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鍼灸ってすごいなぁと実感(夜尿症編)

 「鍼灸ってすごいなぁ」と思う時がよくあります。鍼灸学校で はりやお灸の効果や作用について習うけどやっぱりすごい。
今回は「夜尿症にはやっぱりお灸」に続きまして 夜尿症がテーマです。

 これまた患者さんは小学3年生、女の子。やはり毎日するようです。来院時は鍼灸院が初めてで怖いのかオドオド。もう小学3年生なら治療の説明をして納得してもらってから治療に取り掛かる。やっぱり怖いようで小児鍼をするので「手を貸して。」と言っても手を出してくれない。先に付き添いのお母さんに鍼を受けてもらって痛くないことを確認してから始める。小児鍼は擦るような動きをしてあたかも撫でるような感じなので気持ちがいい。小児鍼はとりあえずクリア。次は棒灸。これもまたお母さんにモデルになってもらって熱くないことを証明。患者さんに棒灸して熱くなくここもクリア。無事終了。「どのくらいで良くなるでしょう?」とお母さん。「前に治療した子は2回で良くなったからうまくいけば早いかも・・・。」と言ったのですが。世の中そんなに甘くなかった。治療は1週間に1回のペースにしてあるので来院前に電話予約。「調子どうでした?」「今のところ変化ありません。明日行きます。」ガーン、そんなににうまく2匹目のドジョウはいないか。だいぶテンション下がる。
 
 再び来院。前回より少し慣れた感じではあったがまだオドオド。私は私で前回の治療を反省しつつ「何が違うんだ。」と考える。前回の治療で思ったこと「皮膚が乾いている」。皮膚の湿った処に火の気(お灸や棒灸)を持ってくるととても気持ちがいい。前回は初めてということと皮膚が乾き気味ということで刺激量が足りなかったのか、患者への観察が足りなかったか。今回は患者も少し慣れているのでじっくりと観察する。夜尿症の治療ポイント 仙骨部に軽く三稜鍼をする。その後に棒灸を加える。今回は身体の中に棒灸の熱がより入るよう工夫する。前回より少し手応えはあったような気はする。

 3回目 来院。今回は電話予約の時忙しかったので経過状況を聞けなかった。「こんにちは!」と来院。待合室に行くと私の目の前にニコニコした女の子。今日はすごく元気だ。「お母さん、今週はどうでした?」「してもらった日は自分で起きました。それと週のうち4回成功しました!。」と嬉しそうな声。アァ良かった。思わず「鍼灸ってすごいでしょ。ただ鍼を刺したり、身体にお灸で焼いたりするだけなのに効果あるでしょ。」と言っていました。
夜尿症が少し良くなって嬉しかったのと患者の女の子がすごく活き活きと元気な感じだったので、はり灸は「症状も改善できるけど人の気持ちそのものも変えられるもの。」と改めて感じました。夜尿症完治できるよう頑張ります。

鍼灸は効く?効かない?

 今回のテーマは「鍼灸は効く?効かない?」がテーマです。最近ショッキングな出来事?がありまして・・・。
初診の患者さんに「鍼灸って効くんですか?私は鍼灸院に通っていたけど鍼灸の効果が1日しか持ったことがない。」とカミングアウトされました。「エ~そうなんですか。鍼とかお灸とかしたら何日かは持ちますよ。」と応戦。私は基本的に鍼やお灸をすればそこそこ症状は良くなると信じています。それなのに「1日しか持たない~。」それって何よ。今日ははりきゅうのリベンジだ!。

 その患者さんは肩こり上級者、なかなかよく凝っておられました。結果的には「気持ちいい~!」という感じでその日の治療を終えました。次回 来院時には「三日はスッキリしていた。それから少しずつ凝ってきたけど前回の時よりはマシです。」取りあえずよっしゃ!3回目「1週間楽な感じがあった。これから年度初めなので毎週来なくてもいい気がする。」良かったです。一つは凝りが良くなって仕事がしやすくなって、一つは鍼灸は効かないという気持ちが払拭されて・・・。

