目が痛くなる症例 (本を読んでて良かった)

 今回のテーマは「目が痛い」というテーマです。目が痛いと患者さんから症状を訴えられることがしばしばですが、自分自身がなったことの無い症例はなかなかイメージがわき難く治療としてはうまくいかないこともあります。それが今回うまくいったというお話。
 「目が痛い」と云っても原因はいろいろ。ドライアイなのか目にゴミが入ったのか、最近は逆まつげというのもありますね。今回の「目が痛い」は朝起きると玉ねぎを切った時、目に沁みるように痛い感じがあるといったもので玉ねぎを切った時の痛みはわかるけど、そんな感じで痛くなるのねって感じでした。なったことないからイメージだけではわからない。現在、鍼灸うえだでは初診の予約時にある程度患者さんの症状を訊いておく、つまり予習できるので・・・。鍼灸の本をベッドの上に並べ手当たり次第に「目の痛み」を調べる。自分の中で頼りになる本をそこそこ集めているのでそれなりに有効なツボが見付かる。
 自分の今までの臨床でのツボと本に書いてあるツボをまとめて患者さんに使ってみる。初診は色々と話を聞いたり、身体の変化を診たりと2時間かけて治療します。とりあえず、目が少し楽かなって感じで帰られました。2時間後、「近くの娘が来てみたら目が充血してる。大丈夫?と言われた。先生、大丈夫ですか?これって好転反応?」と電話がありました。自分の中では目の治療として首・肩のコリをとること、そして予習のツボをちゃんと治療してあるので「大丈夫ですよ、充血はマシになりますから。」とお答えしました。その充血をこの目で見たわけではないので少し不安。2日後また電話があり、「充血はすぐマシになった。朝に目が痛いのもだいぶマシになったので、もう一回行きたい。」とのこと。あ~良かった。
 今回使ったツボは「肝兪」なんです。目は肝に属す なんて東洋医学には書いていますよね。ただ「肝兪」ではダメで肝兪の脊柱の際、(澤田流でいくと膀胱経1行線・熱をとるには1行線が有効なんですって)後で思うと 目をよく使う(テレビを長いことじっと見ると目が痛くなったり、お猪口1杯のお酒を飲んだら翌朝すごく痛くなってた って患者さんが問診時に言っていました。ああ、肝に熱を持っていたのねって感じです。ちなみに読んだ本は 代田文誌先生の「鍼灸真髄」です。
本の通りにうまくいくケースはレアですが、なかなか先人の研究・発見には驚かされます。いい勉強になりました。

風邪の治療(降りてきたツボ)

 今回のテーマは「風邪の治療」です。今年は3月中はまだ寒く風邪をひいて来院される患者さんも多かったです。以前にもブログで「風邪」について書いているので重複しないよう・・・。
 風邪をひいてて、身体に熱が籠ってしんどい、熱が出てくれたら楽になるのに なんてことありません?今回はそんな時は・・・という話です。

 自分自身体験から。ちょうど鍼灸の国家試験の1週間前風邪を引きました。普段は熱が出てすぐ治るのですが今回は熱が身体にこもった感じでしんどい。仕事もお休みしました。国家試験を控え勉強もしたいのだけどとてもそんな気にもなれない。ゴロゴロとするばかりでした。どうせ国家試験の勉強もできないんだからと鍼灸の本でも読んでやれと読んでいると『降りてきました』。ここに鍼したらという場所がひらめきました。なぜそうなったかはわかりません。後で読み返してみてもそのページで『降りてくる』?って感じです。ちなみに鍼灸本は「鍼灸治療基礎学」です、すぐに「ここに鍼して」と奥さんに頼みました。奥さんも鍼灸師ですので。後で言っていましたが、「やりにくい体制で鍼を打たされた。」4本の鍼を打ってもらい10分くらい置鍼してあと抜きました。すると今まで熱がこもってしんどかった身体から汗が出てくる、出てくる。そのまま布団に入り寝付いたのでした。
 これからの話は風邪と関係ないのですが面白いので続けます。寝付いて何時間はわかりませんが、耳元でガサガサと音がする。すると奥さんが何かしてる。「どうしたん?」と尋ねると「生まれそうなんで準備してる。妹に病院に連れていってもらう」そう奥さんは臨月予定日近くだっだのです。それで前かがみで鍼が打ちづらく文句を言ってたのでした。私は汗がしっかりと出たのですっきりとして病院へ連れて行きました。そして長男が生まれました。このツボに打てと『降りてきて』スッキリとして長男生まれるって神ってません?思い出すといつもすごいとおもってしまう。
 
