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お盆は帰省、鍼灸治療してきました。
お盆は8/13~8/17まで鍼灸うえだもお休みをいただき、郷里山口県に帰省しておりました。山口県の内陸なので風景はいい所ですがこれといったものは少ないです。特産品はわさびなのでどんなところか想像がつくでしょう。夏は涼しくて最高です。帰省すると両親に鍼灸治療するのが常です。最初は恐る恐るだった両親も今では催促するようになりました。ありがたいことです。また親に鍼灸治療ができるというある意味幸せを感じます。今回も例のごとく鍼灸治療をしてきました。
帰省した初日8/13に母の親指が腫れているのです。はじめは腫れた原因を言いませんでした。触ると 右手親指だけが腫れているそして熱も持っている 何だろうと問い詰めると「ハチに刺されてた。」というのです。自己判断で親指の根元を輪ゴムで巻いてハチの毒が回らないようにしていたようです。虫刺されに鍼灸治療 できると思いですか?できるんです!(鍼灸治療だけに頼らずお医者さんに行ってくださいね。前述しましたが、わさびが取れるようなところですから)刺されたところに三稜針で鍼します。三稜針ですので皮膚を切ります。そこから血を抜いていきます。(ハチの毒?も含めて身体の外に出します)そうするとみるみるうちに腫れていた指にしわができてきます。もちろん本人も刺された痛みがなくなってきています。そんなドタバタでとりあえず母の親指治療をしたのでした。その後1年間ほったらかしにしていた身体全体の治療も行いました。そして次の日。「またハチに刺された~。」2日目も刺された親指を治療したのでした。ブルーベリーの実を摂ろうとすると刺されるらしいのです。「もう摂らんでええ」となりました。
「鍼灸で虫刺されを治す」今回はこんなテーマでしたが大阪でも身近な虫 そう「蚊」こいつなんかはお灸が効きます。蚊に刺されたと感じたらすぐお灸するとかゆみが止まります。お灸が嫌な人はたばことか線香とかをかゆいところに近づけただけでもかゆみをとるのに効果的です。野外でそんなことになったら一度試してみてください。
帰省して感じますが何もないけどやはり「故郷はいいなあ」と思います。山口県愛が強いですから特に。
夜尿症にお灸が効くケース。
おむつが取れるまで夜尿症とは言いません。おむつが取れるまでは「おねしょ」といい小さな子の脳と排尿しろという伝達システムが未発達の状態に起こることです。夜尿症となると小学に上がるくらいからの年齢(5~6歳)で脳のシステムもそこそこできているのに夜中におもらしをしてしまうということ。親御さんも小学生の低中学年ではあんまり気にはされていない方が多いように思います。小学校も高学年になるとだんだんと親御さんも本人も慌ててくる。それは林間学校があったり、修学旅行があったりと外泊することが増えるためです。以前よくあったのは5,6年の春に年間スケジュールをもらうとこの日までに治してほしいという要望でした。なかなかリミットのある治療は難しいですが結構夜尿症が改善していたと記憶しています。治りやすい夜尿症と治りにくい夜尿症があります。治りやすいのは毎日ではなく時々するケース。それでもって明け方におもらしするのは治りやすいと言えます。逆に毎日するケースや寝てすぐにするケースは治りにくいと言えます。病院で治療するというのもありますが小児はりで治ることもしばしばです。
小児はりは鍼を刺しません。(ホームページ内で説明済)身体全体をなでるようにしていくので気持ちが良いようです。夜尿症は小児の腰や腰仙部に反応がよく現れます。ただ小児はりだけでは反応が取りきれない時お灸をします。お灸というと「熱い」というイメージですが熱くありません。気持ちが良いという小児もいます。お灸と言っても線香に火を点けてそれをその反応部位(腰や腰仙部)に近づけるのです。ですから水ぶくれができたりということはありません。鍼灸うえだでも小学校に上がる前の子の腰が余りにも冷たかったので線香灸をしました。子供は気持ちいい言っていました。次回の治療の時お母さんが「この子はたまに少しだけおもらしするんですが前回線香灸をしてもらってからしなくなりました」と打ち明けられました。その後その子はおもらしがありません。
