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吸い玉は効くのか

 最近はブログを書くようないいネタの患者さんが来られず、何かブログを書かないとという強迫観念に囚われている今日この頃です。ということで鍼灸うえだで使っている「吸い玉」について書いてみましょう。

「吸い玉療法」というと「あぁアレね。」と皆さん想像はつくようです。身体にいっぱいガラスみたいのをくっつけるやつです。最近ではドライカッピングとかウエットカッピングなどと横文字が並ぶようです。ドライカッピングは字のごとく乾いているつまりカップを身体に付けるだけ、一旦カップで血液循環を阻害した後解放し前より血流を良くする方法。鍼灸うえだではウエットカッピング、三稜針といわれる鍼で皮膚を少し切りその場所に吸い玉をくっつけて血流障害を改善する、その際には少し時間をおいただけで固まるような血液が出て来ます。その血液をとった後はすごく身体が楽になります。この鍼灸医療行為を違法という人もいますが古来より鍼灸の治療の中で行ってきた歴史があります。刺絡という方法です。ですから鍼灸学校で刺絡療法そのものを習わないこともあります。現在では刺絡学会もあり刺絡講習会というものも存在しています。刺絡とはその場所だけ吸い玉をしますので血液をとり過ぎということもありません。ホームページでも鍼の紹介で書いているようにこの切る鍼が心地よいという人がいます。こういう人は一般的な刺す鍼は痛いということが多いのです。また刺絡の適する人は切った傷跡が自然と塞がります。治療後から切った跡から出血ということはありません。ただ器具の滅菌消毒や血液の処理など的確にしなければなりませんけど。

 私の習った大師流はり灸法は毫鍼(刺す鍼)三稜針(切る鍼)お灸という三種類の刺激を使い分けるという方法でした。患者さんとしては切る鍼 三稜針の患者さんも多く来院されます。自分で「吸い玉して欲しい。」という方もおられます。ただ吸い玉ができるかどうか判断して使用しています。中には興味本位で「吸い玉~。」という方もおられますので、三稜針吸い玉で治療したら早く良くなる方にはお勧めします。でそうでない方にはお勧めしません。

今回のテーマ「吸い玉は効くのか」でいくと良く効くと思います。以前にもブログで書いています 打撲や打ち身、むち打ち症状 には効果てきめんです。全身治療の中で三稜針を多く使う方法やその場所だけ刺絡するといった使い分けをしながら患者さんが少しでも早く治ることを目的にしています。
鍼灸うえだのホームページに吸い玉の写真が載っておりそれを見た方が「吸い玉して。」と来院されました。その患者さんは三稜針が合う方だったので吸い玉をするとすごく楽になったと喜んでおられました。

よく「鍼が合わない」という話を聞きますが私に言わせれば合う鍼を使っていないということでしょうか。そしたら来る患者さん皆良くなっているのかという極論がでてきます。患者さん全部がすごく良くなっているわけではない。それは使うツボが良くないからなのか。何が悪いのか。ただ鍼が「痛い」ということはあまりない。鍼灸は「気持ちいいですよ」とは言えるんですけど。現在重症の坐骨神経痛患者に苦労しているのでこんなブログの終わり方・・・。いつかこの成功例をここに載せます。

顎関節症の治療について

 最近「顎関節症」という言葉をよく耳にしますね。やはり鍼灸院にも通って来られることも多いようです。何したわけでもないのに急に顎の状態が悪くなる、例えば口を開けづらくなったり口を開ける時カクカクと音が鳴ったりして、エッ何でと思ったりします。顎関節症だと口腔外科に行ったりするのかな。一般に、顎運動障害、顎関節痛や関節雑音が単独もしくは複数合併して発現する(これを顎関節症の主要3症状と呼ぶ)。疼痛は主に顎運動時に生じるといわれています。
 何年も前になりますが私も衝撃的に・・・。朝食を摂ろうとしていた時口が開かない。どうしたんだ!となったことがあります。前々から口を開けるとカクカクと音が鳴っていたのですが 目の前の食事が摂れないショック。もう口は開かないの、どうしよう。取りあえず大きく口は開かないのでスプーンで流し込むように食事を摂取。あとは鍼灸師なのでどこかに治せるツボがないか試行錯誤。顔の事なのでやはり首かな。ア門穴(首の盆のくぼにあります)の少し下辺りを親指で押してそのまま首を後に倒してまた首を元に戻してみて口を開けると違和感なく開いた。やっぱり顎関節症の治療穴は首にあると実感したのでした。

 さて先日常連の患者さん、肩こりとか腰痛とかがいつもの主訴。この日は「先生、口を開ける時ここの辺り痛いんです。(下顎骨)」左右比べてみるとやはり違う。「うん顎関節症かな。じゃあ今日はこの治療もしとこう」と答えて治療をしていて「先生!顎関節は?この辺りに鍼しないの?」と訊かれ「いや顔はやめとく、首にするよ首。もう一回うつむきで寝てみて。」そして首の一点一穴に鍼をしました。「鍼が痛かったら言ってね、少し入れるから。」1cmくらい入れたと思います。「それが開けると痛いところ(下顎骨)にピーンときた。」「はい口開けてみて。」「アッ口開けても大丈夫、痛くない。悪いのは首だったんですね。」「はい、そうです。」

