今回は夜尿症のお話です。以前にもブログで「夜尿症にお灸が効く」ということを書きました。やっぱりお灸が効くんだと実感しました。その模様をお伝えします。
現時点で治療は3回です。3回目の時に治療前のお母さんのお話ではおねしょはしていない(1回失敗)との事でした。つまり2回でということ。なかなかおねしょが治るには驚異的です。私も初めてのケースでびっくりしています。
患者さんは小学1年生の女の子。自分でもおねしょが気になるということで勇気を奮って鍼灸院に行くと決めたとの事でした。夜尿症の症状はというと、毎日する。寝て12時ごろには一度しているがしたことに気付かないでそのまま寝ている。多分一晩で2回くらい出るよう。最近はお昼も気になってトイレに行く回数が増えている。なかなかの重症です。
お母さんとお姉ちゃんと一緒にニコニコして来院されました。一通り小児はりを説明してから「じゃあ鍼してみる?」と治療をうながすと目からポロポロ涙がこぼれます。手に小児はりをしてみて「痛かったら言ってね,すぐ止めるから。」小児はりの撫でる鍼にいちおう納得。気を取り直してベッドで仰向けで寝てもらう。まずはお腹を診て・・・。お腹にガスがいっぱい。このお腹にガスが多いことがおねしょをしても気が付かない、もちろん起こしても起きない、いわゆる爆睡をしてしまう原因のひとつです。治療としてはこのガスを減らすことがひとつの課題。お腹、足、手をして次はうつ伏せになって・・・。背中を診ていきます。まず身柱あたり。小児はりの基本 身柱 命門 の重要穴。少し湿りを感じる。背部を小児はりで撫ぜていきます。あともうひとつ気になるところ。仙骨S2辺りがやはり湿っている。身柱より湿りがきつい。全体的に小児はりをした後、棒灸を取り出して患者さんさんに見せて「こことここにこんなのしたいんだけどやっていい?」と尋ねるとまた涙がポロポロ。また手に試してみて納得ずくで身柱とS2辺りに棒灸。鍼灸うえだの棒灸は皮膚に近づけるのではなく、身体の上に置いたタオルの上からポンポンと棒灸を当てるのです。この子もそうですが皆さん「気持ちいい~。」結局のところ小児はりも棒灸も気持ちが良かったそうです。
2回目に来院されたときお母さんが「起こしたら起きました。」爆睡ではなくなったのねって感じ。まだおねしょはします。でも出ている尿の量が少ない感じです。(たまに量るそうです)治療としては初回と一緒です。小児はりと身柱とS2あたりに棒灸。
3回目来院。「おねしょしなくなりました。前回に治療から1回失敗しただけです。」とお母さん。「水分制限は寝る前は飲まないようにしているがあとは普通にしている。あと病院に行ったら膀胱に溜められる量が倍くらいになっていた。」とのこと。すごくよく治療が効いたという感じです。もちろん治療で涙がポロポロということもありません。喜んで来院しているとのこと。
今回の夜尿症の治療で思ったことは線香灸より棒灸(鍼灸うえだ方式)の方が効果的だということと患者さんが小学1年生でしたがきちんと説明して納得の上治療したことが良い結果を生んだのではと思っています。今まで夜尿症の治療をしましたが、2回でほぼ良くなったということはなかったので感動しました。レアなケースかもしれませんが小児はりにまた自信がつきました。