今宵はスーパームーン。

今日9月9日はスーパームーンと言われ月が大変美しく見えるそうです。是非見なければ!! 月と言えば「お月見」。八尾の大師はり灸療院ではお月見の日に子供の鍼をする行事があり、鍼をすると子供のひきつけが起こらないと言われています。いつものように小児はりをした後、お大師さんにお供えした「朱」を頭のてっぺんにつけてもらう、これが「月見はり」です。鍼灸うえだでは小児の患者さんが少ないので「月見はり」と銘打ってはまだしませんが、早くそうなりたいものです。

月といえば医療関係で話にすぐ出てくるのは 女性の月一の周期 生理についてです。鍼灸うえだでも頭痛・肩こりといった症状の患者さんが生理痛や生理の周期遅れを訴えることが良くあります。以前は学校で習ったツボなどを使って治療していましたが 最近では単純に腰というか骨盤あたりを温めることが症状改善につながることがわかってきました。骨盤におけるコリや冷えをとっていくことが最良だと考えています。鍼灸うえだでは腰とくに骨盤あたりに鍼をしたり灸をしたりします。またそれだけでは足りないという患者さんは 棒灸を使ってとことん温めます。患者さんは大変温かくなり気持ち良いと言われます。もちろん症状も改善します。でも理屈的にはお家でもできますよね。まずシャワーではなく湯船につかること。(体を温めます。ただお風呂が苦手な方は無理はしないでください。)お風呂から出る前は腰からおしり上部に少し熱めのシャワーをかける。これだけでも変わってきます。今の時期 気温もだんだん下がり始めたにもかかわらずエアコンは付いていますので真夏より冷えやすくなります。つい残暑の気持ちで毎日を過ごしていますが秋はだんだんとやってきています。身体は冷やさず、特に下半身を冷やすと体調が悪くなります。そこを頭に入れて温まってみましょう。

夏の疲れが出る頃です。

夏休みも終盤、蜩の声も聴かれるようになった頃、ドーンと体調が悪くなります。よく言う「季節の変わり目」ですかね。患者さんにはこういう風に説明します。 「お客さんが来たらええとこ見せなあかんから、頑張るでしょ。気が張っているからしんどいとも感じない。そしてお客さんが帰ると緊張が解けるからどっと疲れがでてくる それとおんなじ。お客さんは熱い太陽でその時は暑さに負けないよう頑張っているけど秋風が吹いてくると一気に身体が頑張らんようになるんで疲れを感じるようになる。」お判りでしょうか?意識のないままに暑い夏に対抗して頑張っていたんです。もう緊張の糸が切れる時が今・・・。

これらを打開するには、なるべく睡眠時間を多く摂ることまず第一です。身体の疲れを取るのに最良は寝ることです。もう一つは冷たいものを口にしないということ。暑い時はいいですがこれからは涼しくなるのに冷たいものは要りません。欲しがっているのは頭だけ、身体が欲しがっている訳ではありません。この2点に注意すれば「季節の変わり目」を乗り切ることができます。

もちろん 鍼灸治療は睡眠を深くする・胃腸を整える・体に溜まった疲れを取っていくといった効果がありますので 夏の間鍼灸治療遠ざかっていた方も是非お勧めします。お盆が終わり今年も中盤に入りました。元気で今年を過ごせますよう。

お盆は帰省、鍼灸治療してきました。

お盆は8/13~8/17まで鍼灸うえだもお休みをいただき、郷里山口県に帰省しておりました。山口県の内陸なので風景はいい所ですがこれといったものは少ないです。特産品はわさびなのでどんなところか想像がつくでしょう。夏は涼しくて最高です。帰省すると両親に鍼灸治療するのが常です。最初は恐る恐るだった両親も今では催促するようになりました。ありがたいことです。また親に鍼灸治療ができるというある意味幸せを感じます。今回も例のごとく鍼灸治療をしてきました。

