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車酔いにはこのツボを使おう
新年明けましておめでとうございます。今年も鍼灸うえだでおきたはり灸に関するブログを書いていきたいと思います。
私はお正月は京都に干支に因んだ神社・仏閣に初詣に行くと決めています。今年は八坂の庚申堂と新日吉神宮(いまひえじんぐう)に行ってきました。あんまり干支に因んで初詣に行かれる人は少ないようで八坂庚申堂は人通りが多いので大勢でしたが、新日吉神宮は人がまばらでした。平安神宮も行ったのですがいつもすごい人です。
私の初詣の件はこれくらいにして 年末に患者さんより「初詣の時車で行く。でも車酔いする、できたら薬は飲みたくない。どうかならないか」という相談を受けていました。いつもは車酔いしない人がするのは、全体的に体調が悪いか、胃の調子が悪いかだと思っています。その患者さんうちに来るまでは調子があんまりよくなかったけど週1ペースで来院させるようになってから体調はすこぶる良くなったと思っていたのですが、突然のカミングアウト。なんとかしてあげられないか?頭をグルグル回転させて・・・。そうだ!と思いついたのが円皮針。(皮膚に張り付けておく鍼なんです。先のオリンピックでも羽生くんが金メダル取ったとき胸に付けてたようで。なんでも羽生君は呼吸器系が弱くて付けていたとか)現在は便利になっていてセイリン製パイオネクスという製品名であります。これを車に乗る前に貼ってもらおう。ツボさえ教えておけばOKだし。ということで教えたツボが「内関」(ないかん・手関節掌側横紋上2寸)
年明けにその患者さん来院。「先生!車酔いしませんでした。良かったです。」と喜ばれました。良かった、よかった。実はその内関というツボを刺激すると車酔いや船酔い、変わったところでは妊婦さんの悪阻予防グッズとしてリストバンドにぽっち付けて売ってたりするんですよね。そうそう以前鍼灸師会で福井に旅行に行った時船釣り体験をしましたが、一発で船酔いして多分内関穴を刺激しても無理でしょうね。一応私は瀬戸内っ子ですから。日本海の荒波には弱い。このブログを読んでいる人で車酔いの人は試してみて下さい。
新年早々風邪をひきました。風邪の治療について
新年早々に風邪をひいてしまいました。新年明けるとすぐの日曜日には「臨床家育成会」という治せる鍼灸師を育成する会なのですが、それがあります。一応講師ということで教えているのですが、やはり技術を伝えることは難しいことです。日曜日だけではもったいなので前日より泊りがけで時間の許す限り鍼灸実技をしたり日常の問題に答えたりしています。多分お泊りグッズが少なくて寒かったのだと思います。日曜日の夕方より少しずつ悪寒を感じてきて・・・。
帰宅するとすぐさま下着に貼るカイロを張り付けて(身柱というツボ・腰部4・5腰椎辺り)寝込みました。寝たのが6時30分くらい、目が覚めたのが11時頃。起きた感じではこれでは風邪が治りそうにない、困った。まだ少し寒気がするし、喉も痛い。鍼をするしかないと判断した私は寝ている2階から1階へと移動。喉が痛いのは足の内果の下(照海穴)でいけるけど少しアレンジして内果の斜め後ろに鍼を刺すといきなりマシな感じ。あとは風邪気が取れるように膝の下(足三里穴付近)に鍼を刺す。一人で治療するのだから足か手か頭くらいしかありませんから・・・。翌朝起きてみるとまだ風邪は残っていましたがなんとか。実は1月11日(祝)は仕事だったのです。予約制なのでばっちり予約も入っていて。治療中は鼻水が少し出てきて・・。仕方ないので頭部に鍼して一応止めておこう。線香の煙の刺激で咳が出て「先生大丈夫?」お帰りの際には「お大事に~」と言われ何か変な気分。
薬は飲まずにどこまで鍼灸で試せるか今年も頑張ります。
鍼灸うえだの今年の成果について
一人で鍼灸院内で活動していると何かとマンネリ化するもの。また治療もワンパターンになりがちで一向に治療効果が上がらなくなる。昨年はどこかに講習会に出掛けて行って新しい発見を見つけてきました。代表的なものに頭皮針があります。
今年は講習会には参加せず、自分なりに勉強したり研究してみました。成果の代表例が「温陶灸器」です。今年の初めより八尾の陶芸家さんと一緒に簡便且つ効果のあるものを目指し1年がかりで使いやすい道具を作ることに成功しました。こちらの注文通りの試作品を作ってもらいそれを実際に使ってみて不具合を治しての繰り返しでした。使ってみると坐骨神経痛の患者さん、下半身が冷える患者さんには腰への温陶灸器がとても効果的です。またガスが多い人や身体自体疲れてる人には身柱に温陶器をすることで症状の緩和ができます。
もう一つは仙骨への鍼灸刺激です。腰痛や坐骨神経痛の患者さんの治療効果が悪い時に色々と調べてみると仙骨部に着目して探してみると効果的な治療点が見つかります。このおかげで腰痛患者さんの治療効果が上がりました。治療も楽になり助かっています。
