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手根管症候群は鍼灸で治る

今回のテーマは「手根管症候群」です。
手根管症候群といえばなってしまったら、もう手術しかないと考えてしまいます。実際、私も手根管症候群なんて鍼灸では治せないものだと思っていました。今まで鍼灸をしている中 手根管症候群で手術された方を何人も見ています。その方たちも予後は大変らしいとの話も聞きます。

昨年はずっと「手の痛み」について研究していましたが、それによって手根管症候群も治るのではないかとという風に思うようになりました。手の痛みが治るのです。勿論 鍼灸治療によってです。そうなると何故手根管症候群になるのかという疑問が湧いてきます。ざっくばらんに言うと「使い過ぎ」ということになります。昨今は忙しく手をよく使うなんて日常茶飯事のこと。そしたら日本人みんな手根管症候群にならないといけません。でもそうでないとしたら何か理由があるのでしょう。わかりやすく言うと、それは手 特に手首辺りに関係する場所に疲れが溜まりきっていてそれが手首を腫らし手根管症候群の症状を出しているということです。

現在 鍼灸うえだでは手根管症候群と診断された方が3名来院されています。治療後は症状も軽減されています。現状完治には至っていませんが3名とも改善がありますので鍼灸治療は期待が持てると思います。

今回のブログは今までと違って一連の患者さんストーリー(実際の話)ではなく「できる」とだけ紹介していますが長期の研究の成果なのでツボ名や身体のどこであるかということは伏せさせていただきます。

身体にはツボとは違ったそこに対応する場所が存在するように思われます。最近はそれを使うといとも簡単に患者さんの痛み、可動域など解消できるようになりました。もう少し研究していきます。

変形性膝関節症に鍼灸を。

 今回のテーマは「変形性膝関節症」です。膝の悪い人って意外と多いんです。ここ最近は患者さんが「膝痛い」とかいわれるんですが、腰の治療をすると改善するケースが多く何事も腰だなと思っていた矢先、変形性膝関節症の患者さんが来院されました。以前はよく治療していましたが、最近めっきりと減っていたので半分ドキドキものでした。

 49歳、女性。半年前から右膝に鈍痛が出てきた。2ヵ月前より刺すような痛みに変わってきた。1時間くらい歩くと痛む。右膝が曲げられない、と症状。膝自身も腫れており明らかに腰だけの治療では無理。ということで膝周囲に鍼をする。そうそうこの患者さん鍼初心者なので鍼が痛くないよう気を付けて鍼を打つ。幸い鍼は痛く感じないとのこと。
 次に腰を触診。やはり腰も悪いように思うが患者さんは腰は何ともないと言う。腰にも鍼を打ちました。(腰のツボはいりくんでるので割愛します)
 治療後 患者さん曰く「見た目膝の腫れが治療前と後では違う、腫れが引いてる。痛みもマシ。」ということでした。
1週間後来院され「4日間は全然痛くなかったが、その後段々と痛くなってきた。」「整形外科で水を抜いたこともあるが、それより治療後の感じが良い。」ということでした。まだまだ腫れているんですけどね。

変形性膝関節症の治療についてはまだまだ自分の中でうまくいっていないのでいろいろ勉強してこの患者さんが早く治るよう頑張りたいと思います。一応マシになって良かったですけど。
この患者さんが良くなったらまたブログにて報告します。

足が踏ん張れない。

 今回のテーマは「足が踏ん張れない」です。自分自身 踏ん張れないという体験がないので、治せるかな~という感じでしたが何とかうまくいったようです。その詳細とは・・・。

63歳 男性。ある日急に左半身の温度差がわからなくなったとのこと。お風呂に入っても右と左では温度差が違うことに気が付いた。しかしながらこの温度差がわからないことは数日で良くなった。2ヶ月後から左足が踏ん張れなくなったという。MRI検査しても異常無し。整骨院に通ってみるがいっこうに変化なし。左足の踵がおかしい、お風呂に入ると少しマシになる。こんな症状をもって 鍼灸うえだに来院された。
 問診や患者さんの話を聞いていると 「風呂に入ると少しマシ」をキーワードに 多分鍼灸治療で改善するのではないかと思いました。鍼灸も治療することによって身体の循環が良くなるので道理は一緒、多分血液循環が悪いのだろうという考え。鍼灸特にお灸系を増やして治療したら何とかなるかなという発想でした。鍼灸ではいかに患者さんの悪いところを見つけるかいうか悪いところがわかるかがカギとなってきます。
 足の左右差を診ると明らかに左側が冷たく重く感じる。足のふくらはぎ、ふとももと触っていくと左側は全体的に冷たい,重い。これは足ではなく腰であろう診ていくとやはり左の腰に反応点あり。もちろん患者さん本人は腰など痛くないもんだから、話にも出て来ない。だから通っていた整骨院でも腰の治療はしてもらっていない。
 しかしながら一番の重要ポイントは「腰」。腰、足に鍼とお灸をすると治療直後から「足が踏ん張れる、踵も気にならない」と意気揚々お帰りになりました。

 鍼灸の診方として もちろん触って治療ポイントを探すは当たり前ですが、冷えてるとか腫れてるとか触診でしかわかりえない情報を通して治療していきます。東洋医学は西洋医学とはまた違った視点から患者さんを診ていきます。現状に満足されていない方は鍼灸院に足を運んでみてはいかがですか?

私にはどんな鍼が合うの?

