咳は風邪からとは限らない

今回のテーマは「咳」です。咳というと思い浮かべるのが「風邪」ですが、風邪じゃなくとも咳がたくさん出ることだってあるんです。小児ぜんそくとも違うんです。

7月12日、この日は二か月に一度行われる臨床家育成会の日でした。臨床家育成会というのは読んで字のごとく鍼灸師を育成する講習会、鍼灸師になるべく国家試験は合格するものの いざ臨床で患者さん相手に施術となるとそううまくいかない。そんなことが無いよう実技重視の講習会なんです。
今回のテーマは「刺絡」三稜針という鍼を使って患者さんを施術していく。ホームページを見ていただくとわかりますが、三稜針で皮膚を切った後、吸玉をしていく治療なんです。午前中 刺絡の座学を行った後、午後からは実技開始。今回は森ノ宮医療大学の1年生が見学に4名。そのうちの2名が鍼灸の実技のモデルになってくれました。私のモデル患者の彼、症状は「咳」。もう2ヶ月もでてるらしい。あまりにも治らなくてお医者さんに行って薬を飲んでいるけど一向に変化なし。この「咳」どうかしてください!というのが主訴。問診しているとすぐにピンときました。「腹からくる咳」だと。
この「腹からくる咳」には特徴があります。まず本人の風邪の自覚なし。咳は出始めると比較的続けて出ます。続けて出てむせるくらい出ます、キツイ時は胃の内容物をもどします。これらを患者さんに尋ね該当しているとビンゴです。今回もこれらの質問をしましたがすべてビンゴでした。

「腹からの咳」といっているように胃腸の治療が主体です。間違っても風邪の治療では治りません。
一番わかり易いのは仰向けに寝かせてお腹を診る。大師流でいう腹部打診をすると大抵鳩尾(みぞおち)付近でポンポンとガスの音がする。このガスを下方にもってくると咳は治まってきます。
この患者さんは咳の症状がきつく下向きに寝るだけでも咳が酷くなる。仕方がないので取りあえず足三里と、上巨虚穴に鍼をします。この足の三里は胃に上巨虚は腸に効きます。この患者さんは三稜針が合う身体なので三稜針でポンポンとツボを叩くとそれだけで咳が減り「楽~」て感じ。それでもって下向きに寝てもらったけど咳は出ず。それから胃の治療、腸の治療でツボに三稜針をポンポンと打つがどれも気持ちいい~。もう一度上向きになり腹部打診をするが鳩尾のガスは下がっている。
患者さん「もっと早く鍼灸すれば良かった」と大感動。いい講習会のモデルでした。今回の三稜針は鍼の先を丸めてあるので皮膚を切ることなくもちろん出血も見ない。ものの15分くらいの出来事でした。

お題の通り「咳は風邪からとは限らない」ということです。これから足元がクーラーなどで冷える季節、お腹のガスは鳩尾に集まりがちです。足元は温かくしてください。
ブログ「体調が悪いのはガスのせい」も一緒に読むとよりガスの事がわかり奥が深まりますよ。

顔面の症状には首の治療が大事

今回のテーマは「顔面の症状」です。顔面の症状?何それって感じですが、私の言う顔面の症状は鼻・耳・目・口の症状です。例えば鼻炎であったり、目がショボショボしたり、耳鳴りがしたり、歯茎が浮いたりといった諸症状のこと。今までの臨床経験上ポイントは首のコリです。症状によって首でもこる位置が微妙に違うのですが大まかにいえば首のコリです。首のコリがとれれば気になっている愁訴はとれます。顔面の症状はその人の一番弱いところ、それは鼻であったり、耳であったりします。多分凝ってくるとこんな症状が出るってだいたい決まっていますから。