夜尿症は「起こさず・焦らず・怒らず」が基本と言われます。かといってそのままで治るケースは少ないです。いつになったら治るのかというストレス、また日々お布団を干すお母さんの労力も大変なものです。人にも相談しにくく、かといって病院はまだ敷居が高いそんな時は鍼灸院で小児はりを受けてみられたら如何ですか。
打ち身・打撲に鍼灸が効く。
世間一般では鍼灸は肩こり、腰痛ついでにひざ痛に効くといった感じだと思います。表題の「打ち身・打撲」に鍼灸なんて聞くわけないと思っているでしょう。以外に知られていませんが打ち身・打撲に鍼灸が有効なんです。本当に良く効くというのが私の印象です。鍼灸うえだを開業してから大きい打撲では3人の患者さんを治療しています。一人は大型スーパーの前の交差点で自転車で転倒して右手を強く打たれました。来院は転倒5日後でした。三稜針という鍼を使い治療して5回の治療でほぼ完治しました。次の患者さんは就寝中に小学生の子に頭を蹴られていわゆるむち打ち状態。これまた三稜針を使い2回で症状消失。といった感じで鍼灸にはいろいろな鍼がありますが特に三稜針という鍼を使いこなせると打ち身・打撲に効果的です。
3人目は特に印象が強かったので詳しく書いていきましょう。患者さんは小学6年生。授業中鉄棒から落ちて頭を強く地面に打ち付けました。学校内のことでしたのですぐに整形外科に受診されました。骨折はなかったものの頸椎捻挫と診断されました。お母さんもけがをした子も当院の患者さんだったので整形外科を行かれた後お電話がありました。「鍼灸で良くなりますか?」と。私は以前からお母さんに打ち身や打撲に鍼灸が効くと言ってましたので確認のお電話だったようです。もちろん「すぐに来てください」と二つ返事で応じました。来院した子は首を真っ直ぐにすることができず首を傾けたままでした。そしてちょっと動かすと「痛い!」という声が出てきます。イスに座らせて首や肩 そして頸椎・胸椎を診ていきましたが頸椎7番が明らかに外圧が掛かっている。私はそこに小学生ながら三稜針を打ちました。三稜針というのは皮膚を切る鍼で具合の悪くないところを切ったなら痛くてしょうがないという感じです。そこに三稜針をすると「気持ち良い!」と言われました。23年間鍼灸をしていて小学生に三稜針など持ったことがなかった私ですが自分自身びっくりしてしまいました。三稜針で切った処を吸い玉というカップで血を吸い上げました。すると少しですが出血しました。何度かそれを繰り返しその場所にお灸をするとその子は首を動かして「痛くない」と叫んだのです。その後全身に小児はりをして全身の調整も行いました。そして帰りには来る時とうって変わって元気に帰っていきました。その後頸椎捻挫には4回治療して現在は首は痛くないし、気にもならないと言っています。
打ち身・打撲に鍼灸というのにはポイントがあります。一つは三稜針を使うこと、これはすごく有効的です。もう一つは早く治療すること、この二点です。もちろん交通事故にも有効です。交通事故の場合大抵むち打ち症になっていますから。大師はり灸療院からずっとむち打ちの方を治療してすごく患者さんに感謝されます。今までのつらい症状から解放されるのですから、あのつらさは患者さんしかわかりません。雨の降る前や梅雨時期、寒い冬など一気につらい症状が出てきます。私もむち打ちの経験がありますが鍼灸のおかげですぐに良くなりました。
これで肩こり・腰痛ばかりが鍼灸ではないとわかっていただけましたか?
