今回のテーマは「夏場は来なくていいけど冬場はしっかり来てね」がテーマです。この言葉は実際に鍼灸うえだではよく言っている言葉です。誰も彼もではないけど該当する人にはしつこいくらいに言っています。
その該当する人とは 大師流でいうところの三稜針体質の人、治療で刺絡する人です。大師はり灸療院にいた頃三稜針体質の人は冬場にはよく「肩凝る」とか「腰が痛い」とか頻繁に来院されるのに何故か夏場は少ない。大師流では刺絡をする人は三稜針(皮膚を切る鍼)で皮膚を切りその後吸玉をかける。すると明らかにドロッとした血液やドス黒い血液が出てきます。その後患者は症状が軽減し楽になります。もちろん患者さんの誰にでもできるわけではなく三稜針体質の皮膚の人にだけ有効です。その皮膚鑑別が重要となります。
今年は3月になっても寒い日が続きましたが、中旬に鍼灸うえだの三稜針患者が来院。いつも月一で肩こりの治療をしている。ついでに頸椎症で右手の指先まで痺れがありこれについては毎回色々と痺れがマシになるよう試させていただいているところ。2月には調子がいいので初めて一か月飛ばして隔月治療をすると決めたばかりのところに急遽治療の予約が入った。「調子良かったのに年に一回の仕事をしたら無茶苦茶肩凝った、右の薬指・小指まで痛い。どうかして~」とのこと。治療は勿論刺絡です。右の肩から肩関節、前腕に加え手の甲 薬指・小指まで痛い。反応点を探しながら治療していく。肩がマシになり肩関節がマシになりだんだんと患者さんの「痛い」が減っていく。どこも三稜針で皮膚を切りながら吸玉をしながらドス黒い血液を抜くと痛みが減っていく。今回は薬指・小指まで痛みがあったので手の甲まで刺絡しました。最終的には「良くなった。」ということで治療を終了したのでした。
この三稜針体質、刺絡をする人は吸玉をした時にドロッとした血液が出ることが多いです。身体の末端にこんな血液があればそれは痛みも出るでしょうって感じです。冬は夏より血液循環が悪くなる季節、三稜針体質の人には身体の故障が多く出てきます。逆に夏は血液循環も良く(勿論クーラーばかりではそうなりませんが・。)身体の不調も少ないようです。
だから三稜針体質の人には「夏場は来なくてもいいから、冬にはしっかり治療に来てね。」と言います。
心当たりのある方は気をつけて下さいね。