先日、風邪をひいた患者さんが来院。やはり熱がこもっている。「しんどいです。」あの時の風邪と似てるな、じゃあ久しぶりにあのツボを使ってみよう。ざっと22年前ですけどね。そこに鍼をしたら翌日今まで汗が出なかったのに汗が出てだいぶ楽になったと連絡がありました。やっぱり効くんや。
 ここまで書いて、これで『降りてきたツボ』の名前がこのブログで出て来ないとひんしゅくものなので記しておきます。
 足の太陽膀胱経 膈兪 肝兪 です。

 私の後日談。長男が生まれたのでその1週間は仕事と病院通い、夜は長女と一緒に寝てとても試験勉強ではありませんでした。国家試験の日もみんなで打ち上げを尻目に赤ちゃんほんぽに長男の命名紙を買いに行きました。国家試験は合格でした。良かった。      

坐骨神経痛は刺絡で治る

 今回のテーマは「坐骨神経痛」です。坐骨神経痛になってから年月の長い患者さんはなかなか良くならないのが現状です。鍼灸うえだでも坐骨神経痛の患者さんを何人も診ていますが「すごく良くなった!」には至っていませんでした。一昨年から腰痛治療の研究を始め、患者さんの腰のどこに治療すれば良いのかがわかるようになりました。それでそこそこ坐骨神経痛も治せると云えるようになったのですが、まだまだ治らない患者さんもいました。その腰痛のポイントに刺絡をすれば劇的な改善をすることを発見しました。今回はそのお話です。

―ブログがお休みだったのは、この坐骨神経痛と夜尿症の研究で書く余裕がありませんでした。読者の方すいません。-

 先ずは前置きから・・・。もう7~8年前でしょうか、私の父が腰痛の手術をしました。左腰の痛みと大腿部や下肢、足の甲までの痛みがありました。田舎に電話をすると父から「腰が痛い、ヘルニアらしいので手術する。」とのこと。私が責任持って父の痛みをとることは出来ないので渋々了解しました。手術が終わってすぐ田舎の病院に父に見舞いに行きました。「どう、傷みとれた?」と尋ねましたが「まだ痛い。」とのことでした。その晩はパンツに貼るカイロをベタベタ貼って寝かせました。翌日行くと「少し楽」と言っていました。それが5月のこと、6月、7月と1回田舎に帰り父の治療しました。その時はあまり変化がなかったと思います。そして8月。お盆休暇で田舎に帰り休暇5日間びっちりと治療しました。その時何を思ったのかわかりませんが「これは刺絡でないとダメだ。」と思いました。今までは毫鍼(刺す鍼)で治療していました。父が「痛い」というところに(もちろん自分でも触診していますが)刺絡(吸玉で血液を抜く治療)をバンバンしました。勿論 於血というのでしょうか ドロドロとした血液がどんどん出ます。でも刺絡したところは痛みが無くなっています。朝から晩まで5日間治療しました。(普通はしませんが休みが5日間しかないので)
家は農家なので田んぼや畑があります。少し高原なので稲の収穫は9月中頃です。父は痛みも無く農作業をしました。現在齢80を超えていますので腰の痛みがないと云えば噓になりますが前のような坐骨神経痛の痛みは無いようです。昨年11月に一緒に京都比叡山に行きましたが「腰が痛い」とは言いませんでした。私は坐骨神経痛に刺絡したら良くなることを父から教えてもらっていたということです。  ただ、忘れていました・・・・・・。あと私が今までしていた治療は体質分け(毫鍼・三稜鍼 刺絡で使う・お灸)をしてそれに合った刺激をするといったもので ここだけ という発想がなかったのだと思います。
 
 長い前置きでした。7年坐骨神経痛に苦しんでいる患者さん。色々と治療院を代えるのですが良くならない。鍼灸うえだに来院。首や肩を診るとやはり「毫鍼(刺す鍼)」首のコリや目のうっとしいのはましになる。ただ坐骨神経痛はマシになるが良くならない。どこかで振り出しに戻ってしまう。そこで色々と悩んでいると父の治療を思い出したというわけです。
吸玉を使用するのでやたら時間が掛かる。ですが患者さんに言わせると最初の痛みを10とすると今はほぼ1くらいだそうです。「本当に楽になった、このまま死ぬまで痛いのが続くかと思った。」とのことです。刺絡で1年くらい治療しています。

