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油断して風邪をひく季節です。
めっきりと朝晩は冷え込んできました。日中の温度と朝晩の温度が違いますよね。お勤めの方はどんな服装にするか迷うところですが、世間体を気にして自分の体感温度より薄着にすると風邪をひき易くなります。オシャレもいいけど体調管理も大切です。
ということで今回は「風邪」についてです。東洋医学の考え方に「邪」というのがあります。簡単に言うと「悪いやつ」です。ですから風邪とは「風のわるいやつ」です。他にも邪には寒邪とか湿邪とか熱邪とかあるんですがそこまでこだわらないのと勉強不足なので風邪だけいきましょう。だから風邪は「かぜ」ではなくて東洋医学的には「ふうじゃ」なんて言うんです。風のわるいやつがなんか悪さするということなんでしょうね、きっと。ついでにツボ(経穴)に風がつくツボがたくさんあります。風池 風府 風門 風市など。やっぱりなんか関係があるんでしょうね、漢字だから字に意味があると思います。中でも「風門」文字通り「かぜのもん」ここは風邪と関係があるんです。場所でいうと 第2、第3胸椎棘突起間の外方1.5寸にとる というんですがだいたい風邪をひくと背中がゾクゾクと寒く感じるところここが「風門」です。風門は風邪(ふうじゃ)が進入する門戸ということです。風邪のひき始めには葛根湯というコマーシャルがありましたが私に言わすと「風邪のひき初めには風門を温める」です。温めるものは何か?手っ取り早いものに ドライヤー。ゾクゾクと寒く感じたところに熱風攻撃。ちょっと熱いかなと思うくらいする。ひき初めならこれだけでOK。ちょっとくしゃみも出るくらいのレベルなら風門に貼るカイロ。肌着に貼ったら熱いのでパジャマくらいにカイロを貼って寝たら風邪はどこに行ったかなという感じになるので一度お試しください。
風邪は万病の元なんてよく言われますが、日々の疲れが溜まると風邪をひき易いように思います。鍼灸治療で風邪ひきの治療も一緒にすることもしょっちゅうですが大抵 首、肩、肩甲骨あたりのコリが多いです。凝るということは筋肉が硬くなり血液循環が悪くなると言われています。肩から肩甲骨に「風門」というツボはありますのでまさにその通りでしょう。そうそう今はしなくなりましたが昔冬によくした「乾布摩擦」。日本てぬぐいでゴシゴシしましたね。皮膚に刺激を与えて血行を良くするんです、そうすると風邪もひかない。屋外とは言いませんのでお家で乾布摩擦などいかがですか?この冬は風邪知らずで過ごせるかもしれませんよ。
小児はりっていつからできるの。
今回は「小児はりはいつからできる?」がテーマです。先程、治療院の洗濯をするために出掛けたのですが、その途中お宮参りの赤ちゃんに出会いました。幸せいっぱいな感じでした。パパとママそして両家のおじいちゃん、おばあちゃんとうれしそうなのはいいのです道いっぱいに広がって歩いておられました。そこに洗濯物を持って割り込みもできず微笑ましく過ぎ去るのを待っておりました。我が家もこんなことがあったなあと昔を思い出します。長女はもう22歳・・・・。年月は早い。
小児はりはいいですよ。こどもが人を連れてきますから。赤ちゃんは一人では来院できません。必ず誰かが連れてくるのです。多い時はパパ、ママにおじいちゃん、おばあちゃんと6人ががり(両家)、まるで大名行列のよう。治療院が賑やかになります。そしてこどもの治療がうまくいけば「私もしてもらおうかな?」なんてことにも。
閑話休題。話を戻して・・。小児はりは一般的には生後1ヶ月からとよく言われます。それは前述したお宮参りと関係があると思います。お宮参りをするまでは赤ちゃんをそう外に出すものではないといった習慣によるものだと思います。それは鍼灸院に小児はりをしてもらう時のお話。小児はりは生後すぐからでもできるんです。もちろん大変難しいですけど。小児はりは刺さない鍼です。皮膚を擦るような感じで鍼をしていきますが、生後1か月までのこどもの皮膚は凄く柔らかい。皮膚への刺激が難しい。症状の改善がないくらいならいいのですが、逆に症状悪化なんてことにも。自分のこどもならまぁいいかで済みますけど。私は患者さんのこどもで生後2週間目という症例があります。お母さんが出産の疲れと育児が大変で肩凝ってしんどい。お母さん治療するからこの子も一緒にしてくださいというノリでした。その子にはお姉ちゃんもいてずっと小児はりをしていたのでお母さんにはあんまり生後2週間でも小児はりに対して抵抗がなかったように思います。依頼を受けた私は「エ~」という感じでした。2週間目の赤ちゃんは身体のパーツそれぞれが小っちゃくて壊れそう。むちゃくちゃ緊張して治療したことを覚えています。やっぱり自分のこどもで練習していて良かったと実感したものです。
そんな生後に小児はりなんかする必要はないと思われるかもしれません。でもなかには赤ちゃんやお母さんが困っていることもあるんです。生後に多いのは赤ちゃんの「乳吐き」お乳を飲んださきから吐く、これは心配になりますよね。これは赤ちゃんの胃腸の働きが悪いからで胃腸をの働きを良くするようにすればよく飲むようになります。「赤ちゃんがず~と泣いている、お乳も飲まない」なんてこともありました。初めてのお子さんでお母さんもどうしていいかわからず小児はりに来られました。実家のおばあちゃんも一緒に来られお母さんは憔悴しきっていました。育児ノイローゼになりそうみたいな。赤ちゃんはお腹を診るとガスがいっぱい溜まっていましたのでガスを出すように治療しました。治療のおわる頃赤ちゃんがガスを出しました。帰宅後よくお乳を飲み、よく寝たそうです。それからは育児が楽になりまたお母さんは小児はりのファンになりました。
赤ちゃんになかなかお薬は使えないです。そんな時赤ちゃんを良くすることができる何かがあったらとみんなが思います。そのひとつが小児はりです。今日はかわいい赤ちゃんを観て小児はりって良く効いたなということを思い出しました。
食欲の秋 お腹の調子いいですか?
