めまいに困っていませんか?

鍼灸院ではめまいの症状の患者さんが多いです。もちろん鍼灸うえだでも一緒ですが・・。患者さんがめまいと言われる中に2種類の形があるように思います。一つは回転性めまい・・ぐるぐる目が回って立っていられない、気分が悪くなるといったもの。もう一つはふらつき・・一瞬ふらっとなり立っていられなくなる、よくあるのが椅子から立った時にフラッとするもの。どちらも当の本人にはつらい症状です。

鍼灸院では首や肩の凝りが原因と考え治療するケースが多いです。中には私は首肩が凝らないという人もいますがそういう方は大抵凝っています。ただ自分で自覚がないだけです。鍼灸うえだでは首や肩の凝りを解消する治療でめまいやふらつきがなくなってきます。初診患者でふらつきを主訴とされた女性の方でしたが、治療の終盤までまだおかしい、ふらつくと言われていた方が最後首に1本鍼を刺入したら突然「ふらつきが止まった!」と言われました。その後発症はないようです。

現在も治療中なのはずっと立っているとふらついてくるという男性患者さん。本人は肩こりを感じません。鍼灸治療をする前は2回めまいで救急車で運ばれたそう。でも原因はわからずじまい。奥さんが肩こりで鍼灸を利用されるので鍼灸でなら治るかもと来院。最初は鍼の入れた感じもわからずでしたが、症状改善もイマイチ。3回目くらいから今までと少し違う、ふらつきの程度がマシと通院中です。

私はめまいに鍼灸治療は効果的と考えています。首や肩が凝るからという原因であることも確かです。ただ手を良く使って凝ってきたのか、それとも内臓からの凝りなのか。使った凝りなら心当たりがあるはずです。心当たりがないのによく凝ってる、単なる物忘れなのかそれとも内臓からきた凝りなのか。よくあるのが鍼灸うえだでよく言う「ガス」です。ガスの影響で首や肩が凝ってくる、となると「ガスの治療」胃腸の働きを良くすることになります。そうすることがひいては「めまい」の治療となるのです。

めまいが続くと外出するのが怖くなります。いつどこで起きるかわからない不安で一杯です。中には[持病だから」という方もおられますが一度鍼灸治療をお勧めします。

 

 

寒い冬は神経痛になる

明けましておめでとうございます。と言ってももう15日ですが・・・。(随分遅い)今年も元気に鍼灸の良さを発信していきます。

我が家の近年の初詣は干支にちなんだ神社仏閣を巡ることにしてあります。昨年は午年で京都の藤森神社、今年は羊年で京都の法輪寺(虚空蔵法輪寺  嵐山)に行きました。着いて間もなく雪がチラチラ、天気予報はよく当たるなあと思っていたら近くの渡月橋を渡る頃には横殴りの吹雪に。ぼたん雪でみるみる間に10㎝、15㎝と積もっていきました。関西で初めて見る雪の積もり方でびっくりしました。ちなみに実家の山口では当たり前ですけど・・。やっぱり京都は寒いと思ったお正月でした。

昨年の12月くらいからぐっと寒くなり鍼灸うえだでも神経痛の方の来院が増えました。今までそこまで感じなかった痛みがよくわかるようになったと患者さんが言われていました。中でも多かったのは坐骨神経痛です。坐骨神経痛というのはお尻から足の横や後ろ側に現れる痛みや痺れの症状を言うそうです。この痛みがすごく痛い。もう「痛い」としか言わない患者さんもいるくらいです。この痛みをどうかしようと日々頑張っているのですが・・・。

今までの坐骨神経痛の治療としては一番の根元である腰の治療とお尻・足の痛みの走行に鍼やお灸をします。経過はだんだんには良くなっていきますがもう少し早く良くなって欲しい。そこで灸頭鍼 そう鍼の上にもぐさを乗っけて燃やすというやつです。ただ灸頭鍼はもぐさを安定する為にどうしても鍼が深くなってしまうので椀灸(お椀の形で中に灸頭鍼のもぐさを入れて燃やす、中は穴が開いていて輻射熱はちゃんと効きます。触診して左右差があり冷たい部位に椀灸で温める。これが結構効果的。来院時は「痛い、痛い」と言っていた患者さんも終わる頃には「あっマシ」と声を上げます。神経痛は温めた方が気持ち良かったり痛みがとれたりするのでこの椀灸は良くききます。またもうベッドで下向きにもなれない患者さんは横向き。その時は棒灸を使います。鍼灸うえだでは棒灸は患者さんに古いバスタオルを置いてその上から棒灸を押し当てます。程よい暑さで気持ち良い。身体が傾いているので椀灸が使えないので棒灸を使う。現在この棒灸も人気です。

