お風呂に入ろう、でもヒートショックに気を付けて。

今回は「お風呂に入ろう」がテーマです。お風呂くらい毎日入っているよなんて話ですが・・・。それは置いといて。私は比較的お風呂が好きですので長い時は1時間くらいは湯船に浸かっています。もちろんたまには湯船から出ないと茹ってしまいますのでそれ込みで1時間くらい。すると当然のごとく身体じゅうの血液循環が良くなるので体調が万全、良くなります。1時間くらい湯船に浸かって何をするかって?それは本を読むのが日課でした。最近は中古本は安いのでふにゃふにゃになっても気にしないとばかりに読書タイムでした。

私が「お風呂に入ろう」というのには訳があります。鍼灸院に来院される患者の多くは身体のどこかが痛い・痺れるといった症状が多いです。私は問診時に「どうしたら痛みがましになる?一日のうちでそんなことある?」なんてことを訊きます。大抵の場合「わからない」「ましにはならない」といった答え。ただ「お風呂に入ったらどう?」と訊くと「あっ マシ」なんて言われること多々あります。お風呂は基本的に身体を温めること、いわゆる血液循環を良くすること。そしたらはり灸も血液循環を良くするんだからまあ治せるだろうなと判断しちゃいます。治療としてはお灸を加えるとグッドなのかなとか思っちゃいます。患者さんにアドバイスとして「温めたらマシになるんだから貼るカイロ貼りましょ。」なんていうこともしばしばです。ずっと鍼灸院に通えるわけではないので自衛策が大切。温めたらマシというのは一つのキーワードです。

ついでに -カイロを貼る時の注意事項ー カイロは貼っていて熱いと思うようなら温めすぎ。気持ちいいと思うくらいか感じないくらいが適当。汗をかくのは熱すぎるから、汗は身体を冷やすためにかくのだから汗をかくならしない方がマシ。よく動く人は小さいカイロが良いです。あと低温やけどに注意しないとね。

あともう一つ お風呂が好きな人が「今日は入らなくていいや」と思う時、もちろんめんどくさいというのもあります。「入ったらもっと身体がしんどくなりそう」なんて時ないですか?そんな時は気持ちに正直にもうお風呂に入らないこと。入った方が楽になるなんて頭で思うことは大抵失敗します。気持ちに正直にいきましょう。私は問診で「お風呂好き?お風呂に入りたい感じ?」なんて訊きます。お風呂に入りたいくらいならまだまだ元気、入るとしんどいという答えの人は疲れが溜まりすぎていますね。あとお腹にガスが多量の人も入りたくないような感じです。すぐ逆上せるようです。身体の具合が悪くなったら頭で考えるのではなく身体に聴けってかんじですね。

でも昨今言われているヒートショックにご注意を。温度差が多いところ、脱衣所→お風呂→湯船と血圧の変動が大きいので血圧の高い方や脳梗塞・心筋梗塞など循環器系の病気の方はなるべく温度差をなくすこと。湯船に入る時は心臓から遠いところからお湯を体に受け慣らすようにしましょう。お風呂はいいですよといいましたが、我慢して長く浸かることはありません。自分がそれでいいと思ったのが一番です。あと湯冷めとお風呂上がりの水分補給を忘れずに。

 

 

 

鍼灸ボランティアに行きました。(10/12編)

10月12日 鍼灸ボランティアで兵庫県丹波市市島地区竹田に行ってきました。昨日大阪でも台風が来ましたが、1か月前丹波市も台風の被害に見舞われました。近畿に住んでいる私もあんまり知らなかったのですがあの広島の被害が丹波市でも起こったとのことです。ボランティアの申し込みにまず丹波市市島支所に行きました。そこから要請のあった竹田地区に・・。市島支所には多くのボランティアの方が集まっておられました。「鍼灸でボランティアをしたい」とお願いすると願ったり叶ったりと大変喜ばれました。

ボランティア前日、現地集合以外の先生は 鍼灸うえだ に集合して取りあえず一泊。現地の集合時間が早いのと高速道路の宝塚インター付近を7時30分には通過したかったので広いだけの鍼灸うえだで寝ました。治療院が広くてよかった!。無事予定時間どおりに竹田ボランティアセンターに着きました。ここ丹波竹田は今有名になった天空の城竹田城の竹田ではなく丹波竹田。よく観光客が間違えるとTVでもワイドショーでやっていました。ともあれ竹田地区中村公民館に案内され、いざ鍼灸治療の準備~。

地区の会長さんが鍼灸ボランティアが来るぞ~と声をかけていただいてたらしくどんどん「お邪魔します」とおいでになる。鍼灸治療を希望の方には鍼灸治療をし、鍼は怖いという方には台座灸をしたりして鍼灸の良さをアピールする。田舎のおばあちゃんとかとお話しすると癒されますよ。笑いの絶えない話に被災地ということを忘れそう。でも家が全壊された方も来られてて・・・。結果鍼灸治療5名・台座灸12名と結構な賑わいでした。

今回お二人鍼灸治療をしましたが、興味深い症例を一例。70歳くらいの女性。主訴は膝痛。現在は膝は曲げられない。歩くにも歩きにくい、左足はむくんでいる感じとのこと。病院では手術を勧められているが乗る気がしない。午前中に夫が他の先生に鍼灸治療してもらって楽になった、お前もしてもらえと公民館に来たと言う。奥さんは私が診ることになって鍼灸治療を始めました。鍼灸は初めてとのこと。膝を診たがこれといって大きい反応点がない。そしたら腰だと腰を診ると案の定反応点がある。そこに鍼を刺しお灸をしたのです。もちろん全身治療なので首や肩背部も鍼灸をしましたが、「痛い・熱い」と言われたのは1回だけでした。治療後その女性は「足が温かい、動かしやすくなった。今までとは違う。」と鍼灸治療の効果に驚いておられました。膝の治療は膝ばかりではないんですね、やっぱり根本は「腰」。それを再度実感した症例でした。鍼灸治療で日常生活が変わる・楽になる大変喜ばしいことです。

