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ピンチはチャンス2(鍼灸うえだの場合)
ピンチはチャンスの第2弾です。ということはまた調子が悪くなってしまいました。今回は足の痛みです。よくこのブログで「足の痛みは腰から」とよく書いていますがこれは実体験なんです。何にもしていないのに痛むって・・・。多分どっか悪いから。年に1~2回こんなことがあるんです。前の時は膝痛でした。日曜日(6/21)朝起きて何ともなかったのに2度寝して起きたら足の甲が痛んで普通に歩けない。ショック!!今日は野球観戦する予定だったのに、歩けない。現在火曜日(6/23)そこそこ歩けるようになりました、まだ足を引きずっているけど。痛みはほぼありません。
では治療の顛末を・・・。
右の足の甲が痛い。坐骨神経痛の人はこんなに痛いのかと感じつつ鍼灸師として何か手を打たなければと考えました。原因は何?冷えか?そういえば昨日は朝治療院でコーヒー作っててこぼして靴下が濡れたので一日中裸足、これが原因か。左右の足の甲を触ると悪い方の右側はやはり冷えてる気がする。と言ってもお灸は持ち合わせがない、触診してここぞというところに鍼をする。何となくマシな気分。これで良くなればラッキー、野球観戦もいける。少しマシになった感じだったので歩いてみると鍼をする前より痛い。これは困った、お灸はないので取りあえずお風呂で温まろう。少しお湯の温度を高めにしてひたすら温まる。入浴中は暇なので痛い処を軽くマッサージしてみよう。これでマシになるかなと風呂から出たが劇的な変化は無し。この時点で野球観戦を断念・・・。残念・・・。では直接ドライヤーで温めてみよう。時代劇を観ながらドライヤーで温めてみる、でもあんまり変わらない。日曜日はもう何もせず足を使わずふて寝。
月曜日(6/22)雨が降っていたら電車通勤になるので最悪でしたが何とか曇り、自転車で通勤できる分、足に負担がかからずなんとか治療院へ。どうして治そうかと考えるが自分の手の届く範囲しか鍼が使えないので頭か足くらいしか鍼する処がない。取りあえず頭に鍼。今回はYNSAではなく「頭鍼臨床解剖マップ」という本を参考にしてみた。頭に鍼を1本、昨日の足の甲に直接刺すのとは明らかに違う。何となく痛みが軽い。これはいけそう。たまに「ここに鍼を打ったら」と降りてくるんです。今回は「懸鐘」というツボ。普段はあんまり使わないツボなので「ツボ単」でお勉強してしっかり狙って打つとまたまた痛みがマシ、右足に力を入れてもだんだんと痛みが無くなってきた感じ。10分くらい鍼を刺したままの状態で置いておくことに。鍼を抜いた後は足の甲の痛みが3割ほどになりました。朝一なら歩くたびに「ウッ」と声が出ていましたがそんなこともなくその後患者さんが来られても痛んでるのがわからないくらいでしたのでうまく治療できました。月曜日の朝の治療(頭と懸鐘穴)が良かったと思います。
今回は坐骨神経痛の痛みが少しわかったことと今まで使ったツボ以外ですごく効果的なツボがあることがわかりました。もっと勉強せねば感じた症例です。
はり灸のせいであわやケンカに・・。
今回のテーマは「はり灸のせいであわやケンカに・・・。」どういうこと?
月曜日の朝一番、いつもは元気よく来院される60歳過ぎの女性、その日も元気のいい声を期待していましたが、予想はずれのしんみりした声で「おはようございます。」「今日は元気ないですね、どうかされました?」「実は昨日庭でこけたんです。顔とか足とかえらい打って・・・。」身体のあちこちを打ってはります。顔、左腕、左手首 左膝、左の足の指など触診すると腫れてる~。整形外科に行ってレントゲン撮ったけど骨は折れてなかったそうです。それは良かった。まず説明から・・・。「はり灸は打撲などにもよく効くんです、もちろん普段の肩こりなどの治療もしますが、今日は打撲の治療も一緒に治療した方が良いです。打撲や打ち身は早く治療するほどいいんですよ。」と、まずは患者さんの了解をもらいます。(打撲の治療をしてもしなくても料金は一緒です)その後どのように治療するか説明。普段と違う鍼を使うから。治療を始めてびっくりしても困るので。「打撲の衝撃を受けた箇所に三稜針という鍼を使い皮膚を切ります。切った皮膚の処に吸い玉をかけてうっ血した血液を取り除きます。そうすると早く打撲が良くなります。皮膚を切りますがこの鍼が合う皮膚は痛くありません。鍼が痛ければ痛いと言ってくださいね。」と説明。