表題のとおり寒い日は神経痛が良く現れます。ご自宅の場合はお風呂で温まる、使い捨てカイロを貼るといった寒さ対策が痛みを緩和します。これから本格的な冬 20日は大寒 寒くなります。くれぐれも気を付けてください。

喉に刺さった魚の骨をはり灸でとる

今回のテーマは「はり灸で喉に刺さった魚の骨が取れるか?」です。だんだんと路線が変わってきてますね。

午後4時前にその患者さんがやって来ました。現在診察室では他の患者さんを治療中で今日は午後4時には患者さんが来る予定はないはずなのに。何事と待合室に行ってみると常連の患者さんがそこに。「どうしたんですか?」と訊くと「魚の骨が喉に刺さった~」と言われる。また「そのおかげがすごく肩がこる~」とのこと。喉に魚の骨が刺さったのなんかはり灸でしたことないし、今までそんな患者さんいないし・・・・。その患者さんは実母の介護をするために実家に泊まったりされていて体調自体良くない、耳鼻咽喉科で見てもらっても絶対魚の骨をとってくれるかわかんないし、とりあえずはり灸に来たという訳です。常々「具合の悪いところ何でも言ってね。」と言っていますから。

そこで私は「では今日はいつものはりと違いますよ、できるだけのことをやってみましょう。」と魚の骨取り除き大作戦を敢行しましたた。この患者さんはとても弱い刺激で充分に効果があるので鍼は刺入しません。針先を当てるだけでも身体は変化するタイプ。毫鍼で肩や首のこりをほぐした後鍉鍼(刺さない皮膚に当てる鍼)をこりの反応点に当ててこりをとっていきます。それだけでもこりはとれていきます。次に上向きで寝てもらい喉を触ると右側が少し腫れている。たぶんこの辺りに魚の骨があるんだろう。その部分に鍉鍼を軽く当てます。腫れが少し小さくなったことを確認し右の手の三里にも鍉鍼、ここも反応があります。ついでに頭にも(山元式頭皮針)鍉鍼を当てました。患者さんも少し余裕がでてきたのか「先生こんな患者さんいる?」て、生まれて初めてです。うつむきの姿勢になり肩甲骨周囲のこりも治療しときました。全部の治療は10分かかってないと思います。「さあ今どうですか?」緊張する一瞬です。その時患者さんは「あ~のどが痛くない」と言われました。思わず「魚の骨とれた?」と訊きましたが「違和感があるからまだあると思う、でも喉が痛くないから楽~」という具合に。喜んで帰られました。貴重な体験なのでもちろん無料です。いい体験でした。

2日後にその患者さんを普通に全身治療しました。患者さん曰く「魚の骨は夜にご飯を食べてたらすぐ取れた、よかった。」もちろん、はりをする前にもごはん作戦はされたそうですが全く効き目なかったそうです。鯛の骨だったらしく硬いので痛くまた喉の奥の方で刺さっていたようです。なにはともあれ良かった。今回の件は、はりで良くなったのか疑問は残りますが喉の痛みはその場で良くなったようです。はり灸は何でも効くか!年末は忙しいけど魚の骨には気を付けてくださいね。

手の使いすぎにご注意を。

今年もあとわずか、12月も中旬になってきました。最近患者さんの症状で多いのが「手の痛み」。年末の大忙しの中、手をよく使われるのでしょうね。もちろんこれから年末大掃除が待ってますから。今回の症状を簡単に説明すると・・・。