ついでにもう一つというと 小児のイライラに百会穴への刺激。ブログでも書いていますが朝起きて暴れる小児に百会に小児はりをしたら次の日からピタッと治まりました。自分でもすげ~と思ってしまいました。これまたブログに書いていますが 夜尿症2回で完治(多分)。
患者さんを治療させてもらって色々なことがわかる・できるようになる。大変ありがたいことです。ブログを書きながら今年の印象に残ったことを思い出しています。来年もより一層患者さんが良くなるよう精進します。
まだまだあと二十日くらいあるので気を引き締めていきたいと思います。
今年最終までまた患者さん治療面白ネタがあればブログにアップします。
ものもらい(麦粒腫)を治す
今回のテーマは「ものもらい(麦粒腫)」です。私も小さい頃にはよくできていました。目の周りで炎症が起きて大変ですよね。一度成りかけると「あんまり触っちゃいけない」とか言われて、でもやっぱり気になって触るともっと炎症がキツくなったりしてよく怒られた記憶があります。鍼灸学校で経穴の授業で「ここにお灸するとものもらいは治る」と教えてもらい、こんなこと知っていたら昔苦労しなかったななんて思ったものです。そのここというツボは「温ル(大腸経)」のツボです。鍼灸学校の時分はものもらいはもうできなかったので使うことも少なかったです。大師はり灸療院では「手三里」これも大腸経ですが ここがよく効くと教えてもらいました。どっちでも効けばいいんですけど・・・。
先日肩こり患者さんが「昨日目に埃が入った、それから左目を開ける時違和感がある。」とのこと。左右の目を開けてもらい診てみると左目が充血している。患側左側の手三里の反応を見ると明らかに右の三里とは違う。取りあえず手三里にお灸を据える。次にベッドに寝かせたまま頭側から患者さんを診てみると左まぶたが腫れている感じ。患者さんにこのことを伝えると患者さんもそんな気がすると云う。左目周囲を触診していくと左目外方が張っている。そこで鍼を目の内側(晴明)、外側(瞳子リョウ)にする。といっても目の周りの皮膚は柔らかくまかり間違ってパンダさんになっても困るのでセイリン製のすごく細い鍼(J15タイプ03)で刺入。細いので鍼の痛みなど無し。少しの時間置針する。鍼を抜いた後、「左目の感じどう?」と訊くと「目を開けるのに違和感なし」ものもらいの治療はうまくいったかなという感じです。
今回はものもらい(麦粒腫)のなる前だったように思います。鍼灸の良いところは 「なる前でも治せるところ」最近よく聞く「未病を治す」ということ。結果 患者さんが良くなればいいんです。
はり灸は皮膚にアプローチするもの
鍼灸治療は鍼灸院の数だけ治療法が違うと云われます。同じ屋根の下、同じ流派で治療していたとしても同じことはできません。使うツボが微妙に違っていたり鍼の深さが違ったりで治療効果も違ってきますし、患者さんの受けた感じも異なります。なかなか奥が深いですね。
私はよく本屋さんに行きますが必ず東洋医学系の本が置いてあるところに行きます。どんな本が置いてあるのか、一般の方にどのようにはり灸を紹介しているのか興味があります。よくこの症状にはこのツボなんて本があります。私も読んでいて「こんなところが効くんだ~。」なんて読むこともしばしば。その一方で「本の通りツボを刺激したけど変化なかった!。」ということもよくきく話です。何が違うんだ!簡単にいうとそのツボが身体を変化させるスイッチになりうるかということ。押しても撫でても何も感じ無いようなツボはダメってことです。
私は20年以上大師流という治療法をしています。この治療こそ「はり灸は皮膚にアプローチするもの」といったものでしょう。鍼をする処は皮膚の過緊張部位、お灸する処は冷えのある処・湿った処。本当に気持ちの良い治療ができる、もちろん鍼刺激・灸刺激は患者さんにあった刺激ができないといけませんが・・・。
先日腰痛の患者さんが来院しました。いつもは三稜針(切る鍼で吸い玉)をしています。この日どうもいつもと皮膚の感じが違う。それもそのはず1週間前にも治療していました。でも今回は三稜針の皮膚ではない。患者さんに尋ねても三稜針は痛く感じるらしい。今日は毫鍼で挑戦とばかりに腰の治療を毫鍼にて治療しました。8割方良くなったかなと思い患者さんに痛みが出る動きをして改善をみてもらう。患者さんにみてもらう前私には気になるところがありました。それは腰のそこだけが湿っている感じ、すごく変な感じでした。今まで触診していても感じなかったのに・・・。案の定、患者さんは私が気になっているあたりの動きが悪い、痛みを感じると訴えました。もう一度うつむきに寝かせその部分にお灸。その患者いつもは皮膚が乾いているのでお灸はあまりしない。今日は特別だからお灸するとばかりに7壮ばかり据えたのでした。皮膚の湿りがなくなり気になる感じもなくなりもう一度身体を動かす再チャレンジ。すると全然痛くない、動きスムーズとのこと。今更ながらはり灸は皮膚にアプローチするものと実感したのでした。素直に触診して素直に感じ素直に考えることが大切と思った症例でした。