帰省した初日8/13に母の親指が腫れているのです。はじめは腫れた原因を言いませんでした。触ると 右手親指だけが腫れているそして熱も持っている 何だろうと問い詰めると「ハチに刺されてた。」というのです。自己判断で親指の根元を輪ゴムで巻いてハチの毒が回らないようにしていたようです。虫刺されに鍼灸治療 できると思いですか?できるんです!(鍼灸治療だけに頼らずお医者さんに行ってくださいね。前述しましたが、わさびが取れるようなところですから)刺されたところに三稜針で鍼します。三稜針ですので皮膚を切ります。そこから血を抜いていきます。(ハチの毒?も含めて身体の外に出します)そうするとみるみるうちに腫れていた指にしわができてきます。もちろん本人も刺された痛みがなくなってきています。そんなドタバタでとりあえず母の親指治療をしたのでした。その後1年間ほったらかしにしていた身体全体の治療も行いました。そして次の日。「またハチに刺された~。」2日目も刺された親指を治療したのでした。ブルーベリーの実を摂ろうとすると刺されるらしいのです。「もう摂らんでええ」となりました。

「鍼灸で虫刺されを治す」今回はこんなテーマでしたが大阪でも身近な虫 そう「蚊」こいつなんかはお灸が効きます。蚊に刺されたと感じたらすぐお灸するとかゆみが止まります。お灸が嫌な人はたばことか線香とかをかゆいところに近づけただけでもかゆみをとるのに効果的です。野外でそんなことになったら一度試してみてください。

帰省して感じますが何もないけどやはり「故郷はいいなあ」と思います。山口県愛が強いですから特に。

夜尿症にお灸が効くケース。

おむつが取れるまで夜尿症とは言いません。おむつが取れるまでは「おねしょ」といい小さな子の脳と排尿しろという伝達システムが未発達の状態に起こることです。夜尿症となると小学に上がるくらいからの年齢(5~6歳)で脳のシステムもそこそこできているのに夜中におもらしをしてしまうということ。親御さんも小学生の低中学年ではあんまり気にはされていない方が多いように思います。小学校も高学年になるとだんだんと親御さんも本人も慌ててくる。それは林間学校があったり、修学旅行があったりと外泊することが増えるためです。以前よくあったのは5,6年の春に年間スケジュールをもらうとこの日までに治してほしいという要望でした。なかなかリミットのある治療は難しいですが結構夜尿症が改善していたと記憶しています。治りやすい夜尿症と治りにくい夜尿症があります。治りやすいのは毎日ではなく時々するケース。それでもって明け方におもらしするのは治りやすいと言えます。逆に毎日するケースや寝てすぐにするケースは治りにくいと言えます。病院で治療するというのもありますが小児はりで治ることもしばしばです。

小児はりは鍼を刺しません。(ホームページ内で説明済)身体全体をなでるようにしていくので気持ちが良いようです。夜尿症は小児の腰や腰仙部に反応がよく現れます。ただ小児はりだけでは反応が取りきれない時お灸をします。お灸というと「熱い」というイメージですが熱くありません。気持ちが良いという小児もいます。お灸と言っても線香に火を点けてそれをその反応部位(腰や腰仙部)に近づけるのです。ですから水ぶくれができたりということはありません。鍼灸うえだでも小学校に上がる前の子の腰が余りにも冷たかったので線香灸をしました。子供は気持ちいい言っていました。次回の治療の時お母さんが「この子はたまに少しだけおもらしするんですが前回線香灸をしてもらってからしなくなりました」と打ち明けられました。その後その子はおもらしがありません。

夜尿症は「起こさず・焦らず・怒らず」が基本と言われます。かといってそのままで治るケースは少ないです。いつになったら治るのかというストレス、また日々お布団を干すお母さんの労力も大変なものです。人にも相談しにくく、かといって病院はまだ敷居が高いそんな時は鍼灸院で小児はりを受けてみられたら如何ですか。

