3月3日がみみ(耳)の日というように8月9日はそのままズバリ字のごとくはりきゅうの日なのです。私の所属している日本鍼灸師会のパンフレットにもそのことが記載されています。最近はごろ合わせの記念日だとかご当地のゆるキャラだとか流行っていますけど。ただこのはりきゅうの日はまんざらでもないんです。以前鍼灸師会の八尾柏原支部の支部長をしてた時期がありましてその行事に市民向けの健康相談会がありました。その時市民向けに講演を何度かしたことがあります。ただ何となくではできないので大阪府立図書館にいって鍼灸ネタをよく探しに行きました。その時のいろいろのネタの中に・・・。あるんです。本当は1日違いですが、8月8日と2月8日。この日はお灸をする日でした。江戸時代などはそんなに医療が発達してるわけでもなくみんなが医療を受けられるわけでもなくという時代。病気になる前に身体をいい状態にしちゃえという発想。病気でも病気でなくとも8月8日、2月8日はお灸をする。一番暑い日と一番寒い日この日は何が何でもお灸するんです。今でいう予防医学です。昔の人は偉かったと思います。大人も子供も順番にしていたそうです。多いのはチリゲに灸する。ツボに身柱というのがありますがその辺りです。子供は終わった後おまんじゅうをもらったりしてたそうです。昔もやっぱりエサが必要なんですね。
ついでネタで・・・。足の三里というツボがあります。ここは鍼灸師が患者さんの胃腸の具合が悪い時によく使うツボです。昔はほとんどが移動手段が歩きでした。一日大体40キロ程度歩くんです。夕方旅籠に着くころは足が疲れて疲れて・・。旅人は旅籠に着くとまず足の三里に灸をします。効用は二つ。足の疲れを取るため、もう一つは胃腸の状態を良くするため。土地が変わると水が変わるというでしょう。だから道中の持ち物にはお灸のもぐさが入っていたのです。もひとつネタで、時代劇とかで旅籠に旅人が着くと「すすぎもってきて~」と足をすすぎます。まあなんといいサービスと思うでしょう。実は足をすすぎながら足の三里にお灸をしているか確かめていたんです。足の三里にお灸もしない人は健康に関心がない、とすると旅籠で病気になってもらっても大変だ、その上なくなったら供養までしないといけないので足の三里にお灸しないような健康に無関心な人は泊めないということだったようです。今も昔も日本人の健康志向は続いています。鍼灸院に来れない人は自分でお灸してみるのもいいかも。せんねん灸みたいなのをするときはお灸している部分が熱くなったらもう外したらいいですよ。がまん大会ではありまから・・・。