鍼灸は効く?効かない?

 今回のテーマは「鍼灸は効く?効かない?」がテーマです。最近ショッキングな出来事?がありまして・・・。
初診の患者さんに「鍼灸って効くんですか?私は鍼灸院に通っていたけど鍼灸の効果が1日しか持ったことがない。」とカミングアウトされました。「エ~そうなんですか。鍼とかお灸とかしたら何日かは持ちますよ。」と応戦。私は基本的に鍼やお灸をすればそこそこ症状は良くなると信じています。それなのに「1日しか持たない~。」それって何よ。今日ははりきゅうのリベンジだ!。

 その患者さんは肩こり上級者、なかなかよく凝っておられました。結果的には「気持ちいい~!」という感じでその日の治療を終えました。次回 来院時には「三日はスッキリしていた。それから少しずつ凝ってきたけど前回の時よりはマシです。」取りあえずよっしゃ!3回目「1週間楽な感じがあった。これから年度初めなので毎週来なくてもいい気がする。」良かったです。一つは凝りが良くなって仕事がしやすくなって、一つは鍼灸は効かないという気持ちが払拭されて・・・。

 今回患者さんから「鍼灸は効かない」というカミングアウトでしたが、患者さん(鍼灸うえだが開院してからの患者さん)に尋ねてみると結構そう思っている人って多いことに気がつかされます。鍼灸うえだに来ること自体現状の治療に満足していなことですからね。少しでも患者さんの痛みをとれることが鍼灸やってて喜びであるし、また楽しみでもあります。多くの患者さんが良くなりますよう。また鍼灸うえだに行って「はり灸効かなかった。」と言われぬよう精進していこうと思います。明日から新年度 また頑張ります。

はり灸は皮膚にアプローチするもの

 鍼灸治療は鍼灸院の数だけ治療法が違うと云われます。同じ屋根の下、同じ流派で治療していたとしても同じことはできません。使うツボが微妙に違っていたり鍼の深さが違ったりで治療効果も違ってきますし、患者さんの受けた感じも異なります。なかなか奥が深いですね。
 私はよく本屋さんに行きますが必ず東洋医学系の本が置いてあるところに行きます。どんな本が置いてあるのか、一般の方にどのようにはり灸を紹介しているのか興味があります。よくこの症状にはこのツボなんて本があります。私も読んでいて「こんなところが効くんだ~。」なんて読むこともしばしば。その一方で「本の通りツボを刺激したけど変化なかった!。」ということもよくきく話です。何が違うんだ!簡単にいうとそのツボが身体を変化させるスイッチになりうるかということ。押しても撫でても何も感じ無いようなツボはダメってことです。

 私は20年以上大師流という治療法をしています。この治療こそ「はり灸は皮膚にアプローチするもの」といったものでしょう。鍼をする処は皮膚の過緊張部位、お灸する処は冷えのある処・湿った処。本当に気持ちの良い治療ができる、もちろん鍼刺激・灸刺激は患者さんにあった刺激ができないといけませんが・・・。

 先日腰痛の患者さんが来院しました。いつもは三稜針(切る鍼で吸い玉)をしています。この日どうもいつもと皮膚の感じが違う。それもそのはず1週間前にも治療していました。でも今回は三稜針の皮膚ではない。患者さんに尋ねても三稜針は痛く感じるらしい。今日は毫鍼で挑戦とばかりに腰の治療を毫鍼にて治療しました。8割方良くなったかなと思い患者さんに痛みが出る動きをして改善をみてもらう。患者さんにみてもらう前私には気になるところがありました。それは腰のそこだけが湿っている感じ、すごく変な感じでした。今まで触診していても感じなかったのに・・・。案の定、患者さんは私が気になっているあたりの動きが悪い、痛みを感じると訴えました。もう一度うつむきに寝かせその部分にお灸。その患者いつもは皮膚が乾いているのでお灸はあまりしない。今日は特別だからお灸するとばかりに7壮ばかり据えたのでした。皮膚の湿りがなくなり気になる感じもなくなりもう一度身体を動かす再チャレンジ。すると全然痛くない、動きスムーズとのこと。今更ながらはり灸は皮膚にアプローチするものと実感したのでした。素直に触診して素直に感じ素直に考えることが大切と思った症例でした。

吸い玉は効くのか

 最近はブログを書くようないいネタの患者さんが来られず、何かブログを書かないとという強迫観念に囚われている今日この頃です。ということで鍼灸うえだで使っている「吸い玉」について書いてみましょう。