で一人だったら「まぐれじゃん」となります。以前八尾で治療させてもららったことのある患者さん。ひょんなことから来院されました。その方も坐骨神経痛。その時は毫鍼で治療していました。事情を話していきなり刺絡(吸玉)。その日は何となくマシという感想。昨日来院されました。鍼灸うえだで7回目。昨日いわれるのは「痛みは1か2.楽になりました。」その患者さんも5~6年は痛みを持っていました。

色々な患者さんに刺絡をしていく中で法則性らしきものがあるように思います。ですから坐骨神経痛イコール刺絡ではありませんが、該当する方にはバッチリと効きます。私もやっと腰痛や坐骨神経痛をなおせるようなってホッとしています。

異常な汗を鍼灸で止める

 今回のテーマは「異常な汗を鍼灸で止める」がテーマです。鍼灸うえだは患者さんの色々なリクエストがあります。その中でも「汗が以上に出る」というもの。汗なんか鍼灸でどうかなるのってかんじですが、汗が異状には出なくなるようです。自律神経の影響を受けているので自律神経を調整することが肝心です。はり灸で自律神経を整えるといってもどこにしたら良いやら。でもやっぱり効くところがあったんです。どこかというと「あたま」そう頭皮鍼です。色々と頭皮鍼の本を読み漁り ここだ! というツボ発見。効くようです。3人中皆さん改善したようですから。鍼を受けるのが怖い人でも爪楊枝などで刺激してみたらいかがでしょう?

場所は顔の正中(顔を真ん中で線を引いたつもりで)と髪際の交わるところ ツボでは 神庭 穴。神庭から真横に線を引くかんじで 縦は眉毛の内側 外側 の交点。つまり横一列 5本 鍼が刺さるということ。左右ありますからね。後は神庭の後ろ 百会というツボ 計6カ所を刺激すると異常な汗は出なくなるようです。汗が出るとしんどいらしく患者さんからは喜ばれます。最近のヒット作です。是非お試しください。

エッ 鍼灸ってそんなものにも効くの?

 鍼灸うえだは患者お一人に対し1時間治療を行っています。身体は日々変化していて一人でいくつも愁訴を持っていることは当たり前です。なるべくその愁訴が取れることが治療家として生きがいだと思っています。
ただ、患者さん自身がこんな症状にはり灸は効くとか効かないとか判断して「これは言おう。」とかこれは「やめとこう。」なんてことがあるようで・・・。

 患者さんを治療していて「先生、それって何のツボ?」とか「何に効くの?」とかたまに言われます。そりゃそうでしょう。普段使わないツボを使っていたりしてるから。梁丘穴、膝の少し上にあるツボ。今日はそこにお灸している。「先生それって何に効くの?」「下痢。下痢っぽいって言ってじゃない。」「え~下痢治せるの?」「あのね、鍼灸って明治維新まで漢方薬とで日本の医療やったんよ。そこそこは治せるでしょう。」「今度から何でも言います。」

ほかの患者さん。もう治療も終わりかけ。今日の主訴は肩こり。話のついでに治療していて詰めている歯?歯茎が痛い。だからこれから歯医者に通わないといけない。治療が終わるのはいつになるのやらと愚痴のような一言。「え~そうなん。それならそれで早く言えばいいのに・・・。」「先生、治療してもらうつもりで言ったんじゃなくて・・。」「いいの、鍼100本打つわけでもなし、ちょっと鍼したら大丈夫。」頭を触り「ここ痛いでしょ。」「いやそうでも」「あっそう、じゃあもう少し押さえるよ。」「痛い!」「だから言ったでしょ。ここは口の中の痛みに効くから。」(ブログ・・口の中が痛かったら使ってみて 篇)そこに鍼を1本刺しました。

症状は色々あるけど身体は一つ。患者さんが良くなれば何よりです。鍼灸うえだに来院したときは とりあえず気になる症状は言ってみて、はり灸で治りことは頑張って治します。

悪阻(つわり)にも鍼灸治療効きます。

 妊婦さんが鍼灸うえだに来院されるのは一番は「逆子」。その次は妊婦さんはお薬が飲めないので「体調管理」といった具合です。

今回のテーマは「悪阻(つわり)」。悪阻なんて鍼灸治療で治るの?とよく言われますが、胃腸の具合を整えるので悪阻を治すことは難しいことではないんです。夏の悪阻は普通の悪阻と少し違う気がしますが・・・。