前の職場で私がずっと診ている患者さんがいました。その患者さんは「いつも首が気になる」とか「首のここに大きいやいとしてください」とか首に関してよく訴えていました。(その処はア門穴)その頃駆け出しのころで首を触っても何にもわからずただ患者さんの言われるがままにしていましたが、患者さんの言う通りにすると満足されるのでした。だんだんと言われるがままというのも嫌になり自分でどこが悪いか見つけてやろうと思い色々と触るとその患者さん、そこは目に効くとかそこは鼻にくっついている何かが取れる感じとか色々と感じたままに言ってくれるんです。その時に思ったのは「首は顔面の症状と関係がある」ということでした。その患者さんにはそういう面で色々と教えていただき良い勉強ができました。それから色々な患者さんを治療する際「先生、なんでこんな風になるんですか?」と問われることも多いですがその時の経験で「首のコリです。首のコリが取れたら症状も取れますよ。」とハッキリと言うことができます。

そうそう首のコリですが、その患者さんその頃で60歳は越えていたと思うのですが、白髪の女性の方でした。1週間に1回私が治療していました。前述している通り首をしっかり治療している(他の処もしっかりとしていますが・・)と首のところから後頭部にかけてだんだんと白髪から黒髪に変化していきました。患者さんがびっくりされていたことが思い出されます。
ついでながら首の治療を行うと「小顔効果」も期待できます。首の付け根(上天柱穴・後頭部あたり)が凝って血液循環がわるくなると顔のむくみがでてきます。首のコリをとると血液循環がよくなりむくみが無くなるつまり小顔。もちろん首のコリをとると各症状が改善できる。まさに一石二鳥です。鍼灸うえだでは 美容針はしませんが、首のコリをとることは治療上しているので「小顔」にもなれると思います。

顔面の症状 色々ありますが もしかしたら首のコリが原因かもしれませんよ。

「健全な肉体に健全な精神は宿る」という言葉

「健全な肉体に健全な精神は宿る」という言葉を私は大切にしています。この言葉、鍼灸学校1年の時に衛生学で習った言葉。授業の時は ヘェ~そうなんだ くらいしか思っていなかったけど鍼灸の臨床をしているとこの言葉の意味が分かってきます。病んでいる患者さんがだんだんと良くなっていくと考えも前向きになりやる気も出てくる。連鎖反応で身体の方ももっと良くなって来て・・・と良い循環ができてきて心も身体も良くなってくる。やっぱり心と身体は切り離せないものなんですね。病は色々あります。治し方も色々です。我々鍼灸師ができることは身体を治すこと、でもただ身体を治すのではなく、身体を治すことによって精神(心)も治すことができるのです。私はこの「健全な肉体に健全な精神は宿る」という言葉を支えに患者さんを治療することはよくあります。

うつ病やパニック障害の患者さんにはこの言葉を伝えます。健全な肉体になることが症状を治すことだと伝えます。
現在うつ病の患者さんが来院されていますが鍼灸治療を始めてだんだんと日常生活に変化が現れたようです。何もできずに一日過ごされていた毎日に少しずつ何かやれる、やりたくなるようになるみたいです。

そうそう以前お母さんが自分の子供をタンスに押し込めて子供が亡くなったという事件の報道を見ました。親が自分の子をタンスに押し込めるなんて・・ありえない と思っていましたが、考え方を変えて もしお母さんが疲れていたら?おかあさんが体調が悪かったら? やはり健全な精神ではいられなかったのではと思ってしまいます。誰も知り合いの無い都会でずっと赤ちゃんと一緒。赤ちゃんはお腹が空いたで泣くし おむつが汚れたで泣くし、お母さんも疲労でまともな精神状態ではなかったのかも。

身体を治すのが私の仕事、「健全な肉体に健全な精神は宿る」と信じて治療します。
今回は日常的に患者さんに言っている言葉を取り上げてみました。

ピンチはチャンス2(鍼灸うえだの場合)