食欲の秋、お腹の調子いかがですか?人間も動物ですから秋には食欲も出てきます。昔の鍼灸の考え方の一つに「胃の調子を整えていい状態なら体調はいい」という考え方がありました。私もこの考え方には半ば賛成です。鍼灸うえだに来院される患者さんに「お腹の調子いいですね」ということはまずありません。食べすぎなのか、飲みすぎなのか、気の使いすぎなのか 最近お腹の調子の良い身体に出会ったことがないです。ベッドに行きお腹を診ますが良いと思えない。胃がもたれている感じ 胃を酷使している感じ 胃が動いていない感じなど触診するとそのようなことを感じます。患者さんにそのことを伝えると「当たっています!」と言われます。1/3くらいの患者さんは「そうかな、自分ではわからないけど・・。」という方もいます。そういう時はお腹をグ~と私の指で押すと大抵「ウー」とうめき声にも似た声が出てきます。治療後同じことをしてもうめき声は出てきませんが・・・。多分良くなったんだとお思います。治療すると治療前の触診のお腹の嫌な感じはとれていることが多いです。以前12月に食べ放題飲み放題で会費分損にならないようにして!と言われたことがありましたが、その会は満足したと言われていました。
「1週間前に食べ過ぎましたね。」というと「先生そんなことまでわかるんですか?」と患者さん。わかるんですよ。身体にはちゃんと出てくるんです。お腹のみぞおちに剣状突起というのがありますが、その辺りを触ると極度に緊張している時は食べ過ぎの現在進行形。その緊張がだんだんと緩んできている具合から3日前、1週間前がわかります。大抵当たります。
家族で同じものを食べたのに一人だけ調子悪くなったことありませんか?(下痢や嘔吐 ただし一過性のもの)え!食中毒! いえいえそうではありません。その人の体調が悪かったのです。身体全体が疲れていたか、胃が消化器系が疲れていたか。疲れてるかわかるの?わかります。最近の食事量は如何ですか?日頃より多くなっていませんか?多くなっているのを大抵食欲が出てきたと勝手に思っているのです。ご飯を食べた後に何か欲しくなるというのは食欲が出ているのではなくてもう胃腸が悪くなっている証拠です。でも何か欲しくて食べたくなるんです。食欲はやはり「欲」ですから我慢できません。でもたくさん食べてはいけません。それと自分はお腹の調子が良いのではなくむしろ悪いんだと自覚することです。そうすることで自制することができます。私が患者さんに「お腹悪いね」というのもそのためです。
胃に良く効くツボとして「足の三里」という有名なツボがあります。かの松尾芭蕉も「奥の細道」の中で足の三里にお灸をし・・・と出てくるくらい有名。それは足の疲れをとるほうで使ったかな。足の三里を刺激すると胃の動きが活発になります。ですから最近胃の具合が・・・という方は足の三里を刺激してみてはいかがですか?