治療に取り掛かりまずは頸椎部と胸椎部。やはり衝撃を受けてるよう。触診してココという処に三稜針。患者さんは「痛い」とも言わない。吸い玉にはみるみるうっ血した黒い血が溜まっていく。すると「肩の辺りのしんどい感じが楽になった。」と患者の声。こけた際左手首で身体を支えたようで小指側手首が腫れている、でも三稜針を打つほどでもないので 鍼灸うえだの必殺技 セイリン製ディスポ鍼J15タイプ03 (多分日本で一番細い鍼です) で手指末端は鍼をする。鍼を打つ方も打たれる方もお互いにストレスがないので末端はこの鍼に限る。今回は手首に03を打つ。鍼には清熱をとるという特徴があるので腫れた部位の反応点に鍼を刺しておけば腫れはひいていくという仕組みだ。狙い通り手首の腫れも少しひいた。今度はベッドでお顔の腫れに向けて03の鍼をする。私は最近流行の美容鍼というのには全然興味がない。顔に鍼を打ったら小顔になるのは当たり前、痛い、辛いといった症状がないのに鍼をすることには抵抗を感じるので当院には美容鍼といった項目はない。話が逸れたが、今回は顔面を打っているのでちゃんと鍼をするポイントがある。そこに03の鍼をすればこれまた腫れがひいていく。あと左足親指の処も打ったよう、ここも03の鍼で対応する。おもしろいように腫れがひいていく。腰にも三稜針を打ったがこれはもう割愛する。
打撲・打ち身の衝撃部位には三稜針が有効、末端などには鍼を置針しておけば腫れも引いてくる。最近は打撲の患者さん増えたなあ。
この患者さんこの月曜日の治療後3時間くらいよく寝たそうです。それから打撲部位が嘘のように痛くなくなってききたそうです。こけた当日すごく痛がっていて、翌日はり灸治療して身体が良くなって。ご主人から「オーバーに痛い、痛いって言ってそんなに痛なかったんとちゃうか?」とはり灸で打撲が良くなってあわやケンカ寸前までいったそうです。ちなみに打撲の治療は2回で終了しました。早めの治療で良かったです。
子どもは賢い
「子どもは賢い」なんて変なテーマですが今回は小児はりで・・・。
私は小児はりで来院したパパやママに「子どもは賢いよ」って言うんです。まあ、実際賢いですし・・。
事例を挙げていきましょう。大師流小児はりを勉強した人は一度は聞いたことのある言葉「子どもを泣かさない。」子どもを泣かしてしますと治療者の思うように治療ができません。子どもは身体を動かしたりママにしがみついたりと治療したいところをうまくさせてくれません。また子どもが泣くと治療している小児はりが痛い?なんてパパが思ったりして、あまりいい印象はありません。大師流小児はりって皮膚をさするような治療なので全然痛くないのに・・・。うまく治療できない、親の心証悪い、こりゃ泣かさないに越したことない。
でもね、子どもって泣くのよね、特に初めての治療院。何されるかわかんないのにいきなり服脱がされたりしたら・・「病院?注射?イヤだ。」て当たり前でしょ。でも努力している治療院は多くて 白衣着ない 子どもが落ち着くまで待っている メガネをはずす 男の人は子どもが苦手なので女性の先生が治療する などなど。鍼灸うえだはスタッフは男性だけだし、子どもが落ち着くまで待ってられないし そんな手は使えない。
そこで裏ワザ紹介、それは保護者の説得。(これも勉強しましたね)「子どもは賢いよ、今日は泣いているけど2~3回で泣かなくなるから。」
実際、子どもはだんだんと泣かなくなります。最初は泣くけど。多分子どもは子どもなりの分別があるのだと思います。白衣を着ていても病院と治療院(鍼灸院)の区別はつきます。予防接種のあとに鍼灸院に来ても泣いたりしません。ここは鍼をされるところ、気持ちいい処と認識されると大丈夫です。
鍼灸うえだの患者さん 下の子が生まれたおねえちゃん、かんむしになってしまいました。夜に大声を出す(夜驚症)、イライラして人に攻撃的なる(特に自分より弱いものに攻撃的になるので今回は赤ちゃん)といった具合。「小児はりお願いします!」とおかあさん。「わぁーん」とおねえちゃん。いきなりか。これはあやしてももう無理。裏ワザを使おう。でもしっかりと症状の改善がないと次回の来院はないのでポイントは外さずに治療。「今日は泣いたけど、みんな泣かなくなるよ。」小児はりが終るまで泣いていたけど服を着たらご機嫌さん。帰りにはバイバイしてくれました。もちろん続けて来院していただき夜の雄叫びはなくなりました。赤ちゃんにもやさしくなりました。小児はりをする時「おてて貸して」ていうとちゃんと手を差し出してくれます。子どもはここは気持ちいい処なんだと思ってくれているのだと思います。やっぱ子どもは賢い!
