今回のテーマは「坐骨神経痛」です。坐骨神経痛になってから年月の長い患者さんはなかなか良くならないのが現状です。鍼灸うえだでも坐骨神経痛の患者さんを何人も診ていますが「すごく良くなった!」には至っていませんでした。一昨年から腰痛治療の研究を始め、患者さんの腰のどこに治療すれば良いのかがわかるようになりました。それでそこそこ坐骨神経痛も治せると云えるようになったのですが、まだまだ治らない患者さんもいました。その腰痛のポイントに刺絡をすれば劇的な改善をすることを発見しました。今回はそのお話です。
―ブログがお休みだったのは、この坐骨神経痛と夜尿症の研究で書く余裕がありませんでした。読者の方すいません。-
先ずは前置きから・・・。もう7~8年前でしょうか、私の父が腰痛の手術をしました。左腰の痛みと大腿部や下肢、足の甲までの痛みがありました。田舎に電話をすると父から「腰が痛い、ヘルニアらしいので手術する。」とのこと。私が責任持って父の痛みをとることは出来ないので渋々了解しました。手術が終わってすぐ田舎の病院に父に見舞いに行きました。「どう、傷みとれた?」と尋ねましたが「まだ痛い。」とのことでした。その晩はパンツに貼るカイロをベタベタ貼って寝かせました。翌日行くと「少し楽」と言っていました。それが5月のこと、6月、7月と1回田舎に帰り父の治療しました。その時はあまり変化がなかったと思います。そして8月。お盆休暇で田舎に帰り休暇5日間びっちりと治療しました。その時何を思ったのかわかりませんが「これは刺絡でないとダメだ。」と思いました。今までは毫鍼(刺す鍼)で治療していました。父が「痛い」というところに(もちろん自分でも触診していますが)刺絡(吸玉で血液を抜く治療)をバンバンしました。勿論 於血というのでしょうか ドロドロとした血液がどんどん出ます。でも刺絡したところは痛みが無くなっています。朝から晩まで5日間治療しました。(普通はしませんが休みが5日間しかないので)
家は農家なので田んぼや畑があります。少し高原なので稲の収穫は9月中頃です。父は痛みも無く農作業をしました。現在齢80を超えていますので腰の痛みがないと云えば噓になりますが前のような坐骨神経痛の痛みは無いようです。昨年11月に一緒に京都比叡山に行きましたが「腰が痛い」とは言いませんでした。私は坐骨神経痛に刺絡したら良くなることを父から教えてもらっていたということです。 ただ、忘れていました・・・・・・。あと私が今までしていた治療は体質分け(毫鍼・三稜鍼 刺絡で使う・お灸)をしてそれに合った刺激をするといったもので ここだけ という発想がなかったのだと思います。
長い前置きでした。7年坐骨神経痛に苦しんでいる患者さん。色々と治療院を代えるのですが良くならない。鍼灸うえだに来院。首や肩を診るとやはり「毫鍼(刺す鍼)」首のコリや目のうっとしいのはましになる。ただ坐骨神経痛はマシになるが良くならない。どこかで振り出しに戻ってしまう。そこで色々と悩んでいると父の治療を思い出したというわけです。
吸玉を使用するのでやたら時間が掛かる。ですが患者さんに言わせると最初の痛みを10とすると今はほぼ1くらいだそうです。「本当に楽になった、このまま死ぬまで痛いのが続くかと思った。」とのことです。刺絡で1年くらい治療しています。
で一人だったら「まぐれじゃん」となります。以前八尾で治療させてもららったことのある患者さん。ひょんなことから来院されました。その方も坐骨神経痛。その時は毫鍼で治療していました。事情を話していきなり刺絡(吸玉)。その日は何となくマシという感想。昨日来院されました。鍼灸うえだで7回目。昨日いわれるのは「痛みは1か2.楽になりました。」その患者さんも5~6年は痛みを持っていました。
色々な患者さんに刺絡をしていく中で法則性らしきものがあるように思います。ですから坐骨神経痛イコール刺絡ではありませんが、該当する方にはバッチリと効きます。私もやっと腰痛や坐骨神経痛をなおせるようなってホッとしています。