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患者さんの第六感を信じよう。
今回のテーマは「患者さんの第六感を信じよう。」という意味不明な内容です。何事にも勘というのはあって私の最近のお気に入り「鬼平犯科帳」では鬼平こと長谷川平蔵の勘働きが冴えています。時代劇チャンネルで毎週日曜日には欠かさず見ています。あっ話が逸れました。ブログの中にも書いていますが、「今日はしんどくなりそうだから、お風呂は止めよう。」なんて思うことありますよね。そんな時ってお風呂に入って血行を良くしたら身体がマシになるんだと頭で思うだけで身体はもう拒否状態。こんな時はやっぱり勘が当たってしんどくなることが多いです。こうしたら良くなるかもという身体の声は素直にきくべきです。
鍼灸うえだでは患者さんに合わせて鍼をかえています。刺す鍼なのか、切る鍼なのか(ホームページ鍼の紹介のページ参考)その時の患者さんの皮膚の状態にあわせてかえていきます。もちろん刺す鍼の場合刺す深さも場所ごとに変えていきます。
昨日こんなことがありました。普段では刺す鍼(亳鍼)などしたこともない患者さん。これまで23年間治療していますが刺したことない、ホント大丈夫?。この患者さん、肩こりや坐骨神経痛などの症状で来院中です。その患者さんが「今日は腰のところを鍼でキリキリと奥まで刺してほしい。」なんて衝撃発言。「エ~そんなん大丈夫!。」と思いながら今日の患者さんの皮膚を触ると切る鍼より刺す方が向いてる。私もその気になって「では今日は刺す鍼でいってみますか。」とばかりに全身刺す鍼で毫鍼を刺入。患者さんも刺す鍼が痛いとも言わず治療が進んでいく。腰や臀部にいたっては2cmくらい刺入しても痛くも痒くもない。やっぱり今日の皮膚は刺す鍼が合っているんだ。患者さんの勘も大したものだと感心しました。治療が終わって皮膚を触診すると切る鍼より良くなっている気がする。患者さんにも治療後の感想を聞くと「スッキリ、特に坐骨の辺りは動きが違う。」との声。
一人の治療室はマンネリ化する中、いい起爆剤でした。鍼灸うえだではなるべく患者さんの声を取り入れています。だって身体のこと一番わかるの患者さんだから。なるだけいろんなことを言ってもらって治療のヒントにしています。ただ患者さんの興味本位での「あの鍼やって。」には応じませんけど。患者さんの言葉をヒントにしてうまくいった症例でした。
鍼灸うえだに来院の折には気兼ねせず何でも言ってくださいね。
目の周りがピクピクする、これって鍼灸で治る?
患者さんから「右目の辺りがピクピクと痙攣する。なんか顔面麻痺になるんかな~」なんてよく言われます。多分顔面麻痺にはならないでしょうけど、やっぱり気持ち悪いですよね。
今回はその「顔のピクピク」についてです。きちんとした症状名を知らないので「顔のピクピク」と呼びます。私の経験からすると首のコリです。首のコリをとると嘘のように症状は無くなります。筋肉を動かすのに電気信号で伝えるのですがそれが異常に伝達してしまうことが原因のようです。筋肉の異常興奮というんだそうです。だから首がコリ過ぎると異常伝達してしまうということですね。よくあるのは片側の目の周りがピクピクする、私はたまに口角辺りが痺れる、これも首のコリだと思うんですが・・・。もちろん治療すれば症状は無くなります。じゃあ何処に鍼をすればいいかというと以前はツボでいうと患側の上天柱(かみてんちゅう)なんかが良かったのですが、最近の症例では上天柱よりもっと頭の中、後頭隆起の中にあります。上天柱からずっと後頭隆起を上がっていけば触診すると気になる点に辿り着きます。そこに鍼をすると一発で「目の周りのピクピク」は治まります。頭の鍼を勉強しに行ってから頭を使うことが多くなりましたがよく効く場所です。私の経験ですは目の周りに鍼をするより有効だと思います。
目の周りが気になる方は一度お試しあれ。
膝が痛いの膝が悪いから?
