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あなたの咳はどこから?

今回のお話は「あなたの咳はどこから?」というお話です。

 寒いような温かいような日が続いています。風邪をひいたという患者さんも多く、コロナ以後の今日この頃 咳もなかなかしずらいですよね。患者さんに聞いてみると大概 「咳をする」ことは風邪をひいたの一択です。いやいや そんなことはないでしょうと思うのですが、風邪でもないのに「咳」。どうしてなのでしょう。

 まずは自分自身の体験談から・・・。鍼灸師になる前、会社員いわゆる営業マンでした。車通勤をする中 大きな交通事故を3回しました。安心してください!生きていますよ! まあ大きなケガもなく病院にもいきませんでした。ちなみに車は3回とも大破しました。今思い起こせばその頃から空咳が出るようになっていました。よく「咳大丈夫?」などと尋ねられることも多かったです。咳はあっても風邪をひいているわけでもなくそのままにしていました。その後 人生の転換、鍼灸の道へと入り鍼をしてもらうことが多くなり(それまでしたことがなかったです)するとその空咳が出なくなったのです。なので簡単に言うと交通事故の後遺症だったのでしょう。そこから咳というのは風邪だけではないと確信したのでした。

 風邪を引いた時に咳が出る よくあることですよね。なのでこのケースは割愛して。

咳が出た時咳が止まらなく出て エズくほど出ることってありますよね。これも風邪のせいとよく患者さんは言いますが 風邪引いた時こんなエズくような咳しないでしょう。これは腹からの咳でお腹の中のガスがみぞおち辺りに上がってきて横隔膜を刺激して出る咳なのです。こんな咳の時に風邪の治療をしても治るわけないのです。こんな咳の場合は胃の治療が大切なのです。咳の種類で治療の場所が違うのです。

 私も実は年明けから咳が出ていました。勿論風邪ではないです。上記の腹の咳でもないです。あんまり咳が多いと患者さんが心配するのでいかがしたものかと。そこで「貼る鍼」を貼ってみようと試みました。場所は胸椎1番。ここなら自分で貼れるとこ。触診するとすごく痛い。貼ってみると咳は激減しました。今も貼っています。

もし咳が出る、風邪薬を飲んでも変わらないのであれば鍼灸という選択肢もありです。

  (この記事は どこネットと鍼灸うえだ のブログにて公開しています)

使える武器はひとつかふたつか それとも三つか

明けましておめでとうございます。

今年も鍼灸の良さを発信していきたいと思います。よろしくお願いします。

今回のお話は「使える武器がひとつかふたつか それとも三つか?」というお話です。

 鍼灸 はり・きゅうですから 使える武器は 鍼と灸 でふたつですね。鍼灸学校に行けば鍼と灸は習うわけですから鍼灸師は大概二つの武器は持っているということです。武器は多いにこしたことはありませんが、多くあっても使いどころに困りますよね。その鍼灸第の武器が「三稜鍼・刺絡」です。今回は 三稜鍼のお話です。

 新年連休も終わった昨日、患者さんは来院されました。その患者さんは介護職の仕事をされており肩こり・腰痛などをいつも治療するのですが、加えて左肩甲骨の外側が痛む、動作をするたび、左腕を使うたびに痛むとのこと。今日は休日で明日からまた仕事なので、痛みなく仕事ができるようにしてほしいとのことでした。仕事の内容から左手をよく使うことが予測できますので 多分肋間神経痛だろうと考え治療しました。この時は鍼と灸を使った治療です。背部の治療が終わり患者さんに「身体や腕を動かしてみて。痛みがある?」と訊くと「先生、まだ痛いです。」「治療前と比べてどれくらいマシになった?」「半分くらいです。」これではまだ駄目だ。もう一度背部を診る。「今度は「吸い玉いくで~」と三稜鍼を持って背部に吸い玉をする。ちなみに治療場所は先に鍼を打った処に今度は三稜鍼で皮膚を少し切りその上に吸い玉を吸引する。するとドス黒い血液が出てくる。それを何回は繰り返し「もう一度、動いてみて~」「先生、動いても痛くないです。」てな感じで治療を終了したのでした。

 もし鍼と灸という武器しかなかったらこの患者はここまで良くならなかったかもしれません。三稜鍼という第3の武器があればこその結果といえるでしょう。鍼灸うえだではいつも三稜鍼を使うわけではありませんが 鍼での効果が少ないと感じた時は 三稜鍼という選択肢で患者さんが早く良くなる方法を考えています。

肋間神経痛は肋骨に沿ってある神経が痛むこと、原因は神経の起点の背骨のところのコリや疲れのためだと考えます。その患者さんに「この痛み、ほっといて治りますか?」と訊かれましたが、「あなたの今のお仕事ではほっといて治ることはないと思います。鍼灸は神経痛に効果が高いので、治療して良かったと思いますよ。」と返しました。

新年仕事始め、ゆっくりした分頑張ることも多いと思います。お身体に気を付けてください。

 (この記事は どこネットと鍼灸うえだ のブログにて公開しています)

鍼や灸は何に効くの?(風邪 編)

今日は前回に続きまして「鍼や灸は何に効くの?」の第2弾です。今回は「風邪編」です。

前回の打撲患者さんの前に 風邪気味患者さんが来院されていたんです。その話を・・・。

その患者さん いつも腰がだるいが主訴なのですが、2~3日前に風邪をひいた、その後 後頭部や肩甲骨辺りが気になる ということでした。「風邪をひくとその辺りが調子悪くなりますよ。」なんて話になってきまして。