 その妊婦さんは金曜日に電話予約されました。「月曜日予約お願いしたいんですが・・」「はい、いいですよ。」なんて感じで予約を入れました。月曜日当日予約時間にその妊婦は来院されました。「すいません、悪阻で気分が悪いので横に袋置いといていいですか?」「ええ構いませんけど。今しんどい?」「はい、気分悪くて。」「じゃあもうベッドに横になってみて。」しんどいんだったらもっと早く言って、早く治療してあげるから。胃のツボで有名な足の三里穴。即効性のある梁丘穴。鍼灸うえだでは妊婦さんには鍼を刺さないからテイ鍼(刺さない鍼・圧する鍼)でその二つのツボを刺激したらお腹が鳴ってきて「少し楽になってきた~。」
 そうなんです、本来の悪阻もあるけどお腹のガスがみぞおちに集まっていて悪阻よりしんどい状態なんです。お腹のガスがみぞおちにたまるというのは足元が冷えているから、夏特有の症状だと思います。昔から「妊婦さんは身体を冷やしたらダメよ」と言われていますがなかなかしっかり守っている妊婦さんは少ない。特に腰から下、下半身は冷やすとダメですね。その妊婦さん帰りはルンルンで帰って行かれました。もっと早く来れば良かったのに。
まだまだ暑い最中、でも妊婦さん身体は冷やさないでくださいね。

不妊治療してます。

 今回のテーマは「不妊治療」です。以前のブログの中に不妊治療ぽいのがありますが、実際は少し違って妊娠はしたけど母体が調子悪くて流産された話でしたが、鍼灸治療で再度妊娠され今度は無事出産された話でした。

 今回は不妊治療、2年間病院にて不妊治療していたけど何も変わらずお薬ばかり飲んでどうなんだろうと疑問視。一度病院のお薬は一切止めてみて身体の中をリセットしたいとのこと。病院では子宮の血の巡りが悪いと言われたよう。鍼灸うえだの考える不妊治療はまず身体の状態を良くする。次に特に腰や足を温めて骨盤内の循環を良くする。この2つが不妊治療の基本だと思います。この不妊治療の患者さん鍼灸治療初めてで鍼を刺すことにおっかなびっくり。鍼が怖いのに後ろから首や肩に鍼をするのは怖いのでまずは手から。手にスポーンと鍼をしても本人気付かず、鍼刺されていることにびっくり。でもここから鍼は怖くないことがわかって俎板の鯉状態。
 身体のコリを取り良い状態すること。あと腰を温める。これが大事。鍼灸うえだではお灸・椀久・棒灸の3段構え。この患者さん冷え性もあるんですが治療後は身体がポカポカらしい。先日で3回目、今は1週間に1回のペース。身体はだんだんと楽になっているそう。2~3か月は普通に生理がとぶ。3回目の時「先週の治療の後生理が来ました。」先ずは良かった。これが周期的に来ることが大切。周期的に来るようになれば前の病院に行って子宮の血の巡りを見てもらえば身体の変化がわかるはず。良い結果に繋がればいいのですが。この不妊治療の経過はまたブログにのせていこうと思います。

効くと聴けば試してみよう

 今回のテーマは「効くと聴けば試してみよう」がテーマです。人の身体とは面白いもので思ってもない処のツボで良くなったりするものです。私は友人達とフェイスブックをしています。私はあんまり投稿しませんのでもっぱら友人の近況を見ることが多いです。友達といってもやはり業界人(私では鍼灸関係)が多くなりますよね。その友人達が色々な記事や投稿をみて「いいね」をする。そんな情報も入ってきます。

 先日、気になる記事がありました。足底(あしのうら)のちょうど足の指の付け根が痛い時は「承山」穴と出ていました。ちょうど足の小指の付け根が痛いという患者さんがいたので試してみました。「アッ 先生マシになってる」と云われてちょっと鼻高々。
もう一人患者さん。右の足の裏の第2指の付け根が歩く時痛い。本人は魚の目だと思って自分で色々するけど一向に良くならない。右の足裏が痛いのでつい歩き方も悪くなり腰の調子も悪いのだという。先日「承山」穴でうまくいったので今度もやってみよう。治療してすぐは「少しマシ」だったけど次回来院時には「もう全然痛くない」とすごく喜ばれました。ただ「何か硬い感じ」と言われたので「実はそこに(足裏)お灸するといいんですよ。でも足の裏って皮が分厚くなっているし感じにくいです。手っ取り早いやり方はそのに線香でちょんちょんと鳥がついばむ感じで当てていけばうまくいきます。熱くなるまでね。」終わってみるとスッキリしたようです。

 鍼灸というのは奥深く臨床経験が多くともわからないこともたくさんあります。でも患者さんを治すのがお仕事なのでどうすればよくなるか実際に臨床ですること、あとは先人の書かれた本を読んでそれをヒントに治療していくことが大事です。