4月に入り一段と温かくなりましたね。桜もこの辺りは7分咲き、つい散歩などしたくなります。でも散歩行きたいのに、膝が痛いとついおっくうになってしまいます。今回のテーマは「膝痛」。
世の中には膝の悪い人はたくさんいて街では痛そうに歩かれる姿をよく目にします。職業柄気になるのか具合の悪い方に目がいってしまいますね。膝が痛いと言っても色々あります。膝の内側辺りが腫れてくる、変形性膝関節症。見ただけで痛そう。膝に炎症があるんですね。だんだんと変形してきて O(おー)脚とかX(えっくす)脚になってくると膝の関節が負担になって炎症が起きてきますね。これも鍼灸すれば炎症が治まると水も溜まりにくくなり痛みが減ってきます。でも今回の「膝痛」は変形性ではないんです。
変形性でなくてってことは見た目普通。どこが悪いのって感じだけど痛みがある。例えば階段昇る時なんか痛い。でもよく痛くなるのって階段降りの時片一方の足に全体重と重力が掛かる時が一番だと思いますけど。階段昇る時なんて自分で体重移動を考えながらできるので降りとはちと違う。来院された患者さんは動かしたときに膝が痛いもんだから「先生、膝が痛い。」なんてよく言われます。痛みが出る状況を問診し「え~これって膝が悪いんじゃ無いんじゃない。腰よ、腰」ということが多いです。最近では「先生、腰ですよね。」なんて患者さんから言ったりして。
膝を床に付ける、立膝をすると痛いという患者さんがいて年末に電話が掛かってきて「先生どこ悪いの?」「それは腰よ。腰」と返答すると納得いかない。「じゃあ、整形外科でレントゲンでも撮ってもらって何ともなかったらおいで。」とお答えしました。案の定「整形外科では何ともないと言われた。でも痛い。」と来院されました。
「じゃあ、気になるから先に膝の治療しとく?」とベッドにうつむきで寝かせ、腰に鍼をしました。膝に関係する場所があるんですね。鍼は2~3本患者さんに刺しました。鍼を抜き「一回痛い格好してみて。」と患者さんに言うといろいろと動かしてみて「わー痛くない。」と感動。「やっぱり腰やったんや。」
もうひとつ、前の職場では「走る先生」が来院されたことがありました。やはり膝が痛くて走れなくなったそうです。その時も膝そのものではなく腰だと判断し治療しました。まだ勉強不足の頃でしたが、腰椎の正中部位に鍼をしていくとだんだんと走る時に痛みがなくなるとのことでした。計5回くらいの治療でしたが、本当に良くなられたのでしょう、治療後すぐのマラソン大会で優勝されたとのこと、あんまりうれしくて治療院にお礼の電話がありました。私も大変うれしかったことを覚えています。
鍼灸の妙は痛む部位がイコール治療場所ではないということです。なかなか難しいですがそういうツボを見つけて早く症状が良くなると患者さんは感動されます。もちろん治療者もですが・・。
膝が痛いのは膝が悪いから?膝が悪いからって膝に湿布貼っていれば治るってものではないんですね。
打撲に鍼灸は効く(ある打撲の顛末)
「打撲に鍼灸は効く」というタイトルはなかなか意味深・興味があるようで鍼灸うえだのブログでもよく読まれているページのようです。今回は最近あった打撲の鍼灸治療を事細かく紹介します。
患者さん ??歳 女性 鍼灸うえだには開院から来院されています。転ぶことが多く以前にも打撲の鍼灸治療を行っています。その時は玄関にて転倒されて膝を強く打ちました。すぐに整形外科を受療されましたが、その時整形外科の先生は注射で膝の内出血している血液を抜いたそうです。膝の痛みは断然早く良くなりました。整形外科に受領後、鍼灸うえだに来院され膝以外で転倒したことによる衝撃部位を三稜針で打ち吸玉をしました。計4回の治療にて完治しました。というように打ち身・打撲に鍼灸が良く効くとご存じだった患者さんです。
夜中にトイレに行き自分の部屋でつまずき置いていた座椅子に右腹部~脇腹にかけて打つ。鍼灸治療は良いことはわかっていたがあいにく日曜日。月曜朝一にて来院。痛いのと息をすると痛む。肋骨なのでヒビが入っていても整形外科では安静と言われるだけだろうと鍼灸を選択。もう「痛い」の言葉しかない。触診すると打った部位は腫れている。肋骨が折れているのか叩打痛を診ようと思ったが「痛い・痛い。」ばかりなので多分わからないと思い断念する。気を取り直し痛みをとることが先決と触診し三稜針が打てる処に三稜針つまり刺絡を行った。本来毫鍼が合う患者さんなので三稜針が痛くないということ自体異常である。三稜針をして吸玉で打撲した処の内出血を取り除いていく。その作業を1時間くらいしただろうか。患者の口から「痛いのマシになってきた。」打撲部位だけでなく右頸椎・胸椎の際あたりも転倒の衝撃がある。そこも刺絡して初日は終わった。帰りには来院時とはうって変わって笑顔が出ていた。
