今回のお話は「帯状疱疹」、よくヘルペスと言われていますね。帯状疱疹には是非鍼灸で治療して欲しいのです。なぜかと言いますと・・・。まず帯状疱疹のおさらいからしましょう。子供の時に大抵の人は水疱瘡にかかります。水疱瘡自体は治りますがそのウイルスは身体に残ったままなのです。そのウイルスが三叉神経や脊髄神経の知覚神経節に潜伏しています。普段では何にも起こらないのですが、ストレスや過労などで身体が弱った時に活動を始め、神経に伝わって皮膚に現れ炎症を起こします。これが帯状疱疹です。神経に沿って現れるので帯状に出てくる疱疹なので「帯状疱疹」。
日頃から良い睡眠を摂っている、疲れをとっていると帯状疱疹になることなんてまずありません。あんまりお疲れ様にならないでくださいね、3月は決算が多いし・・・。鍼灸治療は鍼やお灸をすることで全身の血行を良くして日々の疲れもとってくれます。つまり鍼灸をしていると「帯状疱疹」にはかかりにくいということですね。あと鍼灸治療は痛みにとても有効であるということ、まして神経痛などは鍼灸治療の適応のど真ん中です。「帯状疱疹」は水疱が治った後も神経痛だけが残ります。鍼灸治療で帯状疱疹を治療するとあとの神経痛も一緒に治療できるのです。以前大師はり灸療院で仕事をしていた時 5年前に「帯状疱疹」になった、その後の神経痛がピリピリすると来院された患者さんがいます。治療後は少しマシなんだけどピリピリはスッキリとは取れなかったように伺いました。
今回の患者さん、もちろん「帯状疱疹」です。年齢は10歳。こんなの初めて。10歳なので取りあえず小児はりで全身の疲れをとるように治療。次に帯状疱疹に向けて更なる治療。水疱は左の腹部にある。水疱には触れず肋間神経に沿って小児はり。あとテイ鍼を使って胸椎左際を圧鍼。あとは早めに就寝するように指示。10歳でも帯状疱疹になるんだ~と言うのがめちゃくちゃ印象的。
そうそう昨年の秋に臨床家育成会のメンバーと治療大会をしてた時、一人のメンバーに左脇に水疱らしきものが・・・。「ヘルペス?」と一瞬よぎったので水疱らしきものをしっかりと確認。確認の目的はたまに「虫刺され」があるんです。ただ「虫刺され」の場合は刺された跡が2個付いていることが多いんです。確認したけど「虫刺され」ぽくないので、とりあえず「帯状疱疹」疑惑のまま帯状疱疹の治療をしました。後日に本人より「治療の後すぐ水疱はなくなった、その後の神経痛様の痛みもない」と報告を受けました。ヘルペス?虫刺され?疑惑は残りますがあと何もなければその時の治療は無駄ではなかったと思っています。
先に書いたように疲れを溜めこむと帯状疱疹になりやすいです。やはり疲れたなと感じた時は早めの就寝もしくは早めの鍼灸治療をお勧めします。