 ずっと来院していただいている患者さんのお孫さん、リウマチだということ。鍼灸うえだに治療に来たいとのことで「ではメモを持ってきてください。」実はお孫さん 鍼灸師なんです。そこで初診の前にリウマチに効くツボを教えて(一緒にこの本の何処に書いてあると確認)、あとで自分で治療してもらう。私もその患者さんも勉強になるのでそんなことをしています。
効くところは触り、反応があれば治療する。そんなことを日々繰り返しています。

車酔いにはこのツボを使おう

 新年明けましておめでとうございます。今年も鍼灸うえだでおきたはり灸に関するブログを書いていきたいと思います。
 私はお正月は京都に干支に因んだ神社・仏閣に初詣に行くと決めています。今年は八坂の庚申堂と新日吉神宮(いまひえじんぐう)に行ってきました。あんまり干支に因んで初詣に行かれる人は少ないようで八坂庚申堂は人通りが多いので大勢でしたが、新日吉神宮は人がまばらでした。平安神宮も行ったのですがいつもすごい人です。

 私の初詣の件はこれくらいにして 年末に患者さんより「初詣の時車で行く。でも車酔いする、できたら薬は飲みたくない。どうかならないか」という相談を受けていました。いつもは車酔いしない人がするのは、全体的に体調が悪いか、胃の調子が悪いかだと思っています。その患者さんうちに来るまでは調子があんまりよくなかったけど週1ペースで来院させるようになってから体調はすこぶる良くなったと思っていたのですが、突然のカミングアウト。なんとかしてあげられないか?頭をグルグル回転させて・・・。そうだ!と思いついたのが円皮針。(皮膚に張り付けておく鍼なんです。先のオリンピックでも羽生くんが金メダル取ったとき胸に付けてたようで。なんでも羽生君は呼吸器系が弱くて付けていたとか)現在は便利になっていてセイリン製パイオネクスという製品名であります。これを車に乗る前に貼ってもらおう。ツボさえ教えておけばOKだし。ということで教えたツボが「内関」(ないかん・手関節掌側横紋上2寸)
年明けにその患者さん来院。「先生!車酔いしませんでした。良かったです。」と喜ばれました。良かった、よかった。実はその内関というツボを刺激すると車酔いや船酔い、変わったところでは妊婦さんの悪阻予防グッズとしてリストバンドにぽっち付けて売ってたりするんですよね。そうそう以前鍼灸師会で福井に旅行に行った時船釣り体験をしましたが、一発で船酔いして多分内関穴を刺激しても無理でしょうね。一応私は瀬戸内っ子ですから。日本海の荒波には弱い。このブログを読んでいる人で車酔いの人は試してみて下さい。

鍼灸うえだの今年の成果について

一人で鍼灸院内で活動していると何かとマンネリ化するもの。また治療もワンパターンになりがちで一向に治療効果が上がらなくなる。昨年はどこかに講習会に出掛けて行って新しい発見を見つけてきました。代表的なものに頭皮針があります。
 今年は講習会には参加せず、自分なりに勉強したり研究してみました。成果の代表例が「温陶灸器」です。今年の初めより八尾の陶芸家さんと一緒に簡便且つ効果のあるものを目指し1年がかりで使いやすい道具を作ることに成功しました。こちらの注文通りの試作品を作ってもらいそれを実際に使ってみて不具合を治しての繰り返しでした。使ってみると坐骨神経痛の患者さん、下半身が冷える患者さんには腰への温陶灸器がとても効果的です。またガスが多い人や身体自体疲れてる人には身柱に温陶器をすることで症状の緩和ができます。
 もう一つは仙骨への鍼灸刺激です。腰痛や坐骨神経痛の患者さんの治療効果が悪い時に色々と調べてみると仙骨部に着目して探してみると効果的な治療点が見つかります。このおかげで腰痛患者さんの治療効果が上がりました。治療も楽になり助かっています。
 ついでにもう一つというと 小児のイライラに百会穴への刺激。ブログでも書いていますが朝起きて暴れる小児に百会に小児はりをしたら次の日からピタッと治まりました。自分でもすげ~と思ってしまいました。これまたブログに書いていますが 夜尿症2回で完治(多分)。

患者さんを治療させてもらって色々なことがわかる・できるようになる。大変ありがたいことです。ブログを書きながら今年の印象に残ったことを思い出しています。来年もより一層患者さんが良くなるよう精進します。
まだまだあと二十日くらいあるので気を引き締めていきたいと思います。
今年最終までまた患者さん治療面白ネタがあればブログにアップします。