手の痛みと言っても今回は「肘」。肘を動かすだけでも痛い、ドアのノブを開けるような腕を捻じる動作これもつらい。年末仕事が多いので早く治して欲しいとのことでした。私が診断でよくするのは左右差を診るということ。患者さんの肘周囲を全体的にみていくとやはり左右の肘周りの腫れが違う。患側(今回は右側)が腫れている。患者さん本人ももうどこが悪いかもわからない、ただ痛いだけという感じ。毫鍼(刺す鍼)がよく効く皮膚なので毫鍼を肘関節周囲の反応がある処に打っていきました。私は症状はというのは根っこがあって枝葉があると思っていますので、この肘関節周囲の治療だけでは痛みはとれないと思っていました。それは問診の中で 10月の下旬より急に痛くなったことにあります。本来使いすぎにしてもだんだんと痛くなるものです。それが急に痛みを発症ということは積もり積もったものが我慢しきれなくなって出てきたと考えられます。単なる筋肉痛であるならば肘関節周囲に鍼をすればおさまると思います。鍼をしなくとも湿布薬でも効くかな。つまりもっとどこかに根っこの部分である大きな反応が隠されているのです。それはどこかというと背骨の際です。詳しく言うと胸椎の際。鍼灸師の方ならお分かりですが華陀夾脊穴というやつです。そこにまず押さえると患者さんはそこそこという感じになります。患者さん自身はそこが肘の痛いことの根っこであるとはわかりません。背骨や背骨の際というのいくら疲れが溜まろうと大きな反応であろうと本人さんにはわかりにくいのもです。ただこの辺りがという人はいますが・・・。そこに鍼をしていくともちろん鍼は痛くありません。私の場合は少し鍼を刺したままにしておくことが多いです。何分後に鍼を抜いた後は肘の痛みが軽減していることが多いです。今回のケースは2回来院ですが8割くらいは良くなったようです。(肘の痛みで初診)

症状には根っこと枝葉があります。鍼灸師の触診や治療自体が、患者さんさんからみたら「エ~そこって今回の症状に関係ないじゃない?」と思われるようなことが多々あります。解剖学的にも説明のつかないこともあります。例えば有名なツボ「足の三里」ここを刺激すると胃の収縮が起きてきます。でもここには胃に関係する神経は通っていません。でも胃は動くんですね。経絡という概念なんです。鍼灸は医学ですが西洋医学とは少し違います。経験医学というものでしょうか、ここにこうしたらこうなったという事例の積み重ねがツボであり治療法だと思います。

だんだん鍼灸うえだでも「お掃除して疲れた~」とか「掃除して腰痛い」なんてことが多くなってきました。今年の疲れは今年のうちにとりましょうね。

お風呂に入ろう、でもヒートショックに気を付けて。

今回は「お風呂に入ろう」がテーマです。お風呂くらい毎日入っているよなんて話ですが・・・。それは置いといて。私は比較的お風呂が好きですので長い時は1時間くらいは湯船に浸かっています。もちろんたまには湯船から出ないと茹ってしまいますのでそれ込みで1時間くらい。すると当然のごとく身体じゅうの血液循環が良くなるので体調が万全、良くなります。1時間くらい湯船に浸かって何をするかって?それは本を読むのが日課でした。最近は中古本は安いのでふにゃふにゃになっても気にしないとばかりに読書タイムでした。

私が「お風呂に入ろう」というのには訳があります。鍼灸院に来院される患者の多くは身体のどこかが痛い・痺れるといった症状が多いです。私は問診時に「どうしたら痛みがましになる?一日のうちでそんなことある?」なんてことを訊きます。大抵の場合「わからない」「ましにはならない」といった答え。ただ「お風呂に入ったらどう?」と訊くと「あっ マシ」なんて言われること多々あります。お風呂は基本的に身体を温めること、いわゆる血液循環を良くすること。そしたらはり灸も血液循環を良くするんだからまあ治せるだろうなと判断しちゃいます。治療としてはお灸を加えるとグッドなのかなとか思っちゃいます。患者さんにアドバイスとして「温めたらマシになるんだから貼るカイロ貼りましょ。」なんていうこともしばしばです。ずっと鍼灸院に通えるわけではないので自衛策が大切。温めたらマシというのは一つのキーワードです。

ついでに -カイロを貼る時の注意事項ー カイロは貼っていて熱いと思うようなら温めすぎ。気持ちいいと思うくらいか感じないくらいが適当。汗をかくのは熱すぎるから、汗は身体を冷やすためにかくのだから汗をかくならしない方がマシ。よく動く人は小さいカイロが良いです。あと低温やけどに注意しないとね。