 今回患者さんから「鍼灸は効かない」というカミングアウトでしたが、患者さん(鍼灸うえだが開院してからの患者さん)に尋ねてみると結構そう思っている人って多いことに気がつかされます。鍼灸うえだに来ること自体現状の治療に満足していなことですからね。少しでも患者さんの痛みをとれることが鍼灸やってて喜びであるし、また楽しみでもあります。多くの患者さんが良くなりますよう。また鍼灸うえだに行って「はり灸効かなかった。」と言われぬよう精進していこうと思います。明日から新年度 また頑張ります。

夏場は来なくていいけど冬場はしっかり来てね。

 今回のテーマは「夏場は来なくていいけど冬場はしっかり来てね」がテーマです。この言葉は実際に鍼灸うえだではよく言っている言葉です。誰も彼もではないけど該当する人にはしつこいくらいに言っています。
 その該当する人とは 大師流でいうところの三稜針体質の人、治療で刺絡する人です。大師はり灸療院にいた頃三稜針体質の人は冬場にはよく「肩凝る」とか「腰が痛い」とか頻繁に来院されるのに何故か夏場は少ない。大師流では刺絡をする人は三稜針(皮膚を切る鍼)で皮膚を切りその後吸玉をかける。すると明らかにドロッとした血液やドス黒い血液が出てきます。その後患者は症状が軽減し楽になります。もちろん患者さんの誰にでもできるわけではなく三稜針体質の皮膚の人にだけ有効です。その皮膚鑑別が重要となります。

 今年は3月になっても寒い日が続きましたが、中旬に鍼灸うえだの三稜針患者が来院。いつも月一で肩こりの治療をしている。ついでに頸椎症で右手の指先まで痺れがありこれについては毎回色々と痺れがマシになるよう試させていただいているところ。2月には調子がいいので初めて一か月飛ばして隔月治療をすると決めたばかりのところに急遽治療の予約が入った。「調子良かったのに年に一回の仕事をしたら無茶苦茶肩凝った、右の薬指・小指まで痛い。どうかして~」とのこと。治療は勿論刺絡です。右の肩から肩関節、前腕に加え手の甲 薬指・小指まで痛い。反応点を探しながら治療していく。肩がマシになり肩関節がマシになりだんだんと患者さんの「痛い」が減っていく。どこも三稜針で皮膚を切りながら吸玉をしながらドス黒い血液を抜くと痛みが減っていく。今回は薬指・小指まで痛みがあったので手の甲まで刺絡しました。最終的には「良くなった。」ということで治療を終了したのでした。

 この三稜針体質、刺絡をする人は吸玉をした時にドロッとした血液が出ることが多いです。身体の末端にこんな血液があればそれは痛みも出るでしょうって感じです。冬は夏より血液循環が悪くなる季節、三稜針体質の人には身体の故障が多く出てきます。逆に夏は血液循環も良く(勿論クーラーばかりではそうなりませんが・。)身体の不調も少ないようです。
 だから三稜針体質の人には「夏場は来なくてもいいから、冬にはしっかり治療に来てね。」と言います。
心当たりのある方は気をつけて下さいね。

効くと聴けば試してみよう

 今回のテーマは「効くと聴けば試してみよう」がテーマです。人の身体とは面白いもので思ってもない処のツボで良くなったりするものです。私は友人達とフェイスブックをしています。私はあんまり投稿しませんのでもっぱら友人の近況を見ることが多いです。友達といってもやはり業界人(私では鍼灸関係)が多くなりますよね。その友人達が色々な記事や投稿をみて「いいね」をする。そんな情報も入ってきます。