首が凝るとか首が悪い(むち打ちなど)といろいろな症状が出るんですよ。解決方法はじゅうぶんな睡眠でしょうね。

パワースポット分杭峠に行ってきました。

鍼灸うえだのブログは色々な人に「はり灸ってこんな症状にも効くんだ~。」ということを言いたくて鍼灸の話題に特化しています。今回の話は「パワースポット」。「気」つながりでお許しを・・・。

今年はシルバーウィーク、お休みが多すぎて自営業にはちとつらい。9月20日は敬老の日として65歳以上は無料で8人治療させていただきました。21日はとりあえず通常治療して22・23日とシルバーウィークのお休みをいただきました。折角のシルバーウィーク ここに行ったぞという感じでないといった気がしない。さて何処に行こうかと思っていたら以前テレビで紹介していた「分杭峠」を思い出した。パワースポット好きの奥さんは即OKで晴れたら行こうと決めていた。でも分杭峠は長野県、結構遠いよね。朝5時前に起きると今回は奥さんもう用意していた。いつも遅いのに・・・。5時30分八尾インターに入りそこから4時間半で分杭峠へ。スマホで「分杭峠」でナビしたら峠の近くまで連れて行かれた。対向車が来たら困るくらいの道で峠登るのつづら折りの処なのに・・・。対向車来たら大変なので急いで峠下りてシャトルバス乗り場へ行きました。駐車場に行くと車があるわあるわ、みんなよく知っているのね。30台位はあったかな、まだ10時なのに。シャトルバスに乗り込みいざ分杭峠にレッツゴー。途中車に出会ったけど行き違えるのが大変そうでした。分杭峠到着。はっきり言って山の中という感じ。「気場」が二つあるらしい。一つは水場、一つは少し斜面を下った所。じゃあ取りあえず水場の方。平坦な道を歩く。
 この分杭峠 地球規模で考えると「日本3大パワースポット」だそうです。あとの二つは富士山(地殻エネルギーの放出地)聖域の岬(石川県の能登半島の先端 寒帯ジェット気流と亜熱帯ジェット気流が合流する地点)。分杭峠は0磁場(磁場の変動地)なんだそうです。方位磁石が定まらないって感じ。健康に良い「気」を発生させる0磁場ところだそうです。それくらいの予備知識を持って行ったので始終「気」を感じるように心がけていましたが結局よくわかりませんでした。感じたことはその水場では何となく雰囲気が 伊勢神宮の内宮の中にいるようという感じ(表現として妥当かわかりませんが)背中が軽くなったという感じは受けました。奥さんも水場では「ここなんか雰囲気違うよね。」と言っていました。もうひとつ斜面を下りた気場に行きましたが「気」にちてはあんまりよくわかりませんでした。それでも峠に2時間くらい居ました。気が見えるものでもないですし先程書いたように感じるものでもないので「こんなものか」という程度です。残念。

 鍼灸の世界では「気」というものが存在します。「気」を重要視される先生もいると聞きます。私は患者さんの前では「気」という言葉は使いません。自分でもわからない事柄を使って患者さんに説明することは失礼だと思っています。以前勤めていた大師はり灸療院の院長と二人でアメリカで大師流小児はりの講習会を行いました。2日間の講習会でした。終了後講習生が興味深いコメントをしましたのでよく覚えています。”今まで参加した日本の鍼灸の講習会ではよく「気」という言葉が出てきた。2日間の講習で「気」という言葉の出なかった講習会は初めてだ。” 「気」という言葉が出なかったのが良かったのか悪かったのかわかりませんが、彼はそう言っていました。
 今回の「分杭峠」は大きく言えば「気」の存在を見つけるものでしたが、私のような凡人にはわからないということがよくわかりました。ちなみにこの分杭峠を見つけたのは中国の気功師に人だそうです。
 