「吸い玉療法」というと「あぁアレね。」と皆さん想像はつくようです。身体にいっぱいガラスみたいのをくっつけるやつです。最近ではドライカッピングとかウエットカッピングなどと横文字が並ぶようです。ドライカッピングは字のごとく乾いているつまりカップを身体に付けるだけ、一旦カップで血液循環を阻害した後解放し前より血流を良くする方法。鍼灸うえだではウエットカッピング、三稜針といわれる鍼で皮膚を少し切りその場所に吸い玉をくっつけて血流障害を改善する、その際には少し時間をおいただけで固まるような血液が出て来ます。その血液をとった後はすごく身体が楽になります。この鍼灸医療行為を違法という人もいますが古来より鍼灸の治療の中で行ってきた歴史があります。刺絡という方法です。ですから鍼灸学校で刺絡療法そのものを習わないこともあります。現在では刺絡学会もあり刺絡講習会というものも存在しています。刺絡とはその場所だけ吸い玉をしますので血液をとり過ぎということもありません。ホームページでも鍼の紹介で書いているようにこの切る鍼が心地よいという人がいます。こういう人は一般的な刺す鍼は痛いということが多いのです。また刺絡の適する人は切った傷跡が自然と塞がります。治療後から切った跡から出血ということはありません。ただ器具の滅菌消毒や血液の処理など的確にしなければなりませんけど。

 私の習った大師流はり灸法は毫鍼(刺す鍼)三稜針(切る鍼)お灸という三種類の刺激を使い分けるという方法でした。患者さんとしては切る鍼 三稜針の患者さんも多く来院されます。自分で「吸い玉して欲しい。」という方もおられます。ただ吸い玉ができるかどうか判断して使用しています。中には興味本位で「吸い玉~。」という方もおられますので、三稜針吸い玉で治療したら早く良くなる方にはお勧めします。でそうでない方にはお勧めしません。

今回のテーマ「吸い玉は効くのか」でいくと良く効くと思います。以前にもブログで書いています 打撲や打ち身、むち打ち症状 には効果てきめんです。全身治療の中で三稜針を多く使う方法やその場所だけ刺絡するといった使い分けをしながら患者さんが少しでも早く治ることを目的にしています。
鍼灸うえだのホームページに吸い玉の写真が載っておりそれを見た方が「吸い玉して。」と来院されました。その患者さんは三稜針が合う方だったので吸い玉をするとすごく楽になったと喜んでおられました。

よく「鍼が合わない」という話を聞きますが私に言わせれば合う鍼を使っていないということでしょうか。そしたら来る患者さん皆良くなっているのかという極論がでてきます。患者さん全部がすごく良くなっているわけではない。それは使うツボが良くないからなのか。何が悪いのか。ただ鍼が「痛い」ということはあまりない。鍼灸は「気持ちいいですよ」とは言えるんですけど。現在重症の坐骨神経痛患者に苦労しているのでこんなブログの終わり方・・・。いつかこの成功例をここに載せます。

はり灸はいつまで通う?

よく巷できく話で「はり灸はくせになるから」なんてことをききます。「くせになる?そんなことはないのに。」と思うのですがどうも世間にまかり通っているように思います。はりをしたから時間がたてば禁断症状が出るわけでもあるまいし・・・。はり灸の良さは自分の内なる力で身体を治す、つまり薬を使わないことがメリットだと思います。もちろん薬がからだに合わない方もおられますし、みんな薬を飲めば何らかの副作用があるということはよく承知しているわけです。薬を飲まずに身体が良くなるとしたらやはり治療を続けるでしょうね。これが「くせになる」といったことではないでしょうか。私のホームページ内に書いていますが、はり灸は気持ちが良いものです。気持ちが良くて身体が良くなるのなら一石二鳥ですね。あと東洋医学の考え方に身体は一つという考え方があります。例えば膝痛で来院されても身体全体を診ていくということ。膝が痛いと膝に負担をかけたくないので結局のところ腕に力が入ります。そうすると肩こりになるというように色々な身体の部位に影響が出てきます。膝だけを治療するのではなくそれに関連する部位をまとめて治療する、それが身体は一つということになります。現在すべての鍼灸院がそのような考えで鍼灸治療を行っているわけではないと思いますが、鍼灸うえだでは身体は一つという考えから身体全体の治療をします。西洋医学がだんだんと細分化していく中、身体全体を診ること、治療することは大切だと思います。