 後頭部に 風池 というツボ 私の感覚では風邪をひくと後頭部が痛くなる辺り。肩甲骨に 風門 というツボ ここは風邪のひき始め 寒気を感じる辺り。二つのツボの共通点は 「風」。東洋医学では「風邪 ふうじゃ」といって邪気のひとつだと言われています。風池 風門 のツボに鍼をすれば良くなるということになります。風門 肩甲骨の辺りは患者さんが寒気を感じるところ、なので鍼もいいですが 灸がもっと効果的です。風門 に灸をすると肩甲骨辺りがシャンとなってきます。患者さん 帰り際に「身体が温まって気持ちよくなった」と言われていました。

ついでに 今年の12月は今のところ温かいですが 来るかクリスマス寒波 年末寒波。風邪のひき始め この風池と風門 というツボで乗り切りましょう。風池は爪楊枝を数本束ねたもので後頭部を突いてください。肩甲骨に寒気を覚えたら ドライヤーで温めましょう。風邪の初期段階であればこれでいけるでしょう。すこし風邪もひどくなれば肩甲骨上部(一番は胸椎3番くらい 身柱というツボ)にカイロを張りましょう。風邪薬を使わず治ることも可能です。 

 風邪の治し方指南になってしましましたが 鍼灸は整形外科領域だけでなく 風邪などにも有効というお話でした。

  (この記事は どこネットと鍼灸うえだ のブログにて公開しています)

鍼や灸は何に効くの?(打撲 編)

今回は「鍼や灸は何に効くの?」というお話です。打撲 編です。

「打撲の治療を鍼灸で?」と思われる方も多いでしょう。大体 鍼灸といえば整形外科領域が認知度高めですから・・・。ところが打撲には鍼灸がよく効くんですよ。て、ことは勿論「交通事故」もオッケイですね。

以前から 鍼灸うえだのホームページの中のブログにも掲載していますが 打撲に鍼灸はよく効きます。

昨日 打撲の事案があったのでブログに書いてみようと思います。

 いつも週1で来院される70代後半女性。自宅で尻もちをついた、その時に右の足の親指もどこかに当たったか打ったかで大いに腫れている。見ると内出血で赤くなっている状態。歩くとその親指が痛いし靴を履くと周りが締め付けられるようでこれも痛い。なので 歩く姿も痛々しくうまく歩けないようだ。患部の右の足の親指から足の甲を触ってみると明らかに腫れている。とりあえずは腰から治療すべしとうつ向けになってもらう。触診すると右側の腰(特に仙骨部)がおかしい。おかしいというのはこの場合 左右の腰(仙骨部)を比べると違う、尻もちをついたせいか右側が腫れている。こんな時は 今 流行りの「吸い玉」を使う。鍼灸うえだではただ吸い玉をするのではなく、三稜鍼という鍼を使う。三稜鍼は治療者が「ココ」というところを刺す、すると皮膚に少しながら傷ができる。そこを吸い玉で吸引し 溜まっている血液(東洋医学的には 瘀血)を取っていくというものである。すると普段知っている血(サラサラ)ではなく ドロッとした瘀血が出てくるのである。その瘀血を取ることによって早く腫れがとれたり痛みがなくなったりして 症状が改善されていくのである。この日は1時間くらい その瘀血を取るような治療をしていた。腰の治療が終わり今度は上向きになってみると 右親指のはれ、足の甲の腫れは良くなっておりうっすらしわが確認された。患者さんに足の指の痛みを確認したが痛くなく歩きやすいとのことでした。

 鍼灸っていろんな可能性があるんです。今の症状の改善が悪ければ東洋医学という選択肢もあるかと思います。

   (この記事は どこネットと鍼灸うえだ のブログにて公開しています)

ところで 鍼って歯痛に効きますか?

今回は「ところで 鍼って歯痛に効きますか?」というお話です。

 昨日来院された30代男性。いつも重たいものを持つようで 腰痛 を訴えてくる。今日も 腰痛 がきついのでお願いしたい。ところで 鍼って歯痛に効きますか? との疑問符。「虫歯は歯医者さんに行ってもらうけど 例えば知覚過敏とか歯茎が腫れるとかは鍼灸は効きますよ。」と返した。「じゃあ お願いします。」と今回は歯痛についても治療することになった。私は一応 患者さんにこのツボが効くとかこの辺りが凝るとこんな症状が出やすいとか説明をするので 今回は「歯痛」の際にどのあたりを鍼をしたらいいのか説明しながら鍼を行ってみた。

まずは頚(特に後頭部あたり)患側が特に凝る、そこに鍼を打つ。次に肩(肩といっても少し背中方面がよく凝っている)そこにも鍼を打つ。もう一つは前腕部(患側の健側は明らかに違う)ツボでいうと 手三里 だ。 

うつ向きで治療しているときにもう一度それらのツボに鍼を打っておいた。結果 来院した時に比べて痛みは格段に減ったとのことだった。やはり症状が改善するのは嬉しい。

 私は素人同然で鍼灸院に就職した。鍼灸院にいてもあまりすることがなかったので 来院した患者さんに「今日はどうされました?」と尋ねることがしばしばであった。患者さんの返答に「今日は葉が痛いの」と言われ「えっ 歯医者さんに行けば。」と本気で思っていたことを思い出す。そんなことが何回かあって多分患者さんが見かねて「大阪では体の不調があったら取り合えず鍼するの。鍼が効かなかったら病院にいく。」という回答。出身が山口県で鍼灸院も行ったことがなかった私にはカルチャーショックだった。鍼灸を勉強し何でも鍼で治してやろうという気持ちは変わらない。久々 昔のことを思い出した出来事でした。

 (この記事は どこネットと鍼灸うえだ のブログにて公開しています)