世間一般では鍼灸は肩こり、腰痛ついでにひざ痛に効くといった感じだと思います。表題の「打ち身・打撲」に鍼灸なんて聞くわけないと思っているでしょう。以外に知られていませんが打ち身・打撲に鍼灸が有効なんです。本当に良く効くというのが私の印象です。鍼灸うえだを開業してから大きい打撲では3人の患者さんを治療しています。一人は大型スーパーの前の交差点で自転車で転倒して右手を強く打たれました。来院は転倒5日後でした。三稜針という鍼を使い治療して5回の治療でほぼ完治しました。次の患者さんは就寝中に小学生の子に頭を蹴られていわゆるむち打ち状態。これまた三稜針を使い2回で症状消失。といった感じで鍼灸にはいろいろな鍼がありますが特に三稜針という鍼を使いこなせると打ち身・打撲に効果的です。
3人目は特に印象が強かったので詳しく書いていきましょう。患者さんは小学6年生。授業中鉄棒から落ちて頭を強く地面に打ち付けました。学校内のことでしたのですぐに整形外科に受診されました。骨折はなかったものの頸椎捻挫と診断されました。お母さんもけがをした子も当院の患者さんだったので整形外科を行かれた後お電話がありました。「鍼灸で良くなりますか?」と。私は以前からお母さんに打ち身や打撲に鍼灸が効くと言ってましたので確認のお電話だったようです。もちろん「すぐに来てください」と二つ返事で応じました。来院した子は首を真っ直ぐにすることができず首を傾けたままでした。そしてちょっと動かすと「痛い!」という声が出てきます。イスに座らせて首や肩 そして頸椎・胸椎を診ていきましたが頸椎7番が明らかに外圧が掛かっている。私はそこに小学生ながら三稜針を打ちました。三稜針というのは皮膚を切る鍼で具合の悪くないところを切ったなら痛くてしょうがないという感じです。そこに三稜針をすると「気持ち良い!」と言われました。23年間鍼灸をしていて小学生に三稜針など持ったことがなかった私ですが自分自身びっくりしてしまいました。三稜針で切った処を吸い玉というカップで血を吸い上げました。すると少しですが出血しました。何度かそれを繰り返しその場所にお灸をするとその子は首を動かして「痛くない」と叫んだのです。その後全身に小児はりをして全身の調整も行いました。そして帰りには来る時とうって変わって元気に帰っていきました。その後頸椎捻挫には4回治療して現在は首は痛くないし、気にもならないと言っています。
打ち身・打撲に鍼灸というのにはポイントがあります。一つは三稜針を使うこと、これはすごく有効的です。もう一つは早く治療すること、この二点です。もちろん交通事故にも有効です。交通事故の場合大抵むち打ち症になっていますから。大師はり灸療院からずっとむち打ちの方を治療してすごく患者さんに感謝されます。今までのつらい症状から解放されるのですから、あのつらさは患者さんしかわかりません。雨の降る前や梅雨時期、寒い冬など一気につらい症状が出てきます。私もむち打ちの経験がありますが鍼灸のおかげですぐに良くなりました。
これで肩こり・腰痛ばかりが鍼灸ではないとわかっていただけましたか?