8月9日ははりきゅうの日。
3月3日がみみ(耳)の日というように8月9日はそのままズバリ字のごとくはりきゅうの日なのです。私の所属している日本鍼灸師会のパンフレットにもそのことが記載されています。最近はごろ合わせの記念日だとかご当地のゆるキャラだとか流行っていますけど。ただこのはりきゅうの日はまんざらでもないんです。以前鍼灸師会の八尾柏原支部の支部長をしてた時期がありましてその行事に市民向けの健康相談会がありました。その時市民向けに講演を何度かしたことがあります。ただ何となくではできないので大阪府立図書館にいって鍼灸ネタをよく探しに行きました。その時のいろいろのネタの中に・・・。あるんです。本当は1日違いですが、8月8日と2月8日。この日はお灸をする日でした。江戸時代などはそんなに医療が発達してるわけでもなくみんなが医療を受けられるわけでもなくという時代。病気になる前に身体をいい状態にしちゃえという発想。病気でも病気でなくとも8月8日、2月8日はお灸をする。一番暑い日と一番寒い日この日は何が何でもお灸するんです。今でいう予防医学です。昔の人は偉かったと思います。大人も子供も順番にしていたそうです。多いのはチリゲに灸する。ツボに身柱というのがありますがその辺りです。子供は終わった後おまんじゅうをもらったりしてたそうです。昔もやっぱりエサが必要なんですね。
ついでネタで・・・。足の三里というツボがあります。ここは鍼灸師が患者さんの胃腸の具合が悪い時によく使うツボです。昔はほとんどが移動手段が歩きでした。一日大体40キロ程度歩くんです。夕方旅籠に着くころは足が疲れて疲れて・・。旅人は旅籠に着くとまず足の三里に灸をします。効用は二つ。足の疲れを取るため、もう一つは胃腸の状態を良くするため。土地が変わると水が変わるというでしょう。だから道中の持ち物にはお灸のもぐさが入っていたのです。もひとつネタで、時代劇とかで旅籠に旅人が着くと「すすぎもってきて~」と足をすすぎます。まあなんといいサービスと思うでしょう。実は足をすすぎながら足の三里にお灸をしているか確かめていたんです。足の三里にお灸もしない人は健康に関心がない、とすると旅籠で病気になってもらっても大変だ、その上なくなったら供養までしないといけないので足の三里にお灸しないような健康に無関心な人は泊めないということだったようです。今も昔も日本人の健康志向は続いています。鍼灸院に来れない人は自分でお灸してみるのもいいかも。せんねん灸みたいなのをするときはお灸している部分が熱くなったらもう外したらいいですよ。がまん大会ではありまから・・・。
鍼灸はいつ効く?
鍼灸はいつ効く?と聞かれることがあります。治療したら「今でしょ!」となりますが、実際はそうではないようです。私も経験がありますが 治療の最中から「楽になってきました」と言われる方。治療が終わって「どうですか?」と尋ねても[わかりません。」という患者さん。いろいろあります。十人十色やはり個人差があります。以前大師はり灸療院に勤めている時にこんなことがありました。東大阪市から電車で来院する60代女性の方を治療しました。治療後に治療の成果が知りたくて「今どうですか?」と尋ねると「今は訊かんといてちょうだい。だってわからないから、私がわかるのは近鉄八尾駅についてからだから」と言われました。「近鉄八尾駅まではゆっくり歩いて10分くらい。そのころになったら身体が楽になってくるの。これだけしてもらったから多分楽になっている。」と言われました。その時そんなことってあるんだと思いました。私が治療してもらった時はすぐ楽になった感じがわかった、でもそうではない人もいるんだと気づきました。それからはすぐに楽になった感じがわからない方にはしつこく聞かないようにしています。本当にわからないのですから・・・。
でもいつかはわかる時があります。それはいつなのでしょう。患者さんから色々と訊いていると多いのは治療した翌日の朝がよくわかると言われます。昨日と違うと感じるそうです。また痛みなどは治療後少しずつなくなっていくようです。気が付くと痛みが取れていたみたいな感じです。鍼灸うえだからいうと 弱い刺激で十分良く効く人はその場で「楽になりました」と言われることが多いです。強い刺激をする人は「わからない」という方がいます。でも翌日には効果がわかります。あと吸い玉を鍼灸うえだではしますが吸い玉の人は治療直後に「楽になった」と言われます。
私は鍼灸というのは即楽になっていくのだと思っています。ただ身体の反応と感覚が少しずれている人は時間がずれて現れるのだと思います。あと鍼灸というのは治療後も効果が持続すると患者さんが言われます。治療した翌日、次の日とどんどん身体が変わるという方もおられます。鍼灸は面白いというか奥の深いものだと思います。