最初から話が表題から逸れてしましました。「はり灸はいつまで通う?」というテーマですが、基本的には治れば通院ストップですね。鍼灸うえだではこの考えでいますので患者さん的には喜ばしいこと、通う回数が減っています。経営的にはNGですけど・・・。でもやはりだんだんと良くなってもらわないと。「今日より明日、明日より明後日良くなる」が理想です。ただ肩こりなんかは生きて身体を動かしている限り肩こりがなくなるといったことはありえないと思います。施術者はいかに肩こりがましになっている期間を延ばせるか、今まで1週間で肩が凝っていたのが2週間肩こりを感じずにいられたとしたらはり灸に通う意味があるのではないでしょうか。急性の症状は早く治る、慢性の症状は時間がかかるというのが一般的です。私は患者さんに「行く道、帰る道」と答えています。症状が出てからの期間だけ治る時間を要します。まだいける、まだいけると痛いのを我慢しても治る時間はだんだんに長くなってしまいます。ですから「明日になったら治っている」といった幻想を見ず早めに治療を始めることを勧めます。早く治療すれば早く良くなるし痛いのも我慢せずに済みます。私が患者さんに言うのは「明日になったら治っている」というのは三日間様子をみてそれ以上は多分身体の変化はありません。速やかに治療院を訪ねて早く治すことです。鍼灸うえだでは「治ったらとりあえず休憩、またどこか悪くなったら来てね」といった感じでしょうか。患者さんみんな自分のペースがあるのでそれで通われたらいいと思いますよ。

鍼があわないことってあるの?

よく「鍼があわないから」とか「鍼があわない人がいるよね」なんて話がよく出ています。鍼が合わない?どういうことだろう。鍼を刺されるのが痛いから、鍼をしてもらったけど効果がないから ということなのかと考えてしまします。ホームページ内にも書いていますが、鍼があわないということはないと思います。ただ鍼と言っても本当はたくさんあるんです。古代九鍼といって9種類の鍼もあります。刺す鍼・切る鍼・なでる鍼・押さえる鍼などさまざまです。多分皆さんが知っている鍼は刺す鍼です。鍼灸学校でも刺す鍼を中心に習います。それも刺すことが基本です。ですから鍼灸院では刺して当たり前です。刺さないということが異常なのです。でも十人十色というように本当は鍼を刺していい人と刺さない方がいい人といるんです。また刺す鍼ではなく切る鍼がよく合う人もいます。それを見極めることができれば「鍼があわない」といった言葉が一人歩きしないと思うのですが・・・・。

鍼灸うえだでは患者さんや症状によって鍼を使い分けます。刺す鍼を毫鍼といいます。切る鍼を三稜針といいます。あと鍉鍼といって刺さずにツボに押し当てるだけといったのもあります。鍼灸うえだの治療を参考にお話をすすめます。

70代男性 首や肩の凝りと右肩関節がだるくて車のハンドルも持っていられないといった症状でした。その患者さんは当院の患者さんの紹介で来院されました。来院するとすぐに「鍼は怖い、体の中に鍼が入っていく感じが嫌だ。それに鍼したからといって変わらなかった」と言われました。患者さんの皮膚を触ると刺す鍼はあわないと思い、切る鍼をしました。すると患者さんはこれだったら鍼を受けられると喜んで受けていただきました。ベッドで寝ると治療の間ずっと寝ておられます。もちろん症状も3回の治療で消失です。鍼を替えることによって患者さんの受け方も効果も違うんですね。この患者さんは刺す鍼より切る鍼が正解ということ。

この方も70代男性、腰痛 配送業で腰が痛いけど休めない。この患者さんは刺す鍼 毫鍼が向くと思いました。鍼の太さは2番鍼を使用。鍼灸うえだでは基本2番鍼を使います。初回治療後「だいぶ楽になった」とお帰りになりました。3日後来院され「腰が痛い」と言われ刺す鍼が悪かったのか 今回は切る鍼とばかりに三稜針で皮膚を切り吸い玉をしました。案の定ドロッとした血液が出てきてこれで良くなるかなと思っていましたが全く変化なし。腰痛にはある程度自信があったのですごくへこみました。それでも患者さんは来ていただき今度は刺す鍼の太いやつ5番鍼を使いました。すると今まで鍼について無言だった患者さんが「先生効いているよそれ」と言い始めたのです。自信を取り戻した私はここぞと思うところにその太い鍼を刺しました。そうすると患者さんもだんだんと良くなっていったのです。でもさすがに初めての患者さんに太い5番鍼は使えない。私から見たら針金みたいですからね。初回の選択は間違っていなくても2回目に5番鍼を使うともっと早く良くなっていたのではと反省です。