ピンチはチャンスの第2弾です。ということはまた調子が悪くなってしまいました。今回は足の痛みです。よくこのブログで「足の痛みは腰から」とよく書いていますがこれは実体験なんです。何にもしていないのに痛むって・・・。多分どっか悪いから。年に1~2回こんなことがあるんです。前の時は膝痛でした。日曜日(6/21)朝起きて何ともなかったのに2度寝して起きたら足の甲が痛んで普通に歩けない。ショック!!今日は野球観戦する予定だったのに、歩けない。現在火曜日(6/23)そこそこ歩けるようになりました、まだ足を引きずっているけど。痛みはほぼありません。
では治療の顛末を・・・。
右の足の甲が痛い。坐骨神経痛の人はこんなに痛いのかと感じつつ鍼灸師として何か手を打たなければと考えました。原因は何?冷えか?そういえば昨日は朝治療院でコーヒー作っててこぼして靴下が濡れたので一日中裸足、これが原因か。左右の足の甲を触ると悪い方の右側はやはり冷えてる気がする。と言ってもお灸は持ち合わせがない、触診してここぞというところに鍼をする。何となくマシな気分。これで良くなればラッキー、野球観戦もいける。少しマシになった感じだったので歩いてみると鍼をする前より痛い。これは困った、お灸はないので取りあえずお風呂で温まろう。少しお湯の温度を高めにしてひたすら温まる。入浴中は暇なので痛い処を軽くマッサージしてみよう。これでマシになるかなと風呂から出たが劇的な変化は無し。この時点で野球観戦を断念・・・。残念・・・。では直接ドライヤーで温めてみよう。時代劇を観ながらドライヤーで温めてみる、でもあんまり変わらない。日曜日はもう何もせず足を使わずふて寝。
月曜日(6/22)雨が降っていたら電車通勤になるので最悪でしたが何とか曇り、自転車で通勤できる分、足に負担がかからずなんとか治療院へ。どうして治そうかと考えるが自分の手の届く範囲しか鍼が使えないので頭か足くらいしか鍼する処がない。取りあえず頭に鍼。今回はYNSAではなく「頭鍼臨床解剖マップ」という本を参考にしてみた。頭に鍼を1本、昨日の足の甲に直接刺すのとは明らかに違う。何となく痛みが軽い。これはいけそう。たまに「ここに鍼を打ったら」と降りてくるんです。今回は「懸鐘」というツボ。普段はあんまり使わないツボなので「ツボ単」でお勉強してしっかり狙って打つとまたまた痛みがマシ、右足に力を入れてもだんだんと痛みが無くなってきた感じ。10分くらい鍼を刺したままの状態で置いておくことに。鍼を抜いた後は足の甲の痛みが3割ほどになりました。朝一なら歩くたびに「ウッ」と声が出ていましたがそんなこともなくその後患者さんが来られても痛んでるのがわからないくらいでしたのでうまく治療できました。月曜日の朝の治療(頭と懸鐘穴)が良かったと思います。
今回は坐骨神経痛の痛みが少しわかったことと今まで使ったツボ以外ですごく効果的なツボがあることがわかりました。もっと勉強せねば感じた症例です。

はり灸のせいであわやケンカに・・。

今回のテーマは「はり灸のせいであわやケンカに・・・。」どういうこと?

月曜日の朝一番、いつもは元気よく来院される60歳過ぎの女性、その日も元気のいい声を期待していましたが、予想はずれのしんみりした声で「おはようございます。」「今日は元気ないですね、どうかされました?」「実は昨日庭でこけたんです。顔とか足とかえらい打って・・・。」身体のあちこちを打ってはります。顔、左腕、左手首 左膝、左の足の指など触診すると腫れてる~。整形外科に行ってレントゲン撮ったけど骨は折れてなかったそうです。それは良かった。まず説明から・・・。「はり灸は打撲などにもよく効くんです、もちろん普段の肩こりなどの治療もしますが、今日は打撲の治療も一緒に治療した方が良いです。打撲や打ち身は早く治療するほどいいんですよ。」と、まずは患者さんの了解をもらいます。(打撲の治療をしてもしなくても料金は一緒です)その後どのように治療するか説明。普段と違う鍼を使うから。治療を始めてびっくりしても困るので。「打撲の衝撃を受けた箇所に三稜針という鍼を使い皮膚を切ります。切った皮膚の処に吸い玉をかけてうっ血した血液を取り除きます。そうすると早く打撲が良くなります。皮膚を切りますがこの鍼が合う皮膚は痛くありません。鍼が痛ければ痛いと言ってくださいね。」と説明。

