今年もあとわずか、12月も中旬になってきました。最近患者さんの症状で多いのが「手の痛み」。年末の大忙しの中、手をよく使われるのでしょうね。もちろんこれから年末大掃除が待ってますから。今回の症状を簡単に説明すると・・・。
手の痛みと言っても今回は「肘」。肘を動かすだけでも痛い、ドアのノブを開けるような腕を捻じる動作これもつらい。年末仕事が多いので早く治して欲しいとのことでした。私が診断でよくするのは左右差を診るということ。患者さんの肘周囲を全体的にみていくとやはり左右の肘周りの腫れが違う。患側(今回は右側)が腫れている。患者さん本人ももうどこが悪いかもわからない、ただ痛いだけという感じ。毫鍼(刺す鍼)がよく効く皮膚なので毫鍼を肘関節周囲の反応がある処に打っていきました。私は症状はというのは根っこがあって枝葉があると思っていますので、この肘関節周囲の治療だけでは痛みはとれないと思っていました。それは問診の中で 10月の下旬より急に痛くなったことにあります。本来使いすぎにしてもだんだんと痛くなるものです。それが急に痛みを発症ということは積もり積もったものが我慢しきれなくなって出てきたと考えられます。単なる筋肉痛であるならば肘関節周囲に鍼をすればおさまると思います。鍼をしなくとも湿布薬でも効くかな。つまりもっとどこかに根っこの部分である大きな反応が隠されているのです。それはどこかというと背骨の際です。詳しく言うと胸椎の際。鍼灸師の方ならお分かりですが華陀夾脊穴というやつです。そこにまず押さえると患者さんはそこそこという感じになります。患者さん自身はそこが肘の痛いことの根っこであるとはわかりません。背骨や背骨の際というのいくら疲れが溜まろうと大きな反応であろうと本人さんにはわかりにくいのもです。ただこの辺りがという人はいますが・・・。そこに鍼をしていくともちろん鍼は痛くありません。私の場合は少し鍼を刺したままにしておくことが多いです。何分後に鍼を抜いた後は肘の痛みが軽減していることが多いです。今回のケースは2回来院ですが8割くらいは良くなったようです。(肘の痛みで初診)
症状には根っこと枝葉があります。鍼灸師の触診や治療自体が、患者さんさんからみたら「エ~そこって今回の症状に関係ないじゃない?」と思われるようなことが多々あります。解剖学的にも説明のつかないこともあります。例えば有名なツボ「足の三里」ここを刺激すると胃の収縮が起きてきます。でもここには胃に関係する神経は通っていません。でも胃は動くんですね。経絡という概念なんです。鍼灸は医学ですが西洋医学とは少し違います。経験医学というものでしょうか、ここにこうしたらこうなったという事例の積み重ねがツボであり治療法だと思います。
だんだん鍼灸うえだでも「お掃除して疲れた~」とか「掃除して腰痛い」なんてことが多くなってきました。今年の疲れは今年のうちにとりましょうね。