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双子の逆子治療うまくいきました。

以前のブログで逆子治療の成功例を書いたことがあります。今回は逆子治療をする前から自分自身どうかな?と思っていた症例でしたが結果的にうまくいった例です。

妊娠8か月に入ったばかりの妊婦さん、妊娠前より体調不良などで来院しておられます。悪阻の時も来院されました。今回は逆子なのですが、実は双子でその中の一人の胎児が逆子という訳でした。今まで逆子治療は何回かしていますが、双子の逆子というのは初めての経験。前述したようにどうかな?と思う訳です。患者さんの通院されている産院では逆子でも普通分娩できるとのことでしたが、逆子となると帝王切開になるとのことでした。患者さんは半分あきらめモードでしたが、藁にもすがる思いだったと思います。私も帝王切開すると産後にお母さんが痛い・しんどいなどで動けなくなるとおもっているので双子の世話など大変と思い今回の逆子治療がうまくいくことを願いました。

実際治療としては鍼灸うえだで他の妊婦さんと同じような治療をしました。妊婦には鍼灸うえだでは鍼を刺さないので反応点を見つけて鍉鍼で反応を小さくしていくこと、またお灸すること、最後に肩甲骨内や骨盤あたりを棒灸で温める、これらをします。逆子の場合はそれに加えて足の至陰というツボにお灸をするのです。ただお灸すれば良いのではなくまず左右のどちらに反応がでているかしっかりと確認して患者さんに訊きます。「ここ痛い?」そして「痛い」方もしくは「痛い」がキツイ方にお灸します。あらかじめ患者さんには「ここのお灸だけは熱くするから」と伝えています。そしてツボに熱が入ったと思われるくらいお灸します。鍼灸うえだでもこの灸だけは熱いです。これが逆子の治療です。

今回の逆子治療は100%良くなったのではありませんでした。180度ひっくり返れば成功ですが1回の治療で90度まで横向きになっているようです。ただ産院では逆子ではないので帝王切開はしなくともよいという見解です。とりあえず切らずに済んだと喜んでいます。

今回のことでつくづく鍼灸って不思議だなあと感じました。双子の片方だけでもひっくり返るなんて・・・。貴重な体験でした。

後日談です。(10月22日書き込み)ご主人と同じ職場の方が治療に来られて言われるには「逆子治療して10日くらいでしっかり逆子が治った。」とのことでした。報告まで。

 

鍼灸ボランティアに行きました。(10/12編)

10月12日 鍼灸ボランティアで兵庫県丹波市市島地区竹田に行ってきました。昨日大阪でも台風が来ましたが、1か月前丹波市も台風の被害に見舞われました。近畿に住んでいる私もあんまり知らなかったのですがあの広島の被害が丹波市でも起こったとのことです。ボランティアの申し込みにまず丹波市市島支所に行きました。そこから要請のあった竹田地区に・・。市島支所には多くのボランティアの方が集まっておられました。「鍼灸でボランティアをしたい」とお願いすると願ったり叶ったりと大変喜ばれました。

ボランティア前日、現地集合以外の先生は 鍼灸うえだ に集合して取りあえず一泊。現地の集合時間が早いのと高速道路の宝塚インター付近を7時30分には通過したかったので広いだけの鍼灸うえだで寝ました。治療院が広くてよかった!。無事予定時間どおりに竹田ボランティアセンターに着きました。ここ丹波竹田は今有名になった天空の城竹田城の竹田ではなく丹波竹田。よく観光客が間違えるとTVでもワイドショーでやっていました。ともあれ竹田地区中村公民館に案内され、いざ鍼灸治療の準備~。

地区の会長さんが鍼灸ボランティアが来るぞ~と声をかけていただいてたらしくどんどん「お邪魔します」とおいでになる。鍼灸治療を希望の方には鍼灸治療をし、鍼は怖いという方には台座灸をしたりして鍼灸の良さをアピールする。田舎のおばあちゃんとかとお話しすると癒されますよ。笑いの絶えない話に被災地ということを忘れそう。でも家が全壊された方も来られてて・・・。結果鍼灸治療5名・台座灸12名と結構な賑わいでした。

今回お二人鍼灸治療をしましたが、興味深い症例を一例。70歳くらいの女性。主訴は膝痛。現在は膝は曲げられない。歩くにも歩きにくい、左足はむくんでいる感じとのこと。病院では手術を勧められているが乗る気がしない。午前中に夫が他の先生に鍼灸治療してもらって楽になった、お前もしてもらえと公民館に来たと言う。奥さんは私が診ることになって鍼灸治療を始めました。鍼灸は初めてとのこと。膝を診たがこれといって大きい反応点がない。そしたら腰だと腰を診ると案の定反応点がある。そこに鍼を刺しお灸をしたのです。もちろん全身治療なので首や肩背部も鍼灸をしましたが、「痛い・熱い」と言われたのは1回だけでした。治療後その女性は「足が温かい、動かしやすくなった。今までとは違う。」と鍼灸治療の効果に驚いておられました。膝の治療は膝ばかりではないんですね、やっぱり根本は「腰」。それを再度実感した症例でした。鍼灸治療で日常生活が変わる・楽になる大変喜ばしいことです。

次回は10月26日に丹波市市島竹田地区に行きます。また興味深い症例があれば紹介します。

お母さん こどもの顔見ていますか?

