4月に入り一段と温かくなりましたね。桜もこの辺りは7分咲き、つい散歩などしたくなります。でも散歩行きたいのに、膝が痛いとついおっくうになってしまいます。今回のテーマは「膝痛」。
世の中には膝の悪い人はたくさんいて街では痛そうに歩かれる姿をよく目にします。職業柄気になるのか具合の悪い方に目がいってしまいますね。膝が痛いと言っても色々あります。膝の内側辺りが腫れてくる、変形性膝関節症。見ただけで痛そう。膝に炎症があるんですね。だんだんと変形してきて O(おー)脚とかX(えっくす)脚になってくると膝の関節が負担になって炎症が起きてきますね。これも鍼灸すれば炎症が治まると水も溜まりにくくなり痛みが減ってきます。でも今回の「膝痛」は変形性ではないんです。
変形性でなくてってことは見た目普通。どこが悪いのって感じだけど痛みがある。例えば階段昇る時なんか痛い。でもよく痛くなるのって階段降りの時片一方の足に全体重と重力が掛かる時が一番だと思いますけど。階段昇る時なんて自分で体重移動を考えながらできるので降りとはちと違う。来院された患者さんは動かしたときに膝が痛いもんだから「先生、膝が痛い。」なんてよく言われます。痛みが出る状況を問診し「え~これって膝が悪いんじゃ無いんじゃない。腰よ、腰」ということが多いです。最近では「先生、腰ですよね。」なんて患者さんから言ったりして。
膝を床に付ける、立膝をすると痛いという患者さんがいて年末に電話が掛かってきて「先生どこ悪いの?」「それは腰よ。腰」と返答すると納得いかない。「じゃあ、整形外科でレントゲンでも撮ってもらって何ともなかったらおいで。」とお答えしました。案の定「整形外科では何ともないと言われた。でも痛い。」と来院されました。
「じゃあ、気になるから先に膝の治療しとく?」とベッドにうつむきで寝かせ、腰に鍼をしました。膝に関係する場所があるんですね。鍼は2~3本患者さんに刺しました。鍼を抜き「一回痛い格好してみて。」と患者さんに言うといろいろと動かしてみて「わー痛くない。」と感動。「やっぱり腰やったんや。」
もうひとつ、前の職場では「走る先生」が来院されたことがありました。やはり膝が痛くて走れなくなったそうです。その時も膝そのものではなく腰だと判断し治療しました。まだ勉強不足の頃でしたが、腰椎の正中部位に鍼をしていくとだんだんと走る時に痛みがなくなるとのことでした。計5回くらいの治療でしたが、本当に良くなられたのでしょう、治療後すぐのマラソン大会で優勝されたとのこと、あんまりうれしくて治療院にお礼の電話がありました。私も大変うれしかったことを覚えています。
鍼灸の妙は痛む部位がイコール治療場所ではないということです。なかなか難しいですがそういうツボを見つけて早く症状が良くなると患者さんは感動されます。もちろん治療者もですが・・。
膝が痛いのは膝が悪いから?膝が悪いからって膝に湿布貼っていれば治るってものではないんですね。