上記の二人の患者さんからわかるようその人にあった鍼 ーそれは刺す鍼なのかそれとも切る鍼なのかー といった選択肢とどのくらいの刺激をしたらいいのか ー細い鍼がいいのか太い鍼がいいのか 1センチ刺すのがいいのか5センチ刺すのがいいのかー といったことで 「鍼があわない」といったことは患者さんから言われなくなると思います。

なかなか患者さんに治療をあわすのって難しいですね。手ごわい患者さんでした。鍼灸うえだでは手ごわい患者さん募集中です。

 

 

鍼灸ってハードルが高いの?

意外な表題で始まりましたが、「鍼灸ってハードルが高いの?」とよく感じます。それは鍼灸師側すなわち治療者側の考え方でありますけど。今回のブログはぶっちゃけ思ったことを書きます。私は 鍼灸うえだ に来院する初診患者さん皆さんに尋ねることがあります。「今までこの症状でどこか治療院にかかりましたか?」と。大抵の患者さんは「整骨院・整体・カイロには行きました。」と答えられます。「鍼灸はどうですか?」「初めてです。」さらに「鍼灸の印象はどんな感じですか?」「鍼は痛い、お灸は熱い。」となるわけです。「でももう行くところがなくってはり灸に来ました。」鍼灸する前からハードルが高いですよね。

私の考えで患者さんの心理は”鍼灸は未知の世界”であり整骨院や整体、カイロはなんとなく想像できるのだと思います。鍼灸は先生がどんなことをするかわからない上に鍼は痛い(これは以前裁縫針でチクッとしたことがあるから)お灸は熱い(おばあちゃんの背中に大きなお灸の痕があった、時代劇でお灸のシーンがあり熱そうにしていた、お灸を据える・・・こらしめる 的な意味あいがある)といったところが患者さんに不安があるように思います。他にはイメージとして鍼灸というのは古めかしい感じ 古ぼけた治療院に白いひげの伸びたお爺さん先生がしているというのもあります。(以前患者さんがイメージとして教えてくれました)あと治療の料金がわからないのでこわい というのもあります。この料金は地域差がすごくありますね。鍼灸うえだでは治療院の入るとすぐ見えるところに料金表が貼ってありますよ。

私の個人的な印象でいきますと「鍼はある意味すごく効いてこわい」というのがありました。今はありませんけど。なぜそのように思ったかというと 読売ジャイアンツの江川卓投手の話です。記憶があやふやなのと広島カープファンなのですごく興味がないので間違っているかもしれませんが・・。江川投手が現役引退前頃に「鍼を打たなければ投げられない」とか「肘の鍼をして投げられなくなった」といった報道が当時よくワイドショーを賑やかせていました。書いてること真逆ですが、どっちかです。鍼灸に興味などなかった私でさえ「鍼って効くんだ」と強い印象を持ちました。だから患者さんは最後の手段として鍼灸を選んでいるような気がします。あの頃結構インパクトありましたよ。

私は患者さんによく言うことがあります。「早く治療すれば早く治る」ということです。別に整骨院、整体やカイロがダメと言っているのではありません。3回行けば良くなりそうくらいはわかる、良くなりそうなら通えばいいことで変化が無ければさっさと治療院を変わるべきです。だんだん時間は経ってくるし治りはしません。大切なことは治療して少しずつでも良くなっている事、次の日にはまた一緒では良くなっていません。日々変わっていかないとダメです。鍼灸うえだでは気になる症状は来院したその日のうちに言ってもらいます。日を延ばせばそれだけ治るのが遅くなりますから。

今回は日頃思っている「鍼灸ってハードルが高い?」ということ、取り留めもなく書いてみました。

 

湿布薬温かいのと冷たいのどっち貼る?