双子の逆子治療うまくいきました。
以前のブログで逆子治療の成功例を書いたことがあります。今回は逆子治療をする前から自分自身どうかな?と思っていた症例でしたが結果的にうまくいった例です。
妊娠8か月に入ったばかりの妊婦さん、妊娠前より体調不良などで来院しておられます。悪阻の時も来院されました。今回は逆子なのですが、実は双子でその中の一人の胎児が逆子という訳でした。今まで逆子治療は何回かしていますが、双子の逆子というのは初めての経験。前述したようにどうかな?と思う訳です。患者さんの通院されている産院では逆子でも普通分娩できるとのことでしたが、逆子となると帝王切開になるとのことでした。患者さんは半分あきらめモードでしたが、藁にもすがる思いだったと思います。私も帝王切開すると産後にお母さんが痛い・しんどいなどで動けなくなるとおもっているので双子の世話など大変と思い今回の逆子治療がうまくいくことを願いました。
実際治療としては鍼灸うえだで他の妊婦さんと同じような治療をしました。妊婦には鍼灸うえだでは鍼を刺さないので反応点を見つけて鍉鍼で反応を小さくしていくこと、またお灸すること、最後に肩甲骨内や骨盤あたりを棒灸で温める、これらをします。逆子の場合はそれに加えて足の至陰というツボにお灸をするのです。ただお灸すれば良いのではなくまず左右のどちらに反応がでているかしっかりと確認して患者さんに訊きます。「ここ痛い?」そして「痛い」方もしくは「痛い」がキツイ方にお灸します。あらかじめ患者さんには「ここのお灸だけは熱くするから」と伝えています。そしてツボに熱が入ったと思われるくらいお灸します。鍼灸うえだでもこの灸だけは熱いです。これが逆子の治療です。
今回の逆子治療は100%良くなったのではありませんでした。180度ひっくり返れば成功ですが1回の治療で90度まで横向きになっているようです。ただ産院では逆子ではないので帝王切開はしなくともよいという見解です。とりあえず切らずに済んだと喜んでいます。
今回のことでつくづく鍼灸って不思議だなあと感じました。双子の片方だけでもひっくり返るなんて・・・。貴重な体験でした。
後日談です。(10月22日書き込み)ご主人と同じ職場の方が治療に来られて言われるには「逆子治療して10日くらいでしっかり逆子が治った。」とのことでした。報告まで。
鍼灸ボランティアに行きました。(10/12編)
10月12日 鍼灸ボランティアで兵庫県丹波市市島地区竹田に行ってきました。昨日大阪でも台風が来ましたが、1か月前丹波市も台風の被害に見舞われました。近畿に住んでいる私もあんまり知らなかったのですがあの広島の被害が丹波市でも起こったとのことです。ボランティアの申し込みにまず丹波市市島支所に行きました。そこから要請のあった竹田地区に・・。市島支所には多くのボランティアの方が集まっておられました。「鍼灸でボランティアをしたい」とお願いすると願ったり叶ったりと大変喜ばれました。
ボランティア前日、現地集合以外の先生は 鍼灸うえだ に集合して取りあえず一泊。現地の集合時間が早いのと高速道路の宝塚インター付近を7時30分には通過したかったので広いだけの鍼灸うえだで寝ました。治療院が広くてよかった!。無事予定時間どおりに竹田ボランティアセンターに着きました。ここ丹波竹田は今有名になった天空の城竹田城の竹田ではなく丹波竹田。よく観光客が間違えるとTVでもワイドショーでやっていました。ともあれ竹田地区中村公民館に案内され、いざ鍼灸治療の準備~。
地区の会長さんが鍼灸ボランティアが来るぞ~と声をかけていただいてたらしくどんどん「お邪魔します」とおいでになる。鍼灸治療を希望の方には鍼灸治療をし、鍼は怖いという方には台座灸をしたりして鍼灸の良さをアピールする。田舎のおばあちゃんとかとお話しすると癒されますよ。笑いの絶えない話に被災地ということを忘れそう。でも家が全壊された方も来られてて・・・。結果鍼灸治療5名・台座灸12名と結構な賑わいでした。
今回お二人鍼灸治療をしましたが、興味深い症例を一例。70歳くらいの女性。主訴は膝痛。現在は膝は曲げられない。歩くにも歩きにくい、左足はむくんでいる感じとのこと。病院では手術を勧められているが乗る気がしない。午前中に夫が他の先生に鍼灸治療してもらって楽になった、お前もしてもらえと公民館に来たと言う。奥さんは私が診ることになって鍼灸治療を始めました。鍼灸は初めてとのこと。膝を診たがこれといって大きい反応点がない。そしたら腰だと腰を診ると案の定反応点がある。そこに鍼を刺しお灸をしたのです。もちろん全身治療なので首や肩背部も鍼灸をしましたが、「痛い・熱い」と言われたのは1回だけでした。治療後その女性は「足が温かい、動かしやすくなった。今までとは違う。」と鍼灸治療の効果に驚いておられました。膝の治療は膝ばかりではないんですね、やっぱり根本は「腰」。それを再度実感した症例でした。鍼灸治療で日常生活が変わる・楽になる大変喜ばしいことです。
次回は10月26日に丹波市市島竹田地区に行きます。また興味深い症例があれば紹介します。