治療に取り掛かりまずは頸椎部と胸椎部。やはり衝撃を受けてるよう。触診してココという処に三稜針。患者さんは「痛い」とも言わない。吸い玉にはみるみるうっ血した黒い血が溜まっていく。すると「肩の辺りのしんどい感じが楽になった。」と患者の声。こけた際左手首で身体を支えたようで小指側手首が腫れている、でも三稜針を打つほどでもないので 鍼灸うえだの必殺技 セイリン製ディスポ鍼J15タイプ03 (多分日本で一番細い鍼です) で手指末端は鍼をする。鍼を打つ方も打たれる方もお互いにストレスがないので末端はこの鍼に限る。今回は手首に03を打つ。鍼には清熱をとるという特徴があるので腫れた部位の反応点に鍼を刺しておけば腫れはひいていくという仕組みだ。狙い通り手首の腫れも少しひいた。今度はベッドでお顔の腫れに向けて03の鍼をする。私は最近流行の美容鍼というのには全然興味がない。顔に鍼を打ったら小顔になるのは当たり前、痛い、辛いといった症状がないのに鍼をすることには抵抗を感じるので当院には美容鍼といった項目はない。話が逸れたが、今回は顔面を打っているのでちゃんと鍼をするポイントがある。そこに03の鍼をすればこれまた腫れがひいていく。あと左足親指の処も打ったよう、ここも03の鍼で対応する。おもしろいように腫れがひいていく。腰にも三稜針を打ったがこれはもう割愛する。

打撲・打ち身の衝撃部位には三稜針が有効、末端などには鍼を置針しておけば腫れも引いてくる。最近は打撲の患者さん増えたなあ。
この患者さんこの月曜日の治療後3時間くらいよく寝たそうです。それから打撲部位が嘘のように痛くなくなってききたそうです。こけた当日すごく痛がっていて、翌日はり灸治療して身体が良くなって。ご主人から「オーバーに痛い、痛いって言ってそんなに痛なかったんとちゃうか?」とはり灸で打撲が良くなってあわやケンカ寸前までいったそうです。ちなみに打撲の治療は2回で終了しました。早めの治療で良かったです。 

子どもは賢い

「子どもは賢い」なんて変なテーマですが今回は小児はりで・・・。
私は小児はりで来院したパパやママに「子どもは賢いよ」って言うんです。まあ、実際賢いですし・・。

事例を挙げていきましょう。大師流小児はりを勉強した人は一度は聞いたことのある言葉「子どもを泣かさない。」子どもを泣かしてしますと治療者の思うように治療ができません。子どもは身体を動かしたりママにしがみついたりと治療したいところをうまくさせてくれません。また子どもが泣くと治療している小児はりが痛い?なんてパパが思ったりして、あまりいい印象はありません。大師流小児はりって皮膚をさするような治療なので全然痛くないのに・・・。うまく治療できない、親の心証悪い、こりゃ泣かさないに越したことない。
でもね、子どもって泣くのよね、特に初めての治療院。何されるかわかんないのにいきなり服脱がされたりしたら・・「病院?注射?イヤだ。」て当たり前でしょ。でも努力している治療院は多くて 白衣着ない 子どもが落ち着くまで待っている メガネをはずす 男の人は子どもが苦手なので女性の先生が治療する などなど。鍼灸うえだはスタッフは男性だけだし、子どもが落ち着くまで待ってられないし そんな手は使えない。
 そこで裏ワザ紹介、それは保護者の説得。(これも勉強しましたね)「子どもは賢いよ、今日は泣いているけど2~3回で泣かなくなるから。」
実際、子どもはだんだんと泣かなくなります。最初は泣くけど。多分子どもは子どもなりの分別があるのだと思います。白衣を着ていても病院と治療院(鍼灸院)の区別はつきます。予防接種のあとに鍼灸院に来ても泣いたりしません。ここは鍼をされるところ、気持ちいい処と認識されると大丈夫です。

