はり灸の守備範囲は広い。小児から老人、整形外科領域から自律神経失調症までとありとあらゆる症状で患者さんが訪れる。今回は「子供が欲しい」が鍼灸でうまくいくのかがテーマなのです。
その患者さんは33歳。子供を熱望するもできず、2年間病院の不妊治療に通われたとのこと。薬を飲み続けることに疑問を持ち一旦不妊治療はお休み。その方は鍼灸うえだの患者さんの友人だったので「ウエダ先生、不妊治療もするよ。」という一言で来院。私も流産された患者に鍼灸治療して再度妊娠なんてことはあったけど、不妊の人を一からというのは初めてでした。その患者さん曰く「病院であなたの子宮は冷えてる」と言われた と。じゃあとことん温めてみるみたいなノリで治療は始まりました。
目的は大きく二つ。一つは患者さん(母になる人)の身体をいい状態にすること。疲れをとり内臓も良く働くようになること。二つ目に子宮を温める。触診しても腰は冷たい。この冷たさを取っていこう。鍼灸うえだでしているいつもの(肩こりを治すとか胃腸を整える)治療を行いプラス腰部(仙骨部)をこれでもかというくらい温める。温めることはお灸、鍼灸うえだオリジナルお椀灸に加えて棒灸。本当に温まるようで帰りはポカポカ。私はわかりませんでしたが、ご主人と一緒に来られた時は見たことがないくらい顔がポカポカ赤かったという証言もあります。患者さんも足を冷やさないという忠告をしっかり守られ見事妊娠されました。初診が8月3日、翌2月1日には妊娠検査薬で陽性だったとのことで6ヵ月で妊娠という驚異的な速さでびっくりしています。1週間か2週間ごとでの来院でした。
生理があまりにも不規則だったのが段々とマシになったこと、生理になったとしても高温期などなったことがなかったとのことがだんだんと解消し妊娠したそうです。
鍼灸恐るべし! 子供さん授かって良かったですね。