今回は 小児はりのお話です。
鍼灸うえだが開院してすぐから来院している女の子、もうじき4歳。活発すぎてママの手に負えない。頭の回転も速いので色々と振り回されているらしい。今までその時々の症状を訊き、小児はりで対処して何とか2年半治療してきたけど、先日ママから「この子1週間のうち1回か2回 朝の寝起きの機嫌がすごく悪い時があり、その時は30分くらい物を投げたり暴れたりします。その後は気がスーとするのかケロッと機嫌が良くなり何事もなかったかのようになります。親としては朝一に暴れられるとその日一日しんどいです。」とカミングアウトされました。ガーン! 衝撃的事実。「先生、私はどうしたらいいですか?」どうしたらいいって言われても・・・。「お母さんはすることはありません、今まで頑張っているのは知っていますから。朝の機嫌が良くなるようにするのは治療者側がすることです。小児はりで何とかやってみましょう。」とお母さんには返事しました。
お母さんには返事をしたものの如何したものか。朝暴れるということは 朝起きた時にはイライラしているってこと。じゃあそのイライラをとれば朝に暴れる行為もマシになる?その発想の元、色々な専門書を引っ張り出して有効なツボを探していく。調べればあるものですね、たくさん。そこで見つけたツボは 身柱(しんちゅう)命門(めいもん)。これらのツボはもう昔から小児の治療には外せないツボ。中にはこの二つのツボで小児は治るという有名先生もいるほど。あらためてツボの重要性を再確認しました。私はそれにもうひとつツボを加えました。そのツボは百会(ひゃくえ)頭のてっぺんにあります。ここは陽気が集まる処・・・。私は「気」を信じないのでそんなことは言いませんけど。イライラはマシになるツボのようです。
次の日その子は来院しました。いつものように機嫌よく小児はりを受けてくれる。その治療の中に身柱、命門 そして百会のツボを意識して治療していく。傍で見ていたら普段とそんな違いもない。お母さんには「今日は前回聞きました朝一暴れる治療もしています。様子を見ておいてください。」と一言。それから1週間経ちました。その間にも鍼灸うえだに通っていただいてますが、朝一暴れる症状は無いようです。相変わらずお母さんはその子に手を焼いておられるようですが。朝一暴れるのが無くなっただけでもお母さんには少し楽になったようです。よかった、よかった。もっと早くカミングアウトしてくれたら良かったのに、それがショックかな。
お母さん、育児は大変です。相談した何か変わるかもしれませんよ。