打ち身・打撲に鍼灸が効く。

世間一般では鍼灸は肩こり、腰痛ついでにひざ痛に効くといった感じだと思います。表題の「打ち身・打撲」に鍼灸なんて聞くわけないと思っているでしょう。以外に知られていませんが打ち身・打撲に鍼灸が有効なんです。本当に良く効くというのが私の印象です。鍼灸うえだを開業してから大きい打撲では3人の患者さんを治療しています。一人は大型スーパーの前の交差点で自転車で転倒して右手を強く打たれました。来院は転倒5日後でした。三稜針という鍼を使い治療して5回の治療でほぼ完治しました。次の患者さんは就寝中に小学生の子に頭を蹴られていわゆるむち打ち状態。これまた三稜針を使い2回で症状消失。といった感じで鍼灸にはいろいろな鍼がありますが特に三稜針という鍼を使いこなせると打ち身・打撲に効果的です。

3人目は特に印象が強かったので詳しく書いていきましょう。患者さんは小学6年生。授業中鉄棒から落ちて頭を強く地面に打ち付けました。学校内のことでしたのですぐに整形外科に受診されました。骨折はなかったものの頸椎捻挫と診断されました。お母さんもけがをした子も当院の患者さんだったので整形外科を行かれた後お電話がありました。「鍼灸で良くなりますか?」と。私は以前からお母さんに打ち身や打撲に鍼灸が効くと言ってましたので確認のお電話だったようです。もちろん「すぐに来てください」と二つ返事で応じました。来院した子は首を真っ直ぐにすることができず首を傾けたままでした。そしてちょっと動かすと「痛い!」という声が出てきます。イスに座らせて首や肩 そして頸椎・胸椎を診ていきましたが頸椎7番が明らかに外圧が掛かっている。私はそこに小学生ながら三稜針を打ちました。三稜針というのは皮膚を切る鍼で具合の悪くないところを切ったなら痛くてしょうがないという感じです。そこに三稜針をすると「気持ち良い!」と言われました。23年間鍼灸をしていて小学生に三稜針など持ったことがなかった私ですが自分自身びっくりしてしまいました。三稜針で切った処を吸い玉というカップで血を吸い上げました。すると少しですが出血しました。何度かそれを繰り返しその場所にお灸をするとその子は首を動かして「痛くない」と叫んだのです。その後全身に小児はりをして全身の調整も行いました。そして帰りには来る時とうって変わって元気に帰っていきました。その後頸椎捻挫には4回治療して現在は首は痛くないし、気にもならないと言っています。

打ち身・打撲に鍼灸というのにはポイントがあります。一つは三稜針を使うこと、これはすごく有効的です。もう一つは早く治療すること、この二点です。もちろん交通事故にも有効です。交通事故の場合大抵むち打ち症になっていますから。大師はり灸療院からずっとむち打ちの方を治療してすごく患者さんに感謝されます。今までのつらい症状から解放されるのですから、あのつらさは患者さんしかわかりません。雨の降る前や梅雨時期、寒い冬など一気につらい症状が出てきます。私もむち打ちの経験がありますが鍼灸のおかげですぐに良くなりました。

これで肩こり・腰痛ばかりが鍼灸ではないとわかっていただけましたか?

8月9日ははりきゅうの日。

3月3日がみみ(耳)の日というように8月9日はそのままズバリ字のごとくはりきゅうの日なのです。私の所属している日本鍼灸師会のパンフレットにもそのことが記載されています。最近はごろ合わせの記念日だとかご当地のゆるキャラだとか流行っていますけど。ただこのはりきゅうの日はまんざらでもないんです。以前鍼灸師会の八尾柏原支部の支部長をしてた時期がありましてその行事に市民向けの健康相談会がありました。その時市民向けに講演を何度かしたことがあります。ただ何となくではできないので大阪府立図書館にいって鍼灸ネタをよく探しに行きました。その時のいろいろのネタの中に・・・。あるんです。本当は1日違いですが、8月8日と2月8日。この日はお灸をする日でした。江戸時代などはそんなに医療が発達してるわけでもなくみんなが医療を受けられるわけでもなくという時代。病気になる前に身体をいい状態にしちゃえという発想。病気でも病気でなくとも8月8日、2月8日はお灸をする。一番暑い日と一番寒い日この日は何が何でもお灸するんです。今でいう予防医学です。昔の人は偉かったと思います。大人も子供も順番にしていたそうです。多いのはチリゲに灸する。ツボに身柱というのがありますがその辺りです。子供は終わった後おまんじゅうをもらったりしてたそうです。昔もやっぱりエサが必要なんですね。