鍼灸うえだの患者さん 下の子が生まれたおねえちゃん、かんむしになってしまいました。夜に大声を出す(夜驚症)、イライラして人に攻撃的なる(特に自分より弱いものに攻撃的になるので今回は赤ちゃん)といった具合。「小児はりお願いします!」とおかあさん。「わぁーん」とおねえちゃん。いきなりか。これはあやしてももう無理。裏ワザを使おう。でもしっかりと症状の改善がないと次回の来院はないのでポイントは外さずに治療。「今日は泣いたけど、みんな泣かなくなるよ。」小児はりが終るまで泣いていたけど服を着たらご機嫌さん。帰りにはバイバイしてくれました。もちろん続けて来院していただき夜の雄叫びはなくなりました。赤ちゃんにもやさしくなりました。小児はりをする時「おてて貸して」ていうとちゃんと手を差し出してくれます。子どもはここは気持ちいい処なんだと思ってくれているのだと思います。やっぱ子どもは賢い!

少しでも小児はりの良さをわかってもらい、子どもは元気になり、パパとママは育児が少しでも楽になって笑顔が増えることを願っています。

打撲・打ち身に鍼灸は効く(交通事故編)

鍼灸が打撲や打ち身によく効くということはあまり知られていません。でも患者さんが自転車で転んだり、部屋のどこかで足をぶつけたりということは日常的にあることです。それも早く治療すれば早く良くなるのであれば「さっき転んじゃった。」という患者さんの声に耳を傾け治療すればすぐに楽になります。これぞ治療者冥利に尽きると思うのですが・・・・。

今回は「交通事故」です。その患者さんは坐骨神経痛、その治療で月2回程度来院されています。主訴は坐骨神経痛でも そこは鍼灸うえだ 身体全身を診ないといけません。まずは椅子に座って肩、首、両手から。「今回、右手よく使いました?なんか普段と違いますよ。」と声をかけると「別にいつもと一緒かな・・・・。アッ車が小さくなったから使い勝手が悪かったかな。」「なんで車が小さくなったんです?」「実はね、交通事故したの。」「されたんじゃなくてしたの?」「そう雨降ってて左折してる最中、自転車に乗った学生が赤信号を渡ってて、急に止まったけどぶつかった。そういえばそれから何となく肩が凝ったような感じ。これって交通事故のせい!!」「多分・・・。」
会話調で状況を説明しましたけどお分かりいただけましたか。
ポイントは患者さん本人交通事故の後遺症とは気づかなかったこと。まさか加害者側が交通事故のダメージ(打ち身)になるとは思わなかったこと。身体にかかる負担・衝撃はスピードや事故の程度で決まるものではないこと。本人曰く「そんなに大したことなかったのに・・・・。」ちなみに今回の事故は自転車と車の接触ですが修理見積もりは30万円だそうです。でも学生さんは自転車乗っててこけただけのよう。大事故でなくてよかったです。

治療の話へ。右肩から腕にかけてなにやら突っ張る感じ、「普段こんなことないのに」と思って尋ねると交通事故という話。被害者だろうと加害者だろうと関係ありません。身体がおかしければ治すのみ。どこかに事故の衝撃があるはず。やっぱりありました。胸椎2番の右際に。そこに三稜針と吸い玉をします。私なりの刺絡があっているかどうかの確認法、吸い玉に吸い上げられた血液 やっぱり普通のサラサラ血液ではない(ドロッとした固まる血液)であれば当たり。あと皮膚を切った時患者が「痛い!」って言うか言わないかがポイント。治療後は肩がスッキリと患者さんは喜んでおられました。あと頚椎・腰椎のむち打ち好発部位も確認しておきました。

交通事故も頸椎捻挫・腰椎捻挫という症状名がつきます。鍼灸それも刺絡がよく効くケースが多いです。文中にも書きましたが、症状は事故の程度やスピードによって比例しません。その状況に応じて考えていくことが大切です。ピンチはチャンスで「身体は丈夫だ」と豪語している私ですが、ただ交通事故だけは多くて(人身事故はありません)車を3台ほど大破しました。交通事故後遺症、いわゆるむち打ちに関しては身体がわかっているつもりです。くれぐれも交通事故には気をつけましょう。