 先日、気になる記事がありました。足底(あしのうら)のちょうど足の指の付け根が痛い時は「承山」穴と出ていました。ちょうど足の小指の付け根が痛いという患者さんがいたので試してみました。「アッ 先生マシになってる」と云われてちょっと鼻高々。
もう一人患者さん。右の足の裏の第2指の付け根が歩く時痛い。本人は魚の目だと思って自分で色々するけど一向に良くならない。右の足裏が痛いのでつい歩き方も悪くなり腰の調子も悪いのだという。先日「承山」穴でうまくいったので今度もやってみよう。治療してすぐは「少しマシ」だったけど次回来院時には「もう全然痛くない」とすごく喜ばれました。ただ「何か硬い感じ」と言われたので「実はそこに(足裏)お灸するといいんですよ。でも足の裏って皮が分厚くなっているし感じにくいです。手っ取り早いやり方はそのに線香でちょんちょんと鳥がついばむ感じで当てていけばうまくいきます。熱くなるまでね。」終わってみるとスッキリしたようです。

 鍼灸というのは奥深く臨床経験が多くともわからないこともたくさんあります。でも患者さんを治すのがお仕事なのでどうすればよくなるか実際に臨床ですること、あとは先人の書かれた本を読んでそれをヒントに治療していくことが大事です。

 ずっと来院していただいている患者さんのお孫さん、リウマチだということ。鍼灸うえだに治療に来たいとのことで「ではメモを持ってきてください。」実はお孫さん 鍼灸師なんです。そこで初診の前にリウマチに効くツボを教えて(一緒にこの本の何処に書いてあると確認)、あとで自分で治療してもらう。私もその患者さんも勉強になるのでそんなことをしています。
効くところは触り、反応があれば治療する。そんなことを日々繰り返しています。

またまた逆子治療うまくいきました。

 随分と妊婦さんの治療はなかったのですが、先日「逆子をお灸で治してください」と依頼を受けました。久々の治療なのでどうかなと思っていましたが、うまくいきました。

 妊婦さんは8ヶ月目。今回2人目の妊娠で逆子。病院の先生は「もう少ししたら逆子体操しようか。」という感じだそうで妊婦さんの方が「逆子は嫌だ。帝王切開するのもイヤ。」って感じで病院近くの鍼灸院を検索すると鍼灸うえだがヒット。私としては逆子治療が初めてでないので嫌ではないのですが、お母さんの治療成功の期待感が半端ない。今までの治療では比較的1回で治るというケースが多いのでまあいけるかなという感じでした。
 今までの臨床経験に加え今回は大きな味方が・・・。毎年年末にはまた1年治療する中でわからないことも多々あり勉強する為に本を買うんです。今回買った本は鍼灸界の大御所 首藤傳明先生の「首藤傳明症例集」。私の治療法とは全く違うものですが勉強になります。特に逆子については詳しく書いてある。私が使わないツボ「三陰交」で逆子が治るとある。触診の仕方もあり実に本に書いてある通りで今回の治療は結果を見ずとも多分大丈夫だろうと思った逆子治療でした。

 私の妊婦さんの治療はほぼ決まっていて まず鍼は刺さない お灸をする その後棒灸を加える という感じです。逆子治療においては 反応点の鍉鍼で刺激します。鍉鍼が終わればお灸です。背腰部に棒灸をします。腰部特に仙骨部の棒灸が大切です。腰部・仙骨部のお灸や棒灸で赤ちゃんがすごく動き始めます。その後足の至陰穴にお灸をします。(反応があった方だけ)。今回 三陰交穴も入れましたが、至陰穴で反応があった方に三陰交穴でも反応があり妊婦さん自身も同じ押さえ方をしても左右の痛み方が違うと言っていました。そして三陰交穴にもお灸しました。その後お母さんが「蹴られているところが違う気がする。」って感じになったのですが、検診でハッキリとさせようということになり・・。結果 バッチリ逆子が治っていました。すごく期待されているのでその分緊張感。うまくいって良かったです。またやっぱり勉強しておくといざという時は助かると思った症例でした。