ついでネタで・・・。足の三里というツボがあります。ここは鍼灸師が患者さんの胃腸の具合が悪い時によく使うツボです。昔はほとんどが移動手段が歩きでした。一日大体40キロ程度歩くんです。夕方旅籠に着くころは足が疲れて疲れて・・。旅人は旅籠に着くとまず足の三里に灸をします。効用は二つ。足の疲れを取るため、もう一つは胃腸の状態を良くするため。土地が変わると水が変わるというでしょう。だから道中の持ち物にはお灸のもぐさが入っていたのです。もひとつネタで、時代劇とかで旅籠に旅人が着くと「すすぎもってきて~」と足をすすぎます。まあなんといいサービスと思うでしょう。実は足をすすぎながら足の三里にお灸をしているか確かめていたんです。足の三里にお灸もしない人は健康に関心がない、とすると旅籠で病気になってもらっても大変だ、その上なくなったら供養までしないといけないので足の三里にお灸しないような健康に無関心な人は泊めないということだったようです。今も昔も日本人の健康志向は続いています。鍼灸院に来れない人は自分でお灸してみるのもいいかも。せんねん灸みたいなのをするときはお灸している部分が熱くなったらもう外したらいいですよ。がまん大会ではありまから・・・。

 

鍼灸はいつ効く?

鍼灸はいつ効く?と聞かれることがあります。治療したら「今でしょ!」となりますが、実際はそうではないようです。私も経験がありますが 治療の最中から「楽になってきました」と言われる方。治療が終わって「どうですか?」と尋ねても[わかりません。」という患者さん。いろいろあります。十人十色やはり個人差があります。以前大師はり灸療院に勤めている時にこんなことがありました。東大阪市から電車で来院する60代女性の方を治療しました。治療後に治療の成果が知りたくて「今どうですか?」と尋ねると「今は訊かんといてちょうだい。だってわからないから、私がわかるのは近鉄八尾駅についてからだから」と言われました。「近鉄八尾駅まではゆっくり歩いて10分くらい。そのころになったら身体が楽になってくるの。これだけしてもらったから多分楽になっている。」と言われました。その時そんなことってあるんだと思いました。私が治療してもらった時はすぐ楽になった感じがわかった、でもそうではない人もいるんだと気づきました。それからはすぐに楽になった感じがわからない方にはしつこく聞かないようにしています。本当にわからないのですから・・・。

でもいつかはわかる時があります。それはいつなのでしょう。患者さんから色々と訊いていると多いのは治療した翌日の朝がよくわかると言われます。昨日と違うと感じるそうです。また痛みなどは治療後少しずつなくなっていくようです。気が付くと痛みが取れていたみたいな感じです。鍼灸うえだからいうと 弱い刺激で十分良く効く人はその場で「楽になりました」と言われることが多いです。強い刺激をする人は「わからない」という方がいます。でも翌日には効果がわかります。あと吸い玉を鍼灸うえだではしますが吸い玉の人は治療直後に「楽になった」と言われます。

私は鍼灸というのは即楽になっていくのだと思っています。ただ身体の反応と感覚が少しずれている人は時間がずれて現れるのだと思います。あと鍼灸というのは治療後も効果が持続すると患者さんが言われます。治療した翌日、次の日とどんどん身体が変わるという方もおられます。鍼灸は面白いというか奥の深いものだと思います。

 