鍼灸うえだでは「ちょっと遅れます!」「交通事故だけは気をつけて来てください。」と応対しています。

花粉症のツボここかな。

今年の春は「花粉症」のツボを探すことがテーマでした。自分に(ブログ:ピンチはチャンス編)または患者さんの協力のもと一応 ツボを発見しました。ツボの条件としては自分一人でツボを押さえられる、つまり治療らしきことができるのが条件です。だって花粉症はいつ来るかわからないし、誰かが傍にいるとは限らないので一人でできるという条件が要るのです。
鼻の中全体が楽になる というのが頭の処。ツボ名など言っても一般の人はわからないのでわかりやすく・・・。
まず両耳の裏を前につまり二つ折にします。その左右の耳の上の尖った処から線を頭上で交わらせます・その線と身体の真ん中の線(正中線)の交点が「百会ひゃくえ」というツボです。頭痛・逆上せ・痔などに効果があると言われているツボです。そこではなく百会から指の幅一つ分前の正中線にすっごく痛い処があります。ここを刺激すると鼻の中全体が鼻炎の時にスッとします。私の場合は風邪をひいた時 そこに鍼をすると鼻の中の違和感がとれてスッとしました。一度試してみて下さい。

あと気になるのが鼻水。気が付けばタラーリと落ちそうになる。あんまりカッコいい姿ではないので鼻水が止まるといい。定番は小鼻の処。鼻水が出る方がちょっと痛いか硬いか。そこを刺激すると一時的に鼻水は止まります。あんまりきつく押さえたりすると鼻の処なので目立っちゃいます。軽めに押さえて下さい。
別のツボで鼻水押さえるとしたら手首。親指からの線とと手首の線の交点。この辺りを押さえるとここもまた一時的に鼻水が止まります。ここも試してください。ここは鍼灸学校時代 友人と発見しました。もう20年以上前のことですが・・。

患者さんも花粉症とはだんだん言わなくなる時期、今回発見したツボもお蔵入り。
でも花粉症の方ちょっと覚えておいてくださいね。

アトピーは鍼灸で治そう

今回のテーマは「アトピー性皮膚炎」です。今や三人に一人はアトピーと言われる時代。我が家にも三人ほどお子さんがいますがやはり一人はアトピー性皮膚炎でした。やはり統計は当たるのね。
現在 その子は大学を卒業し新社会人で頑張っていますが、アトピー性皮膚炎の症状を見たときは衝撃的でした。生まれて1か月お宮参りの頃アトピーが出てきて身体もお顔も皮膚はズルズル。症状は知っていたものの実際に見ると結構キツイ。親としてはそんな顔や身体の症状 ズルズル状態を写真に残すのが嫌なので1年間写真なし。鍼灸師なら症状を残しておいたら良かったと後から奥さんに怒られましたけど。男親としては娘のそんな姿いらない!!
アレルゲンは鶏肉・卵でした。面白いように奥さんが食べてお乳を与えるとみるみるうちに症状が出てくる。すっごい反応するなという感じでした。なるだけアレルゲンを母親が摂らないようにして症状が出ないよう気をつけました。また、その頃は鍼灸師として駆け出しだったので義父(谷岡賢徳先生)に毎日のように小児はりをしてもらいました。その甲斐あって1歳過ぎにはアトピーの症状は出なくなり、もちろんアレルゲンの鶏肉・卵を本人が食べても大丈夫です。その様子を1年強観てきたので「アトピー性皮膚炎は治る」と声を大にして言いたいです。

ただ本人は勿論両親や治療者も覚悟が要ります。アトピーはすぐに治るものではないので根気よく小児はりを行うこと。症状によっては年単位の話になるので気が遠くなるかもしれません。だけどあきらめたら終わりです。アトピー性皮膚炎を治すことは体質改善です。長い目で見ていきましょう。それだけではなかなかご両親も小児はりに連れてきにくいものです。ですから子どもの今の症状をとることを目的とします。大きい目ではアトピーを小さい目では今現状のかんむし症状を(アトピーの場合痒みがあるため、夜あんまり寝ないとか機嫌が悪いとかよく泣くとか)とっていくのです。そうするとご両親は日々の育児が楽になりますし、長期的に小児はりに通うことがアトピーへの体質改善につながります。まずは小児はりがアトピーに効くと思うことです。その点私は娘が治ったこともあり絶大な信頼を小児はりに持っています。

