある程度患者さんの症状を訊いておく、つまり予習できるので・・・。鍼灸の本をベッドの上に並べ手当たり次第に「目の痛み」を調べる。自分の中で頼りになる本をそこそこ集めているのでそれなりに有効なツボが見付かる。
 自分の今までの臨床でのツボと本に書いてあるツボをまとめて患者さんに使ってみる。初診は色々と話を聞いたり、身体の変化を診たりと2時間かけて治療します。とりあえず、目が少し楽かなって感じで帰られました。2時間後、「近くの娘が来てみたら目が充血してる。大丈夫?と言われた。先生、大丈夫ですか?これって好転反応?」と電話がありました。自分の中では目の治療として首・肩のコリをとること、そして予習のツボをちゃんと治療してあるので「大丈夫ですよ、充血はマシになりますから。」とお答えしました。その充血をこの目で見たわけではないので少し不安。2日後また電話があり、「充血はすぐマシになった。朝に目が痛いのもだいぶマシになったので、もう一回行きたい。」とのこと。あ~良かった。
 今回使ったツボは「肝兪」なんです。目は肝に属す なんて東洋医学には書いていますよね。ただ「肝兪」ではダメで肝兪の脊柱の際、(澤田流でいくと膀胱経1行線・熱をとるには1行線が有効なんですって)後で思うと 目をよく使う(テレビを長いことじっと見ると目が痛くなったり、お猪口1杯のお酒を飲んだら翌朝すごく痛くなってた って患者さんが問診時に言っていました。ああ、肝に熱を持っていたのねって感じです。ちなみに読んだ本は 代田文誌先生の「鍼灸真髄」です。
本の通りにうまくいくケースはレアですが、なかなか先人の研究・発見には驚かされます。いい勉強になりました。

夜尿症卒業しました。

 卒業・入学のシーズンですね。鍼灸うえだでも卒業がありました。そうタイトル通り「夜尿症」の卒業です。鍼灸うえだの卒業規定は生活は通常通り(寝る前に水分制限しない)それが2週間出来れば卒業となります。

 この子は小学3年生.夜尿は毎日する。もちろんおねしょをしても自覚して起きることはない。宵のうちにするので寝てから2回する。(両親が就寝時に確認するともうおねしょしている)1日目、2回目は変化がありませんでした。1週間に1回のペースで来院してもらいました。3回目から徐々に良くなり4回くらいは成功するようになりました。なんと7回目には1週間成功となったのですが・・・。2週間で卒業、2週間毎日成功にはなりませんでした。それからまた週3~4回が続きました。なかなか週4の壁が破れず、どうすれば良くなるのか悩みました。同じような治療して良い週(回数が少ない)があったり、悪い週があったり様々です。過去の先輩たちはどのツボを使ったのか、どうしたらよくなったのかを色々調べ試してみるのですが、うまくいったりしなかったりです。その小学3年生の子は1年ちょっと前で卒業でした。

 現在も3人の夜尿症の子供を治療しています。「ここをすれば効く」といった方程式があるのではと試行錯誤です。
現在の鍼灸うえだの治療を少し書いてみましょう。
 基本は小児はりです。私は大師流の小児はりを使っています。5寸釘みたいなやつです。そうそう夜尿症の患者は基本大人用ベッドに寝かせて治療します。まずはお腹を診ます。お腹にガスが多くないかチェックします。、多い場合は起こしても起きない爆睡をすることが多いように思います。多い時はお腹のガスを出るようにしないといけません。手と足を小児はりするとうつむき治療、背部や腰を治療します。まずは小児はりを全体的に行います。その中で私が重要と思っているのは頸椎1、2番辺りの凝りです。それと腰椎2~3番辺り、あと仙骨です。丹念に小児はりを行います。その棒灸をします。普通の使い方、皮膚に近づけると熱いので少し湿らせたバスタオルの上から棒灸を押し当てます。小児は気持ちいいと言っています。現在ではついでに腎経太渓辺り内踝とお腹のおへそ下にもバスタオル棒灸をします。最後にもう一度首肩を小児はりをして終わります。たぶん小児はりにしては時間長いけど・・・。
 最近の傾向として良くなってくるとグーンと良くなります。あっという間に卒業というペースです。未だにそのあたりがわかりませんが・・・・。みんな早く良くなってもらうと嬉しいです。