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頻尿は鍼灸で良くなるか?

めっきりと寒くなりました。表題のとおりトイレの回数も多くなってくる季節。頻尿の人はトイレの回数も増えて忙しいことに・・。頻尿とは「尿が近い、排尿回数が多い」ことを言います。朝起きてから就寝するまでで8回以上排尿でトイレに行くことを言うのだそうです。また自分はすぐトイレに行きたくなると思うのも頻尿のひとつだそうです。

鍼灸を受診される方は子供からご年配の方までと幅広いですがやはり多いのは40代からの方が多いように思います。今までの鍼灸人生で「何か日常で困っている症状はありますか?」と尋ねるとよく言われるのが「頻尿」です。どうにかなりませんかと依頼されることがしばしばです。今までに遭遇した「頻尿」例を挙げてみましょう。

50代女性で頻尿。悩みはバス旅行に行けない。バスのトイレ休憩には間に合わない気がするというものでした。頻尿の治療ポイントとしては腰部の正中上(経絡的には督脈)に反応点が出るのでそこに鍼灸刺激を加えるというものでした。この治療は師匠に教えてもらったので自分ではイマイチでしたが、患者さんはバス旅行には無事行って来られました。まずはよかったです。治療回数はバス旅行までに何回か来院されていたような記憶です。ですから1回の治療ではありませんけど。

次に60代男性。夜中に7回もトイレに行くのでどうかして欲しいと言われました。夜中7回はさすがに可哀そう、寝たらすぐ起きてトイレ行ってまた寝てみたいな、忙しいにも程がある。腰部に治療点がある(前述)とわかってましたので腰部を治療すると次回来院時にはトイレが3回になったと喜んでおられました。その時は督脈ではなく腰(骨盤周囲)に打ちましたがそれが功を奏したのではと考えています。この方は1回の治療です。その後来院の度にお礼を言われました。

40代男性。昼のトイレ回数が多い。夜はそうでもないようです。日中は自分では1時間おきに行っている気がすると言われています。鍼灸うえだの患者さんです。この方は腰部督脈に鍼と灸をしました。前述の女性と同じような治療です。やはり治療後早い時期にお会いすると「トイレの回数が減った」と喜んでおられました。しばらく間が空いてまたお会いすると「頻尿で・・。」と言われています。鍼灸続けてねと心の中で思いました。

現在のところ鍼灸治療で1回で頻尿が治ることはないのだと思います。ただ定期的に続けていくと治っていくのか、悪くならないよう身体がいい状態を保っていくのだとおもいます。

鍼灸は早くても30分くらい長ければ1時間 患者さんと施術者が一緒にいますので色々な話が出てきます。色々な話題の中でなかなか言いにくい症状(病院に行くほどでもない症状や気になるけどどうしたらいいのかわからない症状)を言うのには格好の先生だと思います。一度そういう場面では相談されてみては如何ですか?鍼灸うえだでは患者さんが言う前に私が訊いてしますので気兼ねなく患者さんは言われているような気がしますけど・・。

女性の大敵「冷えのぼせ」が多くなります。

だんだんと肌寒くなってきました。そうすると至る所で暖房を入れることになりますが、出てくる症状が「冷えのぼせ」。足元は冷たい、冷えるのに顔はカッカと熱くなり汗まで出てくるという症状ですね。特に女性に多く若い人にもあります。更年期あたりの女性の方は「更年期症状ではないんだけど更年期みたいな症状・・・。」とおっしゃいます。更年期の症状はホットフラッシュ、いつとは無しに身体が熱くなり、汗が出てくるというやつ。冷えのぼせとはちょっと違うかな。暖房の暖気は上に行きやすく下半身が冷えやすいのでこれからの時期は多くなります。女性の方が電車などに乗ったら「顔だけ汗が出て仕方ない。」ということになるわけですね。

大師はり灸療院で患者さんを治療していた時、あることに気が付きました。冷えのぼせを訴える患者さんには共通点があることを。それは足をを冷やしている事。これには患者さん本人が自覚しているケースもありますが本人も気づいていないケースもあります。ポイントは両足の内側。ツボでいうと三陰交(さんいんこう・・内果尖の上方3寸)。この三陰交の辺りが触って冷たければアウト。もう一つはこのブログでよく出てくるお腹のガス。ガスが全体的に多いとかガスがみぞおち辺りに溜まっているとアウト。これらのアウトが2つ揃うと確実に「冷えのぼせ」は起きてきます。

逆にどちらかのアウトを解消すれば「冷えのぼせ」にならないということですよね。ガスについてはなかなか自分ではできませんので、私は患者さんにいつもこう言います。「靴下を履きなさい。そうすれば症状はましになるから。ただし今風の足首までしかない靴下はダメ。足首を完全に覆うやつを履いて。お金もかかんないし。」実際患者さんに言って実行してもらいましたが効果はあると思います。もちろん私の患者さんですから お腹のガスの治療もバッチリやってありますけど。ガスについては一番はウォーキングで内臓を刺激することが良いと思います。歩くと内臓がユサユサと動きますからガスも移動しやすくなります。これまたお金かかりませんけど・・・。あと思うに女性はガスを出すことを我慢する、女性だけではありませんが。アイドルはおならしないというのがありましたが。ガスは出そうなときは出すのが一番です。もちろんいろんなシュチュエーションがあるので絶対とはいいませんよ。でも溜めていいものとわるいものがありますよ。冷えのぼせの方は一度足元を温める(長めの靴下をはく)を実行してみてください。もちろん鍼灸治療も有効です。

鍼灸ってハードルが高いの?