夏は胃腸に御用心。

もうじき梅雨も終わり夏本番となりそうです。夏はみなさん気になる[夏バテ」。夏バテにどうしてなるのでしょう。一つは温度差のため身体がついていけないこと。夏になると大阪で35度は当たり前となってきます。もちろん冷房も必要ですので冷房にかかっていいのですがあんまり温度差があると体温調整に身体が必死。28度でとよくCMでやっているけど28度くらいでは物足りない。どんどん外の温度との差が広がるほど身体の体温調節は忙しくなる。自分では何をしているわけではないけどしんどいということになります。汗をかかないようにするとだんだん汗を出すことでできなくなります。熱中症は身体に熱がこもる、つまり汗をかかないから。熱中症予防の一つとして日常汗をかくことを勧めます。汗をかくことができれば身体に熱がこもりにくく熱中症になりにくいのです。冷房に入ってもいいけど適度に汗をかきましょう。

もう一つは「胃腸の弱り」です。東洋医学では古くから胃腸を整えることが体調をよくすることと言われています。なにせ今の日本人は水気が多い。どこに行ってもどこにいてもお茶なや水を飲む。飲んで悪いとは言わないけど一昔前まで電車でお茶を飲んでいましたか?飲まなくったてたぶん大丈夫。口が寂しいんです。そういう習慣。これから夏、汗をかいたら水分補給するのは当たり前。どんどん飲んでください。でないと熱中症になりますよ。汗をかいてない時、水分が欲しいと思わない時はそこそこに飲んでください。そうすれば胃腸はそんなに弱りません。水分が多いと胃液が薄まり消化能力が低下します。ましてや冷たいもの、人間の体温は36.5前後、(最近は低体温の人も増えたけど)そこに氷の入ったコップに冷たいお茶(夏にはたまりませんが)ほぼ0度が身体に入っていくと胃はびっくりしますよ。キューと胃が縮んでいくのがわかります。これでは悪くなりますよね。心当たりのある人は気を付けましょう。

それでも弱ったという方には「どうぞ暖かいものを」と思いますがなかなか口には入りません。ただ魔法の食べ物があるんです。それは「お味噌汁」お味噌汁を飲んでください。あんまり冷たいお味噌汁って飲みませんよね。(宮崎には冷やし汁がありますが)汗で出て行った塩分も取れますし弱った胃腸には温かいお味噌汁が一番です。一度試してみてください。

梅雨明け間近です。今年の夏は体調良く過ごしましょう。そうそう鍼灸治療でも胃腸を整えることができますし、自律神経のバランスも良くします。

 

体調が悪いのはガスのせい。

以前のブログ「夜泣きに困っていませんか」で触れましたが、ガスのせいで体調が悪くなることが多いんです。私自身も経験があります。以前会社勤めで営業をしていました。売り上げのこととか仕事の段取りとかいろいろと考えていると、だんだんお腹が張ってくるし(たぶんガスでいっぱいだったのだと思います)身体はしんどくなる。一度上司から「上田君体調悪そうだから医者に行け。」と言われお医者さんに行きましたが別に異常なし、でもしんどいんです。「じゃあ今日はもう休んでおけ。」と無理やり家に帰されてみるとなんか元気に復活する。お腹にガスが溜まっていると身体がしんどい時とそうでない時があるんです。しんどい時というのはしんどいというよりもう虚脱感。イスにも座っていられない、寝てる方が楽という感じ。その時は仕事が嫌いなんじゃないかと本当に自己嫌悪に陥りました。それでも何とか仕事をしているとある日、一人で車で運転しているとガスが大量に出た時がありました。自分ではこれだけ出たら病気じゃない?と思うほど。その後身体がしんどいということは少なくなりました。そのことは一旦忘れていたのですが・・・。

縁あって大師はり灸療院に勤めるとなんと「ガスの話」がちょいちょいと出てくる。そしてお腹をポンポンと叩く腹部打診。これで患者さんのお腹のガスの状態が良くわかる。ああ、自分の体調の悪かったのはこのガスのせいだったんだと納得しました。ガスのせいで身体が悪くなった自分なら患者さんの訴えていることが良くわかるんです。「こんな症状でしょう」と言うと患者さんが「そうそう」とうなずきます。このガスの症状はなった人しかわからない、言葉で表現しにくいんです。頭では仕事をしようと思うのですが身体が付いてこない、別に変ったことはしてないのに、なまけ病にかかったみたい と言われることが多いんです。

