私は鍼灸師ですが、患者さんを触診をする手前、手が冷たいっていうのは凄く気にします。まだまだひよっこの頃は手が温まらず冷たい手で患者さんを触り嫌な思いをさせた記憶があります。だんだんとこの仕事の歴史が長くなると勝手に手が温かくなってくれます。あんまり手が冷たいことを気にしなくよくなるものだと自分の体験から思っています。
今回の患者さんは「手が冷たい」と言われる作業療法士の女性。仕事歴も長いので前述の話では手が冷たいなんて無縁なこと。「2,3年前より手が冷たい、もちろん仕事の際にも気を使う」とのこと。触るとホントに冷たい。こりゃ大変だ。今まで温かったらしく2、3年前からだから・・。原因は2つ。ひとつは肩・首・ついでに肩甲骨あたりの凝り。これが手に対して血液循環を阻害している。もうひとつは胃腸の働きが落ちている。胃腸の働きが悪いと身体は内臓に血液をまわすので末端の手足は血液の循環が悪くなり冷たくなるのです。この二つを説明し、いざ治療!首・肩の治療で少し右手が温かくなってきた。肩甲骨内を治療すると右手はポカポカするらしい。ホントかなと思って触らせてもらうとさっきとは全然違う。この患者さん首・肩・肩甲骨周りがよく凝っていたのと、やはり胃腸の働きが悪かったようです。治療が終わる頃には手がポカポカ、鍼灸が初めての患者さんだったのでこんなに即効性があることに衝撃的だったようです。
鍼灸は「痛くない・熱くない」ものです。いやいや「気持ちのいいもの」です。この患者さんのように鍼灸に良い印象を持っていただくと業界人として幸せですね。