はり灸はいろんな症状に効くの第3弾は「爪白癬」聞いたことがあるようなないような名前、実は水虫なんです。しかも爪にできる水虫です。今回はこの爪白癬の治療についてです。例のごとく患者さんに「気になる症状ない?」と尋ねると「これを治してくれい」と70代の男性から足の指を見せられました。指の爪は真っ白になっており「どうしました~」と訊くと「爪の水虫なんじゃ、もちろん塗り薬と飲む薬をもらっているけど、薬を飲むと胃の調子が悪くなる、はり灸で治してくれんか」とのこと。頭にひらめいたことはあったけど確信までには至らない。「1週間待ってください、1週間後から治療しましょう。」とその場は終わりました。私がひらめいたのは「お灸」で治すこと。多分学生時代に読んだ本に書いてあったような気がする。一度確認してから治療に取り掛かろうと思いました。他の用事もあり母校の森ノ宮医療学園に行った際、鍼灸osakaという鍼灸雑誌が何気なく置いてありました。用事を待つ間その雑誌を読んでいるとなんと 爪の水虫にお灸する話が載っている ラッキーとばかりに記事を熟読し爪白癬の治療を確信したのでした。
1週間後患者さんはやってきました。通常の治療に加えて「爪白癬」の治療をすることに。初日にしたことは爪の上にお灸をすること。これが結構大変なんです。爪の上にお灸するとまず艾が立ちにくい(爪がつるつるしてるため)艾が置きにくい(爪白癬は足の親指・第2指・第3指にあり狭い所なので)お灸を据えても据えても患者が感じない(足先はお灸を感じないことも多々あるがまして爪の上なので一向に感じない)最初は苦労しました。取りあえず「終わった~」て感じでした。これでは時間が掛かりすぎる、もっといい手はないものか。次回患者さんが来たとき「今日からはお灸ではなく直接線香を爪に当てます、爪が熱くなったら言ってください。お灸も線香でするのも同じ熱刺激です」といい患者さんに納得してもらいそのように爪白癬の治療をしました。患者さんも爪に熱い感覚があるので効いてる感じがすると言われていました、また「これだったら自宅で自分でもできる」と自宅でされるようになりました。ただ患者さんが使ったのは蚊取り線香の線香なので結構熱かったのではと思います。来院ごとに私は爪白癬の治療をしていきました。そうすると爪はだんだんに伸びてきますね。新しい爪は白くなく普通の肌色でした。患者さんもだんだん良くなるのを実感されたようでした。爪白癬の完治を見届ける前に独立したので最終まではわかりません。経過は良かったと思っています。
昔からお灸は良く効くと言われています。字のごとく「久しい火」長いことお灸はしなければなりません。でもお灸で治った症状は再発しないとも言われています。身近なところから健康管理するのは如何ですか。