意外な表題で始まりましたが、「鍼灸ってハードルが高いの?」とよく感じます。それは鍼灸師側すなわち治療者側の考え方でありますけど。今回のブログはぶっちゃけ思ったことを書きます。私は 鍼灸うえだ に来院する初診患者さん皆さんに尋ねることがあります。「今までこの症状でどこか治療院にかかりましたか?」と。大抵の患者さんは「整骨院・整体・カイロには行きました。」と答えられます。「鍼灸はどうですか?」「初めてです。」さらに「鍼灸の印象はどんな感じですか?」「鍼は痛い、お灸は熱い。」となるわけです。「でももう行くところがなくってはり灸に来ました。」鍼灸する前からハードルが高いですよね。

私の考えで患者さんの心理は”鍼灸は未知の世界”であり整骨院や整体、カイロはなんとなく想像できるのだと思います。鍼灸は先生がどんなことをするかわからない上に鍼は痛い(これは以前裁縫針でチクッとしたことがあるから)お灸は熱い(おばあちゃんの背中に大きなお灸の痕があった、時代劇でお灸のシーンがあり熱そうにしていた、お灸を据える・・・こらしめる 的な意味あいがある)といったところが患者さんに不安があるように思います。他にはイメージとして鍼灸というのは古めかしい感じ 古ぼけた治療院に白いひげの伸びたお爺さん先生がしているというのもあります。(以前患者さんがイメージとして教えてくれました)あと治療の料金がわからないのでこわい というのもあります。この料金は地域差がすごくありますね。鍼灸うえだでは治療院の入るとすぐ見えるところに料金表が貼ってありますよ。

私の個人的な印象でいきますと「鍼はある意味すごく効いてこわい」というのがありました。今はありませんけど。なぜそのように思ったかというと 読売ジャイアンツの江川卓投手の話です。記憶があやふやなのと広島カープファンなのですごく興味がないので間違っているかもしれませんが・・。江川投手が現役引退前頃に「鍼を打たなければ投げられない」とか「肘の鍼をして投げられなくなった」といった報道が当時よくワイドショーを賑やかせていました。書いてること真逆ですが、どっちかです。鍼灸に興味などなかった私でさえ「鍼って効くんだ」と強い印象を持ちました。だから患者さんは最後の手段として鍼灸を選んでいるような気がします。あの頃結構インパクトありましたよ。

私は患者さんによく言うことがあります。「早く治療すれば早く治る」ということです。別に整骨院、整体やカイロがダメと言っているのではありません。3回行けば良くなりそうくらいはわかる、良くなりそうなら通えばいいことで変化が無ければさっさと治療院を変わるべきです。だんだん時間は経ってくるし治りはしません。大切なことは治療して少しずつでも良くなっている事、次の日にはまた一緒では良くなっていません。日々変わっていかないとダメです。鍼灸うえだでは気になる症状は来院したその日のうちに言ってもらいます。日を延ばせばそれだけ治るのが遅くなりますから。

今回は日頃思っている「鍼灸ってハードルが高い?」ということ、取り留めもなく書いてみました。

 

油断して風邪をひく季節です。

めっきりと朝晩は冷え込んできました。日中の温度と朝晩の温度が違いますよね。お勤めの方はどんな服装にするか迷うところですが、世間体を気にして自分の体感温度より薄着にすると風邪をひき易くなります。オシャレもいいけど体調管理も大切です。

ということで今回は「風邪」についてです。東洋医学の考え方に「邪」というのがあります。簡単に言うと「悪いやつ」です。ですから風邪とは「風のわるいやつ」です。他にも邪には寒邪とか湿邪とか熱邪とかあるんですがそこまでこだわらないのと勉強不足なので風邪だけいきましょう。だから風邪は「かぜ」ではなくて東洋医学的には「ふうじゃ」なんて言うんです。風のわるいやつがなんか悪さするということなんでしょうね、きっと。ついでにツボ(経穴)に風がつくツボがたくさんあります。風池 風府 風門 風市など。やっぱりなんか関係があるんでしょうね、漢字だから字に意味があると思います。中でも「風門」文字通り「かぜのもん」ここは風邪と関係があるんです。場所でいうと 第2、第3胸椎棘突起間の外方1.5寸にとる というんですがだいたい風邪をひくと背中がゾクゾクと寒く感じるところここが「風門」です。風門は風邪(ふうじゃ)が進入する門戸ということです。風邪のひき始めには葛根湯というコマーシャルがありましたが私に言わすと「風邪のひき初めには風門を温める」です。温めるものは何か?手っ取り早いものに ドライヤー。ゾクゾクと寒く感じたところに熱風攻撃。ちょっと熱いかなと思うくらいする。ひき初めならこれだけでOK。ちょっとくしゃみも出るくらいのレベルなら風門に貼るカイロ。肌着に貼ったら熱いのでパジャマくらいにカイロを貼って寝たら風邪はどこに行ったかなという感じになるので一度お試しください。