あともう一つ お風呂が好きな人が「今日は入らなくていいや」と思う時、もちろんめんどくさいというのもあります。「入ったらもっと身体がしんどくなりそう」なんて時ないですか?そんな時は気持ちに正直にもうお風呂に入らないこと。入った方が楽になるなんて頭で思うことは大抵失敗します。気持ちに正直にいきましょう。私は問診で「お風呂好き?お風呂に入りたい感じ?」なんて訊きます。お風呂に入りたいくらいならまだまだ元気、入るとしんどいという答えの人は疲れが溜まりすぎていますね。あとお腹にガスが多量の人も入りたくないような感じです。すぐ逆上せるようです。身体の具合が悪くなったら頭で考えるのではなく身体に聴けってかんじですね。

でも昨今言われているヒートショックにご注意を。温度差が多いところ、脱衣所→お風呂→湯船と血圧の変動が大きいので血圧の高い方や脳梗塞・心筋梗塞など循環器系の病気の方はなるべく温度差をなくすこと。湯船に入る時は心臓から遠いところからお湯を体に受け慣らすようにしましょう。お風呂はいいですよといいましたが、我慢して長く浸かることはありません。自分がそれでいいと思ったのが一番です。あと湯冷めとお風呂上がりの水分補給を忘れずに。

 

 

 

はり灸はいつまで通う?

よく巷できく話で「はり灸はくせになるから」なんてことをききます。「くせになる?そんなことはないのに。」と思うのですがどうも世間にまかり通っているように思います。はりをしたから時間がたてば禁断症状が出るわけでもあるまいし・・・。はり灸の良さは自分の内なる力で身体を治す、つまり薬を使わないことがメリットだと思います。もちろん薬がからだに合わない方もおられますし、みんな薬を飲めば何らかの副作用があるということはよく承知しているわけです。薬を飲まずに身体が良くなるとしたらやはり治療を続けるでしょうね。これが「くせになる」といったことではないでしょうか。私のホームページ内に書いていますが、はり灸は気持ちが良いものです。気持ちが良くて身体が良くなるのなら一石二鳥ですね。あと東洋医学の考え方に身体は一つという考え方があります。例えば膝痛で来院されても身体全体を診ていくということ。膝が痛いと膝に負担をかけたくないので結局のところ腕に力が入ります。そうすると肩こりになるというように色々な身体の部位に影響が出てきます。膝だけを治療するのではなくそれに関連する部位をまとめて治療する、それが身体は一つということになります。現在すべての鍼灸院がそのような考えで鍼灸治療を行っているわけではないと思いますが、鍼灸うえだでは身体は一つという考えから身体全体の治療をします。西洋医学がだんだんと細分化していく中、身体全体を診ること、治療することは大切だと思います。

最初から話が表題から逸れてしましました。「はり灸はいつまで通う?」というテーマですが、基本的には治れば通院ストップですね。鍼灸うえだではこの考えでいますので患者さん的には喜ばしいこと、通う回数が減っています。経営的にはNGですけど・・・。でもやはりだんだんと良くなってもらわないと。「今日より明日、明日より明後日良くなる」が理想です。ただ肩こりなんかは生きて身体を動かしている限り肩こりがなくなるといったことはありえないと思います。施術者はいかに肩こりがましになっている期間を延ばせるか、今まで1週間で肩が凝っていたのが2週間肩こりを感じずにいられたとしたらはり灸に通う意味があるのではないでしょうか。急性の症状は早く治る、慢性の症状は時間がかかるというのが一般的です。私は患者さんに「行く道、帰る道」と答えています。症状が出てからの期間だけ治る時間を要します。まだいける、まだいけると痛いのを我慢しても治る時間はだんだんに長くなってしまいます。ですから「明日になったら治っている」といった幻想を見ず早めに治療を始めることを勧めます。早く治療すれば早く良くなるし痛いのも我慢せずに済みます。私が患者さんに言うのは「明日になったら治っている」というのは三日間様子をみてそれ以上は多分身体の変化はありません。速やかに治療院を訪ねて早く治すことです。鍼灸うえだでは「治ったらとりあえず休憩、またどこか悪くなったら来てね」といった感じでしょうか。患者さんみんな自分のペースがあるのでそれで通われたらいいと思いますよ。

鍼があわないことってあるの?