夜尿症にはやっぱりお灸。

今回は夜尿症のお話です。以前にもブログで「夜尿症にお灸が効く」ということを書きました。やっぱりお灸が効くんだと実感しました。その模様をお伝えします。
現時点で治療は3回です。3回目の時に治療前のお母さんのお話ではおねしょはしていない(1回失敗)との事でした。つまり2回でということ。なかなかおねしょが治るには驚異的です。私も初めてのケースでびっくりしています。
 患者さんは小学1年生の女の子。自分でもおねしょが気になるということで勇気を奮って鍼灸院に行くと決めたとの事でした。夜尿症の症状はというと、毎日する。寝て12時ごろには一度しているがしたことに気付かないでそのまま寝ている。多分一晩で2回くらい出るよう。最近はお昼も気になってトイレに行く回数が増えている。なかなかの重症です。
お母さんとお姉ちゃんと一緒にニコニコして来院されました。一通り小児はりを説明してから「じゃあ鍼してみる?」と治療をうながすと目からポロポロ涙がこぼれます。手に小児はりをしてみて「痛かったら言ってね,すぐ止めるから。」小児はりの撫でる鍼にいちおう納得。気を取り直してベッドで仰向けで寝てもらう。まずはお腹を診て・・・。お腹にガスがいっぱい。このお腹にガスが多いことがおねしょをしても気が付かない、もちろん起こしても起きない、いわゆる爆睡をしてしまう原因のひとつです。治療としてはこのガスを減らすことがひとつの課題。お腹、足、手をして次はうつ伏せになって・・・。背中を診ていきます。まず身柱あたり。小児はりの基本 身柱 命門 の重要穴。少し湿りを感じる。背部を小児はりで撫ぜていきます。あともうひとつ気になるところ。仙骨S2辺りがやはり湿っている。身柱より湿りがきつい。全体的に小児はりをした後、棒灸を取り出して患者さんさんに見せて「こことここにこんなのしたいんだけどやっていい?」と尋ねるとまた涙がポロポロ。また手に試してみて納得ずくで身柱とS2辺りに棒灸。鍼灸うえだの棒灸は皮膚に近づけるのではなく、身体の上に置いたタオルの上からポンポンと棒灸を当てるのです。この子もそうですが皆さん「気持ちいい~。」結局のところ小児はりも棒灸も気持ちが良かったそうです。
2回目に来院されたときお母さんが「起こしたら起きました。」爆睡ではなくなったのねって感じ。まだおねしょはします。でも出ている尿の量が少ない感じです。(たまに量るそうです)治療としては初回と一緒です。小児はりと身柱とS2あたりに棒灸。
3回目来院。「おねしょしなくなりました。前回に治療から1回失敗しただけです。」とお母さん。「水分制限は寝る前は飲まないようにしているがあとは普通にしている。あと病院に行ったら膀胱に溜められる量が倍くらいになっていた。」とのこと。すごくよく治療が効いたという感じです。もちろん治療で涙がポロポロということもありません。喜んで来院しているとのこと。
今回の夜尿症の治療で思ったことは線香灸より棒灸(鍼灸うえだ方式)の方が効果的だということと患者さんが小学1年生でしたがきちんと説明して納得の上治療したことが良い結果を生んだのではと思っています。今まで夜尿症の治療をしましたが、2回でほぼ良くなったということはなかったので感動しました。レアなケースかもしれませんが小児はりにまた自信がつきました。

温陶灸器、活躍しています。

ホームページでも紹介している「温陶灸器」ですが、最近はなかなかの活躍をみせています。
温陶灸器の便利なところは誰にでも灸頭鍼の温かさ(輻射熱)を感じてもらえることです。灸頭鍼は字のごとく鍼の頭にお灸を置くですが、例えば鍼が深く刺せない(鍼の上にもぐさを置くためある程度深く刺さないと安定しない)鍼に置いたもぐさが気になって治療に専念できない、ある程度太い鍼でないとたわんでしまう などといったことがあります。それを解消できるのが「温陶灸器」です。ただ皮膚との距離は変えられないといったことはありますが、簡便さにおいてはこれほどのものはありません。点灸(もぐさでお灸する)に比べての熱量は格段でありこの時期の冷えを一気にとってくれます。ただ鍼灸師が使っていてまだまだ改良の余地があります。昨日も陶芸家五條氏と打ち合わせをし使い勝手の良いもの、効果の高いものに仕上げている最中です。今年1月から製作に入っていますが完成には至っていません。
この未完成の「温陶灸器」ですが活躍しています。以前ブログでも紹介した「女性の薄毛治療」。温陶灸器の頭に載せるやつです。最近髪の毛のコシがなくなってすぐペシャンコになる60代女性。女性の薄毛良くなりますよというと是非試したいとのこと。といっても温陶灸器頭用を頭に載せてもぐさを置くだけですけど。頭にハンドタオルを置いてその上に温陶灸器を置く。そして患者さんが熱いと思うまで温陶灸器の上にもぐさを燃やす。(ちなみに私の治療院はマンションで煙が出るのが嫌なので炭化艾を使います)4月から5回全身治療と薄毛治療をしたところ先日6回目の時「髪にコシが出てきた、櫛でといているとき違いが判る。」と言われました。確かに髪がペチャンコにはならなくなりました。頭皮に直接お灸する方法もありますが、うまくやらないと髪の毛が少し燃える(少ない資源なのに・・)頭皮にお灸の痕が残る(ドラゴンボールのクリリンほどではないけど)温陶灸器にもぐさを置くだけはやっぱり楽だと思います。
あと先に書きましたが、腰の冷えで調子が悪い患者さんが多いです。点灸もいいですが温陶灸器でじっくり温めるとすごく気持ちが良いそうです。最初温陶灸器を使うことを説明していると大抵「エ~そんな熱いし・・・。」と言われますが実際にやると炭化艾が燃え尽きるまでじっとされています。「気持ちいい~」みたいな。

これだけ日本も暑くなるとクーラーなどで冷やして当然です。でも身体は冷やしすぎると体調を崩すことをお忘れなく。
温陶灸器を使えない人は熱いお風呂に入るのもいいですよ。