次回は10月26日に丹波市市島竹田地区に行きます。また興味深い症例があれば紹介します。

山元式頭皮針講習会参加の成果

この夏大阪で行われた山元式新頭皮針の初級講習会に参加しました。私は以前より頭皮鍼についてはすごく興味を持っていました。

それはまだ大師はり灸療院にいた頃のことです。京都で小児鍼の講演と実技の依頼がありまして谷岡賢徳院長と出掛けました。無事講演と実技を終えました。その後懇親会がありまして全国の青年鍼灸師の方と色々とお話しできる機会を得ました。その際宮城県から参加の鍼灸師に「そんな鍼は効かない。もっと重症の子供たちを診ているんだ。」といわれ大変ショックだったことを覚えています。「子供は10歳くらいまでなら体の成長とともに治ろうとするんだ。それには頭の鍼が一番だ。」と言われたことがきっかけです。それからその頭の鍼について興味がありまた自分でも鍼灸の本を読みながら独学で勉強していました。中国の朱氏頭皮針を勉強したのですが、頭に鍼を刺しても効果がない。なかなか理解できない。山元式頭皮針は以前から知っていましたが朱氏頭皮針でできなかったので同じことになるかと二の足を踏んでいました。そんなところに患者さんが・・・。その患者さんは右手が痺れて痛い、感覚がないといった症状です。もう10年前に頸椎を手術されていました。当院の患者さんが「上田先生なら何とかしてくれるかも。」と紹介されての来院でした。大師流はり灸法で治療すれば吸い玉を使う刺絡というのがよく効くと思われました。実際治療すると首は楽になるし今まで右の肩関節辺りはずっとだるかったけどそれも良くなってきた。ただ右腕の痺れ・痛みは変わらない。

もう頭皮針がわかるとかわからないとか独学で言っててもしょうがない。教えてもらおうと7月20日大阪での山元式頭皮針講習会に行ったのでした。もちろん予習もして行きました。前日までに2冊の本を読み当日朝早く起きて山元式頭皮針のDVDを観て何年かぶりにばっちり学生モードで講習会に臨みました。本とは違いやはり先生に言葉で教えてもらうこと、実技重視の講習会だったのでもやもやしていた部分がなくなってきました。充実した講習会でした。翌日は習ったことを忘れてはならないとメモしたことを自分流にまとめ翌日の休日も頭皮針で終わってしまいました。

さてその後の患者さんの右腕の痺れですが、どうなったと思いますか?厳密にいうと変わらずです。ただ患者さんに言われました。「1日だけ右腕がマシやった。今までとは違っていた」と。10年間何にも変わらなかったのに1回の治療で変化が出る、感動しました。次回の治療ではもっと効果が出るよう頑張っていきたいと思います。まだまだ可能性はあると信じています。

この山元式頭皮針にはもっと可能性を秘めているのではと期待しています。治療法がリハビリしかない脳出血・脳梗塞などの中枢神経疾患における半身不随、麻痺、言語障害などの体幹の治療だけではなかなか変わらなかった症状が頭の鍼で改善していく。素晴らしいと思います。

後日談です。(10月22日書き込み)この患者さんは月一治療なのですが、次の月は2日間マシだったそうです。治療方針を変えていけばもっと成果が出ると思います。

 

お盆は帰省、鍼灸治療してきました。

お盆は8/13~8/17まで鍼灸うえだもお休みをいただき、郷里山口県に帰省しておりました。山口県の内陸なので風景はいい所ですがこれといったものは少ないです。特産品はわさびなのでどんなところか想像がつくでしょう。夏は涼しくて最高です。帰省すると両親に鍼灸治療するのが常です。最初は恐る恐るだった両親も今では催促するようになりました。ありがたいことです。また親に鍼灸治療ができるというある意味幸せを感じます。今回も例のごとく鍼灸治療をしてきました。

帰省した初日8/13に母の親指が腫れているのです。はじめは腫れた原因を言いませんでした。触ると 右手親指だけが腫れているそして熱も持っている 何だろうと問い詰めると「ハチに刺されてた。」というのです。自己判断で親指の根元を輪ゴムで巻いてハチの毒が回らないようにしていたようです。虫刺されに鍼灸治療 できると思いですか?できるんです!(鍼灸治療だけに頼らずお医者さんに行ってくださいね。前述しましたが、わさびが取れるようなところですから)刺されたところに三稜針で鍼します。三稜針ですので皮膚を切ります。そこから血を抜いていきます。(ハチの毒?も含めて身体の外に出します)そうするとみるみるうちに腫れていた指にしわができてきます。もちろん本人も刺された痛みがなくなってきています。そんなドタバタでとりあえず母の親指治療をしたのでした。その後1年間ほったらかしにしていた身体全体の治療も行いました。そして次の日。「またハチに刺された~。」2日目も刺された親指を治療したのでした。ブルーベリーの実を摂ろうとすると刺されるらしいのです。「もう摂らんでええ」となりました。

「鍼灸で虫刺されを治す」今回はこんなテーマでしたが大阪でも身近な虫 そう「蚊」こいつなんかはお灸が効きます。蚊に刺されたと感じたらすぐお灸するとかゆみが止まります。お灸が嫌な人はたばことか線香とかをかゆいところに近づけただけでもかゆみをとるのに効果的です。野外でそんなことになったら一度試してみてください。

帰省して感じますが何もないけどやはり「故郷はいいなあ」と思います。山口県愛が強いですから特に。