肩こりや腰痛に欠かせないのが湿布薬 あなたは温かいのと冷たいのどっちを貼っていますか?たぶん多いのは冷たいやつ、お医者さんでも出してもらえますからね。あのスーッと感がたまらないという人もいるかも。あんまり気にせず貼ってますという方もおられます。でもわざわざ温かいのと冷たいのがあるのは意味があるからで・・・。冷たいのは字も如く冷やすため。打ち身とか使いすぎとか痛んでる部分を触ると明らかに熱感がある時には炎症があるので消炎効果がある冷たい湿布が効果的。ぎっくり腰などの急に痛くなったのは冷湿布がお勧めです。慢性の腰痛には温かい湿布がお勧めです。もちろん肩こりも温湿布かな。ただこの温湿布には唐辛子の成分が入っていてそれで皮膚を刺激するんです。その作用でポカポカするんですが皮膚の弱い人にはすぐに湿布負けてなことになるんです。まず貼りたいところを触ってみよう。他の部分と比べて熱感があれば冷湿布。どこかでその部分を打った記憶があれば冷湿布。それ以外は温湿布が良いと思います。それでもわからないという人、一度お風呂に入りましょう。お風呂に入って貼りたい部分が気持ち良くなったり、痛みが取れてきたら温かいのが効果的なので温湿布。お風呂に入って痛さが倍増したら炎症があるんですね、冷湿布を使いましょう。よく患者さんにどっちがいいのと尋ねられます。いつもお風呂に入ったら?と訊いて返事しています。たまにお風呂に入ってもよくわからんという人がいます。どっちの湿布を貼ってもさほど効果はないのではと考えています。ただ患者さんしたら「貼ったから」というのもあります。一種のプラセボ効果と思いますがそれも有りです。どっちでも貼ってください。

急性は冷湿布と記述しましたが、気を付けてほしいのが「寝違い」首がよく凝っている人が朝起きたら首が動かせない、動かすと痛いなんていう症状。これは経験上冷やすと悪化します。状況的に首肩の筋肉がキューと収縮しているので温めて収縮を緩めることが大切。なのでタオルを温めて首肩を温めて筋肉が緩んだところでゆっくり動かして伸ばしていく。そうすると「寝違い」から解放されます。もし寝違いになれば慌てず一度試してみて下さい。ホントは下地にコリがあるのでコリをとっておくとそんな心配もなくなりますよ。

8月9日ははりきゅうの日。

3月3日がみみ(耳)の日というように8月9日はそのままズバリ字のごとくはりきゅうの日なのです。私の所属している日本鍼灸師会のパンフレットにもそのことが記載されています。最近はごろ合わせの記念日だとかご当地のゆるキャラだとか流行っていますけど。ただこのはりきゅうの日はまんざらでもないんです。以前鍼灸師会の八尾柏原支部の支部長をしてた時期がありましてその行事に市民向けの健康相談会がありました。その時市民向けに講演を何度かしたことがあります。ただ何となくではできないので大阪府立図書館にいって鍼灸ネタをよく探しに行きました。その時のいろいろのネタの中に・・・。あるんです。本当は1日違いですが、8月8日と2月8日。この日はお灸をする日でした。江戸時代などはそんなに医療が発達してるわけでもなくみんなが医療を受けられるわけでもなくという時代。病気になる前に身体をいい状態にしちゃえという発想。病気でも病気でなくとも8月8日、2月8日はお灸をする。一番暑い日と一番寒い日この日は何が何でもお灸するんです。今でいう予防医学です。昔の人は偉かったと思います。大人も子供も順番にしていたそうです。多いのはチリゲに灸する。ツボに身柱というのがありますがその辺りです。子供は終わった後おまんじゅうをもらったりしてたそうです。昔もやっぱりエサが必要なんですね。

ついでネタで・・・。足の三里というツボがあります。ここは鍼灸師が患者さんの胃腸の具合が悪い時によく使うツボです。昔はほとんどが移動手段が歩きでした。一日大体40キロ程度歩くんです。夕方旅籠に着くころは足が疲れて疲れて・・。旅人は旅籠に着くとまず足の三里に灸をします。効用は二つ。足の疲れを取るため、もう一つは胃腸の状態を良くするため。土地が変わると水が変わるというでしょう。だから道中の持ち物にはお灸のもぐさが入っていたのです。もひとつネタで、時代劇とかで旅籠に旅人が着くと「すすぎもってきて~」と足をすすぎます。まあなんといいサービスと思うでしょう。実は足をすすぎながら足の三里にお灸をしているか確かめていたんです。足の三里にお灸もしない人は健康に関心がない、とすると旅籠で病気になってもらっても大変だ、その上なくなったら供養までしないといけないので足の三里にお灸しないような健康に無関心な人は泊めないということだったようです。今も昔も日本人の健康志向は続いています。鍼灸院に来れない人は自分でお灸してみるのもいいかも。せんねん灸みたいなのをするときはお灸している部分が熱くなったらもう外したらいいですよ。がまん大会ではありまから・・・。

 

鍼灸はいつ効く?