少しでも小児はりの良さをわかってもらい、子どもは元気になり、パパとママは育児が少しでも楽になって笑顔が増えることを願っています。
打撲・打ち身に鍼灸は効く(交通事故編)
鍼灸が打撲や打ち身によく効くということはあまり知られていません。でも患者さんが自転車で転んだり、部屋のどこかで足をぶつけたりということは日常的にあることです。それも早く治療すれば早く良くなるのであれば「さっき転んじゃった。」という患者さんの声に耳を傾け治療すればすぐに楽になります。これぞ治療者冥利に尽きると思うのですが・・・・。
今回は「交通事故」です。その患者さんは坐骨神経痛、その治療で月2回程度来院されています。主訴は坐骨神経痛でも そこは鍼灸うえだ 身体全身を診ないといけません。まずは椅子に座って肩、首、両手から。「今回、右手よく使いました?なんか普段と違いますよ。」と声をかけると「別にいつもと一緒かな・・・・。アッ車が小さくなったから使い勝手が悪かったかな。」「なんで車が小さくなったんです?」「実はね、交通事故したの。」「されたんじゃなくてしたの?」「そう雨降ってて左折してる最中、自転車に乗った学生が赤信号を渡ってて、急に止まったけどぶつかった。そういえばそれから何となく肩が凝ったような感じ。これって交通事故のせい!!」「多分・・・。」
会話調で状況を説明しましたけどお分かりいただけましたか。
ポイントは患者さん本人交通事故の後遺症とは気づかなかったこと。まさか加害者側が交通事故のダメージ(打ち身)になるとは思わなかったこと。身体にかかる負担・衝撃はスピードや事故の程度で決まるものではないこと。本人曰く「そんなに大したことなかったのに・・・・。」ちなみに今回の事故は自転車と車の接触ですが修理見積もりは30万円だそうです。でも学生さんは自転車乗っててこけただけのよう。大事故でなくてよかったです。
治療の話へ。右肩から腕にかけてなにやら突っ張る感じ、「普段こんなことないのに」と思って尋ねると交通事故という話。被害者だろうと加害者だろうと関係ありません。身体がおかしければ治すのみ。どこかに事故の衝撃があるはず。やっぱりありました。胸椎2番の右際に。そこに三稜針と吸い玉をします。私なりの刺絡があっているかどうかの確認法、吸い玉に吸い上げられた血液 やっぱり普通のサラサラ血液ではない(ドロッとした固まる血液)であれば当たり。あと皮膚を切った時患者が「痛い!」って言うか言わないかがポイント。治療後は肩がスッキリと患者さんは喜んでおられました。あと頚椎・腰椎のむち打ち好発部位も確認しておきました。
交通事故も頸椎捻挫・腰椎捻挫という症状名がつきます。鍼灸それも刺絡がよく効くケースが多いです。文中にも書きましたが、症状は事故の程度やスピードによって比例しません。その状況に応じて考えていくことが大切です。ピンチはチャンスで「身体は丈夫だ」と豪語している私ですが、ただ交通事故だけは多くて(人身事故はありません)車を3台ほど大破しました。交通事故後遺症、いわゆるむち打ちに関しては身体がわかっているつもりです。くれぐれも交通事故には気をつけましょう。
鍼灸うえだでは「ちょっと遅れます!」「交通事故だけは気をつけて来てください。」と応対しています。
花粉症のツボここかな。
今年の春は「花粉症」のツボを探すことがテーマでした。自分に(ブログ:ピンチはチャンス編)または患者さんの協力のもと一応 ツボを発見しました。ツボの条件としては自分一人でツボを押さえられる、つまり治療らしきことができるのが条件です。だって花粉症はいつ来るかわからないし、誰かが傍にいるとは限らないので一人でできるという条件が要るのです。
鼻の中全体が楽になる というのが頭の処。ツボ名など言っても一般の人はわからないのでわかりやすく・・・。
まず両耳の裏を前につまり二つ折にします。その左右の耳の上の尖った処から線を頭上で交わらせます・その線と身体の真ん中の線(正中線)の交点が「百会ひゃくえ」というツボです。頭痛・逆上せ・痔などに効果があると言われているツボです。そこではなく百会から指の幅一つ分前の正中線にすっごく痛い処があります。ここを刺激すると鼻の中全体が鼻炎の時にスッとします。私の場合は風邪をひいた時 そこに鍼をすると鼻の中の違和感がとれてスッとしました。一度試してみて下さい。
あと気になるのが鼻水。気が付けばタラーリと落ちそうになる。あんまりカッコいい姿ではないので鼻水が止まるといい。定番は小鼻の処。鼻水が出る方がちょっと痛いか硬いか。そこを刺激すると一時的に鼻水は止まります。あんまりきつく押さえたりすると鼻の処なので目立っちゃいます。軽めに押さえて下さい。
別のツボで鼻水押さえるとしたら手首。親指からの線とと手首の線の交点。この辺りを押さえるとここもまた一時的に鼻水が止まります。ここも試してください。ここは鍼灸学校時代 友人と発見しました。もう20年以上前のことですが・・。
患者さんも花粉症とはだんだん言わなくなる時期、今回発見したツボもお蔵入り。
でも花粉症の方ちょっと覚えておいてくださいね。