よく「鍼があわないから」とか「鍼があわない人がいるよね」なんて話がよく出ています。鍼が合わない?どういうことだろう。鍼を刺されるのが痛いから、鍼をしてもらったけど効果がないから ということなのかと考えてしまします。ホームページ内にも書いていますが、鍼があわないということはないと思います。ただ鍼と言っても本当はたくさんあるんです。古代九鍼といって9種類の鍼もあります。刺す鍼・切る鍼・なでる鍼・押さえる鍼などさまざまです。多分皆さんが知っている鍼は刺す鍼です。鍼灸学校でも刺す鍼を中心に習います。それも刺すことが基本です。ですから鍼灸院では刺して当たり前です。刺さないということが異常なのです。でも十人十色というように本当は鍼を刺していい人と刺さない方がいい人といるんです。また刺す鍼ではなく切る鍼がよく合う人もいます。それを見極めることができれば「鍼があわない」といった言葉が一人歩きしないと思うのですが・・・・。

鍼灸うえだでは患者さんや症状によって鍼を使い分けます。刺す鍼を毫鍼といいます。切る鍼を三稜針といいます。あと鍉鍼といって刺さずにツボに押し当てるだけといったのもあります。鍼灸うえだの治療を参考にお話をすすめます。

70代男性 首や肩の凝りと右肩関節がだるくて車のハンドルも持っていられないといった症状でした。その患者さんは当院の患者さんの紹介で来院されました。来院するとすぐに「鍼は怖い、体の中に鍼が入っていく感じが嫌だ。それに鍼したからといって変わらなかった」と言われました。患者さんの皮膚を触ると刺す鍼はあわないと思い、切る鍼をしました。すると患者さんはこれだったら鍼を受けられると喜んで受けていただきました。ベッドで寝ると治療の間ずっと寝ておられます。もちろん症状も3回の治療で消失です。鍼を替えることによって患者さんの受け方も効果も違うんですね。この患者さんは刺す鍼より切る鍼が正解ということ。

この方も70代男性、腰痛 配送業で腰が痛いけど休めない。この患者さんは刺す鍼 毫鍼が向くと思いました。鍼の太さは2番鍼を使用。鍼灸うえだでは基本2番鍼を使います。初回治療後「だいぶ楽になった」とお帰りになりました。3日後来院され「腰が痛い」と言われ刺す鍼が悪かったのか 今回は切る鍼とばかりに三稜針で皮膚を切り吸い玉をしました。案の定ドロッとした血液が出てきてこれで良くなるかなと思っていましたが全く変化なし。腰痛にはある程度自信があったのですごくへこみました。それでも患者さんは来ていただき今度は刺す鍼の太いやつ5番鍼を使いました。すると今まで鍼について無言だった患者さんが「先生効いているよそれ」と言い始めたのです。自信を取り戻した私はここぞと思うところにその太い鍼を刺しました。そうすると患者さんもだんだんと良くなっていったのです。でもさすがに初めての患者さんに太い5番鍼は使えない。私から見たら針金みたいですからね。初回の選択は間違っていなくても2回目に5番鍼を使うともっと早く良くなっていたのではと反省です。

上記の二人の患者さんからわかるようその人にあった鍼 ーそれは刺す鍼なのかそれとも切る鍼なのかー といった選択肢とどのくらいの刺激をしたらいいのか ー細い鍼がいいのか太い鍼がいいのか 1センチ刺すのがいいのか5センチ刺すのがいいのかー といったことで 「鍼があわない」といったことは患者さんから言われなくなると思います。

なかなか患者さんに治療をあわすのって難しいですね。手ごわい患者さんでした。鍼灸うえだでは手ごわい患者さん募集中です。

 

 

頻尿は鍼灸で良くなるか?