今回のテーマは「自分にはどんな鍼が合うのか」がテーマです。
 
 「鍼」といったら 皆さんご存知の 刺す鍼 ですよね。鍼が体じゅうに刺さったイメージ、なんか痛そう。でも鍼って刺す鍼ばかりではないんです。例えば「小児はり」。小児はりって刺さないんですよ。小児はりっていうと 子供に鍼 え~ 子供に鍼刺すの、かわいそうで嫌だ~って感じですが、刺しません。子供って1回でも痛いことしたらもう来院しませんよ、病院の予防注射を考えたらわかるでしょう。子供は気持ちよくって もっとして といった風です。

 鍼には 古代九鍼といって9種類の鍼を用いて患者さんを治療していました。9種類ですよ、9種類。刺すばかりが能ではないということです。私は9種類も使いこなせない、刺す鍼と切る鍼 業界用語でいうと 毫鍼と三稜鍼 これくらいかな。でもこの2つを使い分けるだけでも大した違いです。

 こんなことがありました。初診 女性 34歳。「吸い玉をして欲しいんですけど・・。」いきなり電話でお願いされました。「じゃ 取り合えず来てみたら」ということで来院。「何で吸い玉して欲しいんですか?」「私、肩こりで鍼灸院に通っていて1週間通ったんです。でも全然良くならなくて、鍼じゃなくて吸い玉が合うかなと思って・・。」「そうなんですか、でも吸い玉はできる人とできない人があるからね。それって身体を診てから決めていい?」「はい」「残念ながら吸い玉には向いていないと思うよ、そしたら提案で 最初に刺す鍼を(毫鍼)してみる、それで肩こりがとれないとかあんまり満足いかなかったら吸い玉してみる?」「じゃあ、それで。」治療しました。「どうですか?」「楽になりました。」「じゃあ 吸い玉無しね。」「え~残念。」吸い玉を体験してみたかったんでしょうね。すいません、融通が利かなくて。もう一度来院されて同じような感じになりましたが、やはり吸い玉は使いませんでした。ごめんなさい。

 こんなこともあります。女性 37歳 左肩関節痛 挙上時に痛む。この患者さんは以前に前の職場で治療したことがあります。その時は 毫鍼を使って治療しました。治療の成果は覚えていません。何年かぶりに身体を診て「この体には毫鍼じゃない。」と思いました。一つは触る手の感覚です。触っている皮膚のかんじで 刺す鍼と切る鍼を使い分けます。簡単にいうと皮膚が薄いか分厚いか、イメージでは鍼が入りやすいか入りにくいかといった感じです。もう一つ決め手になるのは 家族はどうなのかということ。お母さんも弟さんも三稜鍼を使って治療します。「以前に治療した時は鍼を刺したけど、今回は切る鍼を使って吸い玉をしますね。」と了解をとり、吸い玉を使った治療を始める。(吸い玉を使った治療は「刺絡 しらく」という鍼灸師ができる治療法です。) 「治療後はスッキリした。腕の挙上は8割くらい良くなった。刺す鍼と刺絡は治療を受けた感じも違う。」と言われました。

以前にも「合う鍼」について書きましたが、合う鍼によって治療効果が格段に違うように思います。その人が持つ体質
(刺す鍼が合うのか 切る鍼が合うのか お灸が合うのか)によって変わってきます。
合う刺激であれば 痛くない むしろ 気持ちいい ということになります。
ずっと通う治療院ならなおさら「気持ちいい」治療がいいですよね。

眩暈と高血圧の患者さん

今回のテーマは「眩暈と高血圧の患者さん」というテーマです。

 眩暈もいろいろありますけど、治療のポイントといえば「首」。血圧が高い人の治療にも「首」を使うことがあります。
今回は「首」で・・・。

 患者さん、男性 39歳。眩暈が主症状。立っていたら勿論座っていても眩暈する。病院に行っても異常無しと云われる。鍼灸が効果的ではないかと半信半疑で来院する。はり灸したこと無いから半信半疑当たり前ですけど、なんか変な気分。鍼が痛いわけでもなく、お灸が熱いわけでもなく 無事に初診が終わりました。本人の自覚は無いのですが 首がやたら凝っている。ツボでいえば「上天柱」あたり。治療が終わると なんか軽くなったとのこと。
 次回の来院は1週間後。「先生!眩暈の回数が減りました!小さい眩暈はあるけど大きい眩暈は無かったので助かりました。眩暈が起きたら3時間くらいあったけど、1時間くらいになりました」とのこと。「鍼って効くんですね」と言われ嬉しくなりました。「先生!鍼って血圧にも効くんですか?いつもより血圧が下がっているんですけど・・。」「首が凝っていると血圧も上がりやすくなるんですよ。首や肩の凝りをとっておくと血圧が下がることもあるんです。」その患者さんは家族歴があり家系的にも高いそう。それが治療後に測る血圧が135という数字でびっくりしたらしい。

 眩暈は 平衡感覚に関係する三半規管が一時的に血流が悪くなる 首や肩の凝りが伴うと起こると考えている。今までにも首や肩の凝りをとる治療をすることで眩暈が改善した例は多くある。思うのは凝りを感じない人に限って「眩暈」といった症状が多いように感じる。その患者さんの血圧に関しては家族歴もありずっと下がったままではないので定期的な首・肩の凝りをとることでいい状態に持っていけるかもしれないが、調子が良いのかもう1ヵ月以上来院がないままだ。
そういえば、もう眩暈もないって言ってたし。

今回は ポイントは「首の治療」。眩暈も血圧が高いのにも効果的というお話でした。カルテ見ながら、思い出しながらブログを書いていたら この患者さん だいぶ あいだが空いてる とちょっとショックになりました。