翌日患者さんはやって来た。「治療後はマシだったが朝起きたらまた一緒みたい。」都合の悪いことに気温が低くなり咳を多くするようになった。咳をすると右腹部・脇腹が痛む。また今日も「痛い、痛い。」の連発。昨日と同じように打撲部位に刺絡。今日も吸玉に血が吸われていく。打撲部位もだんだんと腫れが小さくなっているようで最初に疑っていた骨折やヒビは大丈夫そうに感じてきた。昨日と同じ治療では結果もそう変わらないだろうと今回はパイオネックス(円皮鍼)を打撲部位に付けてみた。触診すると皮膚と内部組織の間になんかブヨブヨするようなものが感じられたので取りあえず・・・。
次の日来院。パイオネックスを貼った処が痛かったと患者さん談。やっぱり三稜針の皮膚に毫鍼は効かないんだ~と思い反省。単純なミスです。痛みの範囲は減ったもののやはり痛い。やはり三稜針で刺絡でないと前回と同じように治療。帰りはすこぶる痛みがマシでこのまま良くなっていけばいいのにと思っていたけど・・・。
次の日「痛いです。」もう刺絡もそうそうできないし。お腹周りなので比較的皮膚が柔らかい。三稜針でお腹の皮膚にアプローチするのもどうかなというくらい皮膚も柔らかくなってきた。もう三稜針は不適合。毫鍼はパイオネックスで失敗してるし。と悩んだ挙句、棒灸。打撲部位にタオルを置いて棒灸で暖め作戦。最初は「痛い、痛い。」でしたが、だんだんと「気持ちいい、痛みがマシになってきた。」ここはお灸か。打撲部位に炎症があると思いお風呂もシャワーのみだそうで。今日は身体全体が冷えていたんだね。お灸を主に治療をしていくと痛みがとれて「楽です。」
昨日で10回目の治療でした。本人曰く「少し痛い。あと朝一は痛みがある」とのこと。動作も早くなり1か月にそんなキツイ打撲があったとは思えないくらいに回復です。
三稜針(刺絡)と毫鍼(5回目から三稜針から毫鍼に切り替え)と灸を駆使すれば結構こういった打撲にも鍼灸治療って効くんですね。大抵の場合整形外科と併用で来院されるので主なところは整形外科に委ねられますが、今回は一から十まで鍼灸のみ、打撲・打ち身に鍼灸が効くことが証明される症例でした。
花粉症は鍼灸で治る? 経過観察中です。
今回の症状は「花粉症」です。最近は「花粉症」の方が増えましたね。マスクが市民権を得ましたから花粉症をある程度防げますし、鼻水が出てもわからないし結構便利ですね。「花粉症」は期間限定なので治療すると言うよりはその期間マシな状態でいることを願う患者さんが多いように思います。2月の中旬から3月下旬に杉花粉・その後ヒノキ花粉と立て続け、5月の下旬頃には一応落ち着くよう。なかなか大変な2~5月の間。会社は決算があったり、官庁は年度末であったりと忙しい時期と重なるので皆さんずいぶんつらい思いをされているようです。
現状では「花粉症」にこのツボを使うと良くなるといった勝利の方程式はありません。ただ私の今までの鍼灸人生の中では「肩こり・首のこりをとると花粉症の症状はマシになる」といったことはわかっています。花粉症の治療をしたつもりではないのだけれど「花粉症の症状が軽くなった」と言われます。私は常々「肩こり・特に首のこりは顔の症状に影響しやすい」ということを患者さんに説明しています。つまり肩や首がこっていると顔(目・鼻・口など)の症状が出やすいということ。以前の職場で花粉症の方のほとんどに「花粉症がマシなのはいつ?」という質問をしました。「肩こり(首こり)がマシな時」という答えでした。首や肩のこりがマシであったら花粉症の症状も軽いということなのです。
現在、鍼灸うえだでは「花粉症が治った!」という患者さんがおられます。花粉症の症状は一切出ないそうです。ただ、私の中では何がどう良くなったか理解できていません。良くなったのはいいのだけど、どのツボを使ったからとかこんな治療をしたからといったことがわからないです。現在 良く言われているのが「免疫系に良く効くのが腸内環境」なんて言われていますよね。花粉症が治ったと言われる患者さんは消化器系が弱かったのですが、鍼灸治療のおかげで消化器系が随分と強くなってきていると思います。
現在 鍼灸うえだでは花粉症の治療として 肩や首のこりを少なくすること、消化器系(胃や腸の動きを良くする)を強くする この2点を重要視して治療しています。また「このツボが花粉症に効く」といったツボを探索中です。今年は「花粉症を治して!」と患者さんからの依頼を受けていますので見つけていけたらと思っています。発見したらまたこのブログで報告します。
でも 花粉症の方 一度鍼灸治療を受けてみてください、今までと違うと思われますよ。