「こどもの顔、見てますか?」って言われても「そんなの毎日見てるわよ、失礼ね。」なんて思っていませんか。私は小児はりをする時お母さんによくそう言います。もちろん親が目に入れても痛くない我が子を見てないはずはありません。でも見てないんです。最近笑顔が減ったとか目がつりあがってきたとかわかりますか?多分わかるのはお母さんではなく同居のおばあちゃんや近所のおばちゃんの方が多いはずです。「この子疳の虫やから鍼でもしてもらい~。」などと言われることがあるはずです。お母さんは「何が疳の虫?」なんて感じだと思います。昔から「傍目八目・・・当事者より周りの者の方がよくわかる」と言いますよね。お母さん以外の人の方がお母さんよりこどもの顔をよく見ているんだと思います。こどもの姿は見ています、でもこどもの顔をしっかりとは見てないんだと思います。小児はりでまず観るのは子供の顔です。怒っているか笑っているか泣いているかとか。「こどもは天使」というけれどニコニコしていて当たり前です。ニコニコしていなければお腹が空いたか、おむつが濡れているか、具合が悪いかと色々と考えないとね。また目の周りにも注目です。目の周りに青筋が出ていたり、目の周りだけ黒いとか暗い感じがあれば明らかに疳の虫。そんなところをみていけば「今この子は機嫌がいいんだとか悪いんだ。」ということはすぐわかります。小児はりをするとき「ここに青筋ありますよね。」とお母さんに言うと「エー そんなんあったけ。」みたいな話。オイオイもっとこども見てね、忙しいのはわかるけど・・。

小児はりをすると明らかにこどもの顔が変わります。ニコニコ笑顔が増えてきます。あとずーっと機嫌が悪い子っているでしょ。お母さんも「この子って生まれた時からこんな感じ。こんな子だと思ってた。」ずーっと機嫌悪いって遺伝子で言ったらお母さんもずーっと機嫌悪かったん?って思うけどそういう時は「旦那に似てんねん。」って、そう来たか。そんな子も小児はりをすると「この子って機嫌の悪い子じゃなかったのね。」そうお母さんが言いました。もっと早くわかって欲しかった。

小児はりは鍼を刺しません。皮膚をなでるように動かすので子供は気持ちが良いです。ですからじっとしています。おかあさんは「普段こんなにじっとする子じゃないんだけど・・。」で、鍼をする前と後では明らかに違います。まずニコニコ、親の言うこともよく聞くようになりますよ。ということは 育児が楽になります。

今日もう一度 お子さんの顔を持てみて下さい。ニコニコしていますか?目の周りは黒ずんでぼやけていませんか?目がつりあがっていませんか?これだけでも機嫌がいいか悪いかわかります。も一つ言うと「寝起き。」寝起きのいい子はほぼ機嫌がいいです。寝起きの悪い子は一日中機嫌が悪いです。こどもさんのちょっとしたサインを見逃さないでください。それによってお母さんの育児生活も変わってきますから。

よく「寝ている子供は天使だ!」って言いますけど起きてても「天使」ですから・・・。また起きてても「天使」になるようおかあさんも頑張ってください。

山元式頭皮針講習会参加の成果

この夏大阪で行われた山元式新頭皮針の初級講習会に参加しました。私は以前より頭皮鍼についてはすごく興味を持っていました。

それはまだ大師はり灸療院にいた頃のことです。京都で小児鍼の講演と実技の依頼がありまして谷岡賢徳院長と出掛けました。無事講演と実技を終えました。その後懇親会がありまして全国の青年鍼灸師の方と色々とお話しできる機会を得ました。その際宮城県から参加の鍼灸師に「そんな鍼は効かない。もっと重症の子供たちを診ているんだ。」といわれ大変ショックだったことを覚えています。「子供は10歳くらいまでなら体の成長とともに治ろうとするんだ。それには頭の鍼が一番だ。」と言われたことがきっかけです。それからその頭の鍼について興味がありまた自分でも鍼灸の本を読みながら独学で勉強していました。中国の朱氏頭皮針を勉強したのですが、頭に鍼を刺しても効果がない。なかなか理解できない。山元式頭皮針は以前から知っていましたが朱氏頭皮針でできなかったので同じことになるかと二の足を踏んでいました。そんなところに患者さんが・・・。その患者さんは右手が痺れて痛い、感覚がないといった症状です。もう10年前に頸椎を手術されていました。当院の患者さんが「上田先生なら何とかしてくれるかも。」と紹介されての来院でした。大師流はり灸法で治療すれば吸い玉を使う刺絡というのがよく効くと思われました。実際治療すると首は楽になるし今まで右の肩関節辺りはずっとだるかったけどそれも良くなってきた。ただ右腕の痺れ・痛みは変わらない。