今まで小児はりで子どもの身体を診てきましたが アトピー性皮膚炎の場合は多くはお腹のガスが関係していると思います。ガスが溜まることは胃や腸が働きが鈍るということ、胃腸系を整えていくとアトピーの症状はマシなように思います。逆にいうとアトピーの症状がキツイ時は大抵ガスが溜まっています。アトピーで調子が悪い子どもは大抵お腹がパンパン状態でした。最近「免疫系は腸だ」なんてよく聞きますけどその通りだと思います。

子どもの調子が悪いとお母さんも・・と家族で連鎖していきます。また良い身体の状態でないと良い思考は生まれません。つい良くないことを考えたりして。それは不幸だと思います。身体が良くなることが家族みんなが幸せになる第一歩だと思います。

ピンチはチャンス(鍼灸うえだの場合)

ピンチはチャンスなんてよくきく言葉です。私のような鍼灸師に言わすと「体調が悪くなったときこそ人体実験して良く効くツボを探すぞ!」ということなんです。そんな時じゃないとツボって探せないですしね。
実は私はあまり「肩凝った~。」などとは思わない、肩こりというものをよく知らない。衝撃発言!!大学時代ワンダーフォーゲル部だったので重たいキスリング(今でいうザック)を先輩に持たさせてよく山に登りました。1回生の山登り多分1回目か2回目の時に肩が痛くなり「これが肩こりなんだ」と実感したことを覚えています。銭湯の10円マッサージ器に座って思いっきり揉んだらすぐ治りました。じゃあ、違うのかな。
睡眠は布団に入ると30秒で熟睡です。だから不眠って何?1年に1度か2度寝れない日が・・・。これが不眠なのか。患者さんと話をしていて不眠の話になって「私もあります。年に1回か2回だけど・・。」と威張っていったら「そんなのは不眠と言わないの!」と一喝されました。ということで最近はこんな身体・こんな体質に生んでくれた両親に感謝しています。体調がすごく悪くならないので治療することもないです。だから体調が悪くなったらチャンス。どこに鍼をしたら体調が変わるのか人体実験、ワクワクする~。

ということで人体実験のお話です。このところ気温が一定でありませんよね。風邪をひきました。♪私風邪をひいちゃいました♪(一応流行りものを入れておきました)喉が痛い、鼻水が出る、熱があるが大きな症状でしょうか。自分でできること、やはり制限があります。背中は鍼が打てないし鍼するところが限られる。熱の治療は背中でするか、指の爪の近くを使うかなのですが、背中はできない。爪の近くは鍼を片手で持つことになりこれまた難しい。熱の治療はお見送り。鼻水と喉に絞ってツボ探し。そうだ、鼻水は花粉症治療になるから頑張って見つけないと・・。
ということで鼻水のツボ見つけました。鼻の中が気持ち悪い感じが取れるツボと鼻水がでなくなるツボかな。現在このツボで鼻水が止まるのか臨床実験中です。うまくいけばブログで公開します。乞うご期待。喉はうまくいきませんでした。

そうそう我が家は鍼灸一家なので基本、最低限しか飲みません。先日こんなことがありました。長女も4月から社会人。4月1日から入社式、研修へと。入社式が品川で荷物少ない方がいいとなるべく荷物は少なめに、もう温かくなるだろうと冬物はなし。しかし研修は長野県へ、周りを見れば雪が残ってる。そりゃ風邪ひきますよね。「研修期間が長いので常備薬を持参してもいいですよ」という会社の配慮でしたが「うちは薬を普段飲まないから、せんねん灸でも持って行け。」と持たせました。入社2日目に風邪ひいた~とSOSの電話。薬があるわけでもなく「じゃこのツボとこのツボにお灸だ」と電話越しにお灸指導。なんとか治ったようです。さすが鍼灸師の娘と感心しました。