鍼灸でそのガスを溜めずに出せるようになります。また消化器系も治療しますのでだんだんとガスが溜りにくい身体をつくることができます。このあたりは小児はりも一緒ですね。お医者さんに行くとお腹にガスが多いということはよく言われるようです。ただガスが身体に影響があるとはあんまり言われないように思います。でも結構ガスが悪さをするんです。自律神経失調症の方もよくガスが溜まっています。今まで診た自律神経失調症の患者さんはお腹のガスが減ってくると体調も良くなっていったように思います。

自分でできること。ウォーキングはいいです。内臓が刺激されるのでガスが出やすくなります。お金もかかりません。ガスが溜まりやすい人は大阪でいう「気にしい」いろいろと先のことを考える人だと思います。私は患者さんに言います、「自分で考えて何かが変わるのなら考えなさい。いくら考えても自分で何とかできないこと、人に委ねるしかないことは考えても無駄、ガスが溜まるだけ。」ちょっとした考え方を変えるだけでもガスが溜まるのは防げたりするものなのです。あてはまる方は実行してみてください。

 

 

ぎっくり腰は治る?

世の中には「ぎっくり腰」なるものがあります。西洋では魔女の一突きなどと言われるそうです。急に起きた・ギクッといったとか患者さんは言われます。そしてぎっくり腰は癖になるからねなどとも良く聴きます。癖になるってことはまた起こるってこと。つまりは治らないってこと?いいえそうではありません。簡単に言うと最後まで治療しないからです。今まで数多くのぎっくり腰の方を診ました。痛い痛いと来院されます。ところが帰るときは結構良くなって帰られます。急性の症状ですから比較的早く症状も良くなります。逆に慢性病は時間が掛かります。2~3回ぎっくり腰の治療をするとほぼ本人いわく全快です。でも本当はそうではないのです。それは痛みが取れただけ。まだぎっくり腰で痛めたところに 鍼灸でいう硬結 が残っているのです。その硬結がなくなれば治療者のいう完治になりますが患者さんはそれが待てない。私はぎっくり腰の患者さんに「5回通って来てください。」と言いました。それを実行してくれる患者さんは10人中1か2人です。その方々にはぎっくり腰てホントに治るのねと言われました。5回中3回で良くなり後の2回が来れない。その2回がぎっくり腰の完治のタイミングなのに・・。本人は痛みがないし、ぎっくり腰で休んだ分仕事がたまっているし、あと2回なんて行けないなんでしょうね。後2回が来院できない方は大抵半年後には腰痛で来られます。でもその時の腰は以前診た状態とは違うので今度は時間が掛かります。今度は慢性腰痛扱いですから。

そうそうぎっくり腰になった患者さんに訊くとどうも「急に・・」ではないようです。腰に違和感を感じていた、腰が重い気がしたなどの感じがあるようです。そして決定つけるのが 腰のねじり です。違和感を感じているときに腰をねじったというのは最悪です。よく重いものを持ったときとか話にでますが腰に違和感のある人は慎重に重いものを持ち上げますからその場面では腰痛になることは少ないです。軽いものを持っているときに不用心に腰をねじる この場面が一番多いように思います。テレビのリモコンを置くのにそのまま腰をねじったとか日常的にありますがこのような時に多いと思います。ぎっくり腰で来院された患者さんが無理しても腰は痛くない、長時間車に乗っても違和感のないと感謝されたことがありますが、私は「約束通り5回来院していただいたからです。」とお答えしました。

急性のきつい症状(ぎっくり腰など)は一度治療にかかると完治するくらいまで頑張って治されることをお勧めします。もう少し良くなれば治療も終わりですから、途中で終わるとまた1からの治療と一緒です。特に腰は立っていても座っていても腰には負担がかかりますので。