よく巷できく話で「はり灸はくせになるから」なんてことをききます。「くせになる?そんなことはないのに。」と思うのですがどうも世間にまかり通っているように思います。はりをしたから時間がたてば禁断症状が出るわけでもあるまいし・・・。はり灸の良さは自分の内なる力で身体を治す、つまり薬を使わないことがメリットだと思います。もちろん薬がからだに合わない方もおられますし、みんな薬を飲めば何らかの副作用があるということはよく承知しているわけです。薬を飲まずに身体が良くなるとしたらやはり治療を続けるでしょうね。これが「くせになる」といったことではないでしょうか。私のホームページ内に書いていますが、はり灸は気持ちが良いものです。気持ちが良くて身体が良くなるのなら一石二鳥ですね。あと東洋医学の考え方に身体は一つという考え方があります。例えば膝痛で来院されても身体全体を診ていくということ。膝が痛いと膝に負担をかけたくないので結局のところ腕に力が入ります。そうすると肩こりになるというように色々な身体の部位に影響が出てきます。膝だけを治療するのではなくそれに関連する部位をまとめて治療する、それが身体は一つということになります。現在すべての鍼灸院がそのような考えで鍼灸治療を行っているわけではないと思いますが、鍼灸うえだでは身体は一つという考えから身体全体の治療をします。西洋医学がだんだんと細分化していく中、身体全体を診ること、治療することは大切だと思います。
最初から話が表題から逸れてしましました。「はり灸はいつまで通う?」というテーマですが、基本的には治れば通院ストップですね。鍼灸うえだではこの考えでいますので患者さん的には喜ばしいこと、通う回数が減っています。経営的にはNGですけど・・・。でもやはりだんだんと良くなってもらわないと。「今日より明日、明日より明後日良くなる」が理想です。ただ肩こりなんかは生きて身体を動かしている限り肩こりがなくなるといったことはありえないと思います。施術者はいかに肩こりがましになっている期間を延ばせるか、今まで1週間で肩が凝っていたのが2週間肩こりを感じずにいられたとしたらはり灸に通う意味があるのではないでしょうか。急性の症状は早く治る、慢性の症状は時間がかかるというのが一般的です。私は患者さんに「行く道、帰る道」と答えています。症状が出てからの期間だけ治る時間を要します。まだいける、まだいけると痛いのを我慢しても治る時間はだんだんに長くなってしまいます。ですから「明日になったら治っている」といった幻想を見ず早めに治療を始めることを勧めます。早く治療すれば早く良くなるし痛いのも我慢せずに済みます。私が患者さんに言うのは「明日になったら治っている」というのは三日間様子をみてそれ以上は多分身体の変化はありません。速やかに治療院を訪ねて早く治すことです。鍼灸うえだでは「治ったらとりあえず休憩、またどこか悪くなったら来てね」といった感じでしょうか。患者さんみんな自分のペースがあるのでそれで通われたらいいと思いますよ。