もう頭皮針がわかるとかわからないとか独学で言っててもしょうがない。教えてもらおうと7月20日大阪での山元式頭皮針講習会に行ったのでした。もちろん予習もして行きました。前日までに2冊の本を読み当日朝早く起きて山元式頭皮針のDVDを観て何年かぶりにばっちり学生モードで講習会に臨みました。本とは違いやはり先生に言葉で教えてもらうこと、実技重視の講習会だったのでもやもやしていた部分がなくなってきました。充実した講習会でした。翌日は習ったことを忘れてはならないとメモしたことを自分流にまとめ翌日の休日も頭皮針で終わってしまいました。

さてその後の患者さんの右腕の痺れですが、どうなったと思いますか?厳密にいうと変わらずです。ただ患者さんに言われました。「1日だけ右腕がマシやった。今までとは違っていた」と。10年間何にも変わらなかったのに1回の治療で変化が出る、感動しました。次回の治療ではもっと効果が出るよう頑張っていきたいと思います。まだまだ可能性はあると信じています。

この山元式頭皮針にはもっと可能性を秘めているのではと期待しています。治療法がリハビリしかない脳出血・脳梗塞などの中枢神経疾患における半身不随、麻痺、言語障害などの体幹の治療だけではなかなか変わらなかった症状が頭の鍼で改善していく。素晴らしいと思います。

後日談です。(10月22日書き込み)この患者さんは月一治療なのですが、次の月は2日間マシだったそうです。治療方針を変えていけばもっと成果が出ると思います。

 

はり灸はいろんな症状に効く(爪白癬編)

はり灸はいろんな症状に効くの第3弾は「爪白癬」聞いたことがあるようなないような名前、実は水虫なんです。しかも爪にできる水虫です。今回はこの爪白癬の治療についてです。例のごとく患者さんに「気になる症状ない?」と尋ねると「これを治してくれい」と70代の男性から足の指を見せられました。指の爪は真っ白になっており「どうしました~」と訊くと「爪の水虫なんじゃ、もちろん塗り薬と飲む薬をもらっているけど、薬を飲むと胃の調子が悪くなる、はり灸で治してくれんか」とのこと。頭にひらめいたことはあったけど確信までには至らない。「1週間待ってください、1週間後から治療しましょう。」とその場は終わりました。私がひらめいたのは「お灸」で治すこと。多分学生時代に読んだ本に書いてあったような気がする。一度確認してから治療に取り掛かろうと思いました。他の用事もあり母校の森ノ宮医療学園に行った際、鍼灸osakaという鍼灸雑誌が何気なく置いてありました。用事を待つ間その雑誌を読んでいるとなんと 爪の水虫にお灸する話が載っている ラッキーとばかりに記事を熟読し爪白癬の治療を確信したのでした。

1週間後患者さんはやってきました。通常の治療に加えて「爪白癬」の治療をすることに。初日にしたことは爪の上にお灸をすること。これが結構大変なんです。爪の上にお灸するとまず艾が立ちにくい(爪がつるつるしてるため)艾が置きにくい(爪白癬は足の親指・第2指・第3指にあり狭い所なので)お灸を据えても据えても患者が感じない(足先はお灸を感じないことも多々あるがまして爪の上なので一向に感じない)最初は苦労しました。取りあえず「終わった~」て感じでした。これでは時間が掛かりすぎる、もっといい手はないものか。次回患者さんが来たとき「今日からはお灸ではなく直接線香を爪に当てます、爪が熱くなったら言ってください。お灸も線香でするのも同じ熱刺激です」といい患者さんに納得してもらいそのように爪白癬の治療をしました。患者さんも爪に熱い感覚があるので効いてる感じがすると言われていました、また「これだったら自宅で自分でもできる」と自宅でされるようになりました。ただ患者さんが使ったのは蚊取り線香の線香なので結構熱かったのではと思います。来院ごとに私は爪白癬の治療をしていきました。そうすると爪はだんだんに伸びてきますね。新しい爪は白くなく普通の肌色でした。患者さんもだんだん良くなるのを実感されたようでした。爪白癬の完治を見届ける前に独立したので最終まではわかりません。経過は良かったと思っています。

昔からお灸は良く効くと言われています。字のごとく「久しい火」長いことお灸はしなければなりません。でもお灸で治った症状は再発しないとも言われています。身近なところから健康管理するのは如何ですか。