めっきりと寒くなりました。表題のとおりトイレの回数も多くなってくる季節。頻尿の人はトイレの回数も増えて忙しいことに・・。頻尿とは「尿が近い、排尿回数が多い」ことを言います。朝起きてから就寝するまでで8回以上排尿でトイレに行くことを言うのだそうです。また自分はすぐトイレに行きたくなると思うのも頻尿のひとつだそうです。

鍼灸を受診される方は子供からご年配の方までと幅広いですがやはり多いのは40代からの方が多いように思います。今までの鍼灸人生で「何か日常で困っている症状はありますか?」と尋ねるとよく言われるのが「頻尿」です。どうにかなりませんかと依頼されることがしばしばです。今までに遭遇した「頻尿」例を挙げてみましょう。

50代女性で頻尿。悩みはバス旅行に行けない。バスのトイレ休憩には間に合わない気がするというものでした。頻尿の治療ポイントとしては腰部の正中上(経絡的には督脈)に反応点が出るのでそこに鍼灸刺激を加えるというものでした。この治療は師匠に教えてもらったので自分ではイマイチでしたが、患者さんはバス旅行には無事行って来られました。まずはよかったです。治療回数はバス旅行までに何回か来院されていたような記憶です。ですから1回の治療ではありませんけど。

次に60代男性。夜中に7回もトイレに行くのでどうかして欲しいと言われました。夜中7回はさすがに可哀そう、寝たらすぐ起きてトイレ行ってまた寝てみたいな、忙しいにも程がある。腰部に治療点がある(前述)とわかってましたので腰部を治療すると次回来院時にはトイレが3回になったと喜んでおられました。その時は督脈ではなく腰(骨盤周囲)に打ちましたがそれが功を奏したのではと考えています。この方は1回の治療です。その後来院の度にお礼を言われました。

40代男性。昼のトイレ回数が多い。夜はそうでもないようです。日中は自分では1時間おきに行っている気がすると言われています。鍼灸うえだの患者さんです。この方は腰部督脈に鍼と灸をしました。前述の女性と同じような治療です。やはり治療後早い時期にお会いすると「トイレの回数が減った」と喜んでおられました。しばらく間が空いてまたお会いすると「頻尿で・・。」と言われています。鍼灸続けてねと心の中で思いました。

現在のところ鍼灸治療で1回で頻尿が治ることはないのだと思います。ただ定期的に続けていくと治っていくのか、悪くならないよう身体がいい状態を保っていくのだとおもいます。

鍼灸は早くても30分くらい長ければ1時間 患者さんと施術者が一緒にいますので色々な話が出てきます。色々な話題の中でなかなか言いにくい症状(病院に行くほどでもない症状や気になるけどどうしたらいいのかわからない症状)を言うのには格好の先生だと思います。一度そういう場面では相談されてみては如何ですか?鍼灸うえだでは患者さんが言う前に私が訊いてしますので気兼ねなく患者さんは言われているような気がしますけど・・。

女性の大敵「冷えのぼせ」が多くなります。

だんだんと肌寒くなってきました。そうすると至る所で暖房を入れることになりますが、出てくる症状が「冷えのぼせ」。足元は冷たい、冷えるのに顔はカッカと熱くなり汗まで出てくるという症状ですね。特に女性に多く若い人にもあります。更年期あたりの女性の方は「更年期症状ではないんだけど更年期みたいな症状・・・。」とおっしゃいます。更年期の症状はホットフラッシュ、いつとは無しに身体が熱くなり、汗が出てくるというやつ。冷えのぼせとはちょっと違うかな。暖房の暖気は上に行きやすく下半身が冷えやすいのでこれからの時期は多くなります。女性の方が電車などに乗ったら「顔だけ汗が出て仕方ない。」ということになるわけですね。

大師はり灸療院で患者さんを治療していた時、あることに気が付きました。冷えのぼせを訴える患者さんには共通点があることを。それは足をを冷やしている事。これには患者さん本人が自覚しているケースもありますが本人も気づいていないケースもあります。ポイントは両足の内側。ツボでいうと三陰交(さんいんこう・・内果尖の上方3寸)。この三陰交の辺りが触って冷たければアウト。もう一つはこのブログでよく出てくるお腹のガス。ガスが全体的に多いとかガスがみぞおち辺りに溜まっているとアウト。これらのアウトが2つ揃うと確実に「冷えのぼせ」は起きてきます。