風邪は万病の元なんてよく言われますが、日々の疲れが溜まると風邪をひき易いように思います。鍼灸治療で風邪ひきの治療も一緒にすることもしょっちゅうですが大抵 首、肩、肩甲骨あたりのコリが多いです。凝るということは筋肉が硬くなり血液循環が悪くなると言われています。肩から肩甲骨に「風門」というツボはありますのでまさにその通りでしょう。そうそう今はしなくなりましたが昔冬によくした「乾布摩擦」。日本てぬぐいでゴシゴシしましたね。皮膚に刺激を与えて血行を良くするんです、そうすると風邪もひかない。屋外とは言いませんのでお家で乾布摩擦などいかがですか?この冬は風邪知らずで過ごせるかもしれませんよ。

小児はりっていつからできるの。

今回は「小児はりはいつからできる?」がテーマです。先程、治療院の洗濯をするために出掛けたのですが、その途中お宮参りの赤ちゃんに出会いました。幸せいっぱいな感じでした。パパとママそして両家のおじいちゃん、おばあちゃんとうれしそうなのはいいのです道いっぱいに広がって歩いておられました。そこに洗濯物を持って割り込みもできず微笑ましく過ぎ去るのを待っておりました。我が家もこんなことがあったなあと昔を思い出します。長女はもう22歳・・・・。年月は早い。

小児はりはいいですよ。こどもが人を連れてきますから。赤ちゃんは一人では来院できません。必ず誰かが連れてくるのです。多い時はパパ、ママにおじいちゃん、おばあちゃんと6人ががり(両家)、まるで大名行列のよう。治療院が賑やかになります。そしてこどもの治療がうまくいけば「私もしてもらおうかな?」なんてことにも。

閑話休題。話を戻して・・。小児はりは一般的には生後1ヶ月からとよく言われます。それは前述したお宮参りと関係があると思います。お宮参りをするまでは赤ちゃんをそう外に出すものではないといった習慣によるものだと思います。それは鍼灸院に小児はりをしてもらう時のお話。小児はりは生後すぐからでもできるんです。もちろん大変難しいですけど。小児はりは刺さない鍼です。皮膚を擦るような感じで鍼をしていきますが、生後1か月までのこどもの皮膚は凄く柔らかい。皮膚への刺激が難しい。症状の改善がないくらいならいいのですが、逆に症状悪化なんてことにも。自分のこどもならまぁいいかで済みますけど。私は患者さんのこどもで生後2週間目という症例があります。お母さんが出産の疲れと育児が大変で肩凝ってしんどい。お母さん治療するからこの子も一緒にしてくださいというノリでした。その子にはお姉ちゃんもいてずっと小児はりをしていたのでお母さんにはあんまり生後2週間でも小児はりに対して抵抗がなかったように思います。依頼を受けた私は「エ~」という感じでした。2週間目の赤ちゃんは身体のパーツそれぞれが小っちゃくて壊れそう。むちゃくちゃ緊張して治療したことを覚えています。やっぱり自分のこどもで練習していて良かったと実感したものです。

そんな生後に小児はりなんかする必要はないと思われるかもしれません。でもなかには赤ちゃんやお母さんが困っていることもあるんです。生後に多いのは赤ちゃんの「乳吐き」お乳を飲んださきから吐く、これは心配になりますよね。これは赤ちゃんの胃腸の働きが悪いからで胃腸をの働きを良くするようにすればよく飲むようになります。「赤ちゃんがず~と泣いている、お乳も飲まない」なんてこともありました。初めてのお子さんでお母さんもどうしていいかわからず小児はりに来られました。実家のおばあちゃんも一緒に来られお母さんは憔悴しきっていました。育児ノイローゼになりそうみたいな。赤ちゃんはお腹を診るとガスがいっぱい溜まっていましたのでガスを出すように治療しました。治療のおわる頃赤ちゃんがガスを出しました。帰宅後よくお乳を飲み、よく寝たそうです。それからは育児が楽になりまたお母さんは小児はりのファンになりました。

赤ちゃんになかなかお薬は使えないです。そんな時赤ちゃんを良くすることができる何かがあったらとみんなが思います。そのひとつが小児はりです。今日はかわいい赤ちゃんを観て小児はりって良く効いたなということを思い出しました。