鍼灸はいつ効く?と聞かれることがあります。治療したら「今でしょ!」となりますが、実際はそうではないようです。私も経験がありますが 治療の最中から「楽になってきました」と言われる方。治療が終わって「どうですか?」と尋ねても[わかりません。」という患者さん。いろいろあります。十人十色やはり個人差があります。以前大師はり灸療院に勤めている時にこんなことがありました。東大阪市から電車で来院する60代女性の方を治療しました。治療後に治療の成果が知りたくて「今どうですか?」と尋ねると「今は訊かんといてちょうだい。だってわからないから、私がわかるのは近鉄八尾駅についてからだから」と言われました。「近鉄八尾駅まではゆっくり歩いて10分くらい。そのころになったら身体が楽になってくるの。これだけしてもらったから多分楽になっている。」と言われました。その時そんなことってあるんだと思いました。私が治療してもらった時はすぐ楽になった感じがわかった、でもそうではない人もいるんだと気づきました。それからはすぐに楽になった感じがわからない方にはしつこく聞かないようにしています。本当にわからないのですから・・・。

でもいつかはわかる時があります。それはいつなのでしょう。患者さんから色々と訊いていると多いのは治療した翌日の朝がよくわかると言われます。昨日と違うと感じるそうです。また痛みなどは治療後少しずつなくなっていくようです。気が付くと痛みが取れていたみたいな感じです。鍼灸うえだからいうと 弱い刺激で十分良く効く人はその場で「楽になりました」と言われることが多いです。強い刺激をする人は「わからない」という方がいます。でも翌日には効果がわかります。あと吸い玉を鍼灸うえだではしますが吸い玉の人は治療直後に「楽になった」と言われます。

私は鍼灸というのは即楽になっていくのだと思っています。ただ身体の反応と感覚が少しずれている人は時間がずれて現れるのだと思います。あと鍼灸というのは治療後も効果が持続すると患者さんが言われます。治療した翌日、次の日とどんどん身体が変わるという方もおられます。鍼灸は面白いというか奥の深いものだと思います。

 

「鍼は痛い?」て巷でよく言われてますけど。

世の中には鍼灸嫌いの方がいて揃って「鍼は痛い。」言われます。「鍼は痛くありません」と答えますがまあ信じてもらえません。なので大抵の場合あらゆる事 マッサージから整体まであらゆる事をやってダメならあきらめて来院されます。でも院を出られる時は「もっと早く来れば良かった。」言われるんです。そんなに痛い治療なら中国3000年の歴史の中でなくなっているでしょ。特に日本の鍼は髪の毛より細いのに、みんな小学校の時に裁縫の勉強中指にはりを刺した記憶が「鍼が痛い」。健康な皮膚に刺すから痛いんです。血液循環の悪い所とかは知覚が鈍感になっているので刺してもわからないんです。新患さんが「鍼まだ刺さないんですか?」「もう5本刺さってますけど。」なんてしょちゅうです。まずはいかにツボに刺せるかが大切です。

次にどんな鍼を使うかです。人間みんな一緒ではありません。それに応じて鍼を替えてあげること。体に合った鍼を使うということです。よく鍼が合うとか合わないとか話になりますが、鍼が合わないのではなくどの鍼がいいかわからないだけです。他の治療院では鍼をいる刺されるかわからなのですーと緊張してたという方が来られていますが、当院ではほとんど寝ておられます。終わると「気持ち良かった。」と帰られます。いかに患者さんに合わせられるかです。

最後にはどれくらい刺激をするかです。それによって効き目が違います。1cm鍼を体に入れるのと1mmだけ入れるのでは効果に違いがあります。大抵の場合 鍼がこわい という人は強い刺激は好みません。逆になんでもしてくれ という人は弱い刺激では物足りなく感じます。それを体を診ながら患者さんに聞きながら治療を行っていけば 鍼が痛いということもありません。

小児はりが良い例です。子供は体が悪いことはわかっても自ら治そうという意識には乏しいです。ということは小児はりをするときに痛いのを我慢するとことはありません。痛ければ痛いとはっきり言うし、たぶんもう2度と鍼を受けたいとも思わないし実際受けません。いかに子供に対して気持ちの良い治療ができるか保護者に対して期待しただけの効果が出せるかということになります。

簡単にいうと「鍼が痛い」と患者が言うことは先生が下手なのです。鍼灸師も心して治療をせねばなりません。