逆にどちらかのアウトを解消すれば「冷えのぼせ」にならないということですよね。ガスについてはなかなか自分ではできませんので、私は患者さんにいつもこう言います。「靴下を履きなさい。そうすれば症状はましになるから。ただし今風の足首までしかない靴下はダメ。足首を完全に覆うやつを履いて。お金もかかんないし。」実際患者さんに言って実行してもらいましたが効果はあると思います。もちろん私の患者さんですから お腹のガスの治療もバッチリやってありますけど。ガスについては一番はウォーキングで内臓を刺激することが良いと思います。歩くと内臓がユサユサと動きますからガスも移動しやすくなります。これまたお金かかりませんけど・・・。あと思うに女性はガスを出すことを我慢する、女性だけではありませんが。アイドルはおならしないというのがありましたが。ガスは出そうなときは出すのが一番です。もちろんいろんなシュチュエーションがあるので絶対とはいいませんよ。でも溜めていいものとわるいものがありますよ。冷えのぼせの方は一度足元を温める(長めの靴下をはく)を実行してみてください。もちろん鍼灸治療も有効です。

鍼灸ってハードルが高いの?

意外な表題で始まりましたが、「鍼灸ってハードルが高いの?」とよく感じます。それは鍼灸師側すなわち治療者側の考え方でありますけど。今回のブログはぶっちゃけ思ったことを書きます。私は 鍼灸うえだ に来院する初診患者さん皆さんに尋ねることがあります。「今までこの症状でどこか治療院にかかりましたか?」と。大抵の患者さんは「整骨院・整体・カイロには行きました。」と答えられます。「鍼灸はどうですか?」「初めてです。」さらに「鍼灸の印象はどんな感じですか?」「鍼は痛い、お灸は熱い。」となるわけです。「でももう行くところがなくってはり灸に来ました。」鍼灸する前からハードルが高いですよね。

私の考えで患者さんの心理は”鍼灸は未知の世界”であり整骨院や整体、カイロはなんとなく想像できるのだと思います。鍼灸は先生がどんなことをするかわからない上に鍼は痛い(これは以前裁縫針でチクッとしたことがあるから)お灸は熱い(おばあちゃんの背中に大きなお灸の痕があった、時代劇でお灸のシーンがあり熱そうにしていた、お灸を据える・・・こらしめる 的な意味あいがある)といったところが患者さんに不安があるように思います。他にはイメージとして鍼灸というのは古めかしい感じ 古ぼけた治療院に白いひげの伸びたお爺さん先生がしているというのもあります。(以前患者さんがイメージとして教えてくれました)あと治療の料金がわからないのでこわい というのもあります。この料金は地域差がすごくありますね。鍼灸うえだでは治療院の入るとすぐ見えるところに料金表が貼ってありますよ。

私の個人的な印象でいきますと「鍼はある意味すごく効いてこわい」というのがありました。今はありませんけど。なぜそのように思ったかというと 読売ジャイアンツの江川卓投手の話です。記憶があやふやなのと広島カープファンなのですごく興味がないので間違っているかもしれませんが・・。江川投手が現役引退前頃に「鍼を打たなければ投げられない」とか「肘の鍼をして投げられなくなった」といった報道が当時よくワイドショーを賑やかせていました。書いてること真逆ですが、どっちかです。鍼灸に興味などなかった私でさえ「鍼って効くんだ」と強い印象を持ちました。だから患者さんは最後の手段として鍼灸を選んでいるような気がします。あの頃結構インパクトありましたよ。

私は患者さんによく言うことがあります。「早く治療すれば早く治る」ということです。別に整骨院、整体やカイロがダメと言っているのではありません。3回行けば良くなりそうくらいはわかる、良くなりそうなら通えばいいことで変化が無ければさっさと治療院を変わるべきです。だんだん時間は経ってくるし治りはしません。大切なことは治療して少しずつでも良くなっている事、次の日にはまた一緒では良くなっていません。日々変わっていかないとダメです。鍼灸うえだでは気になる症状は来院したその日のうちに言ってもらいます。日を延ばせばそれだけ治るのが遅くなりますから。

今回は日頃思っている「鍼灸ってハードルが